概要
リンドン・ネリ(1965年生まれ)は、フィリピン出身の建築家である。2004年、ロッサナ・フーとともに上海でネリ&フーを設立した。既存の建物を用途を変えて使い直す仕事を主とし、家具の設計も並行して行う。作品はすべて2名の連名で発表されている。
バイオグラフィー
1965年、フィリピンに生まれた。カリフォルニア大学バークレー校で建築を学び、ハーバード大学デザイン大学院で修士号を得ている。
1990年代、マイケル・グレイヴスの事務所に勤めた。アジア地域の設計を担当している。
2004年、ロッサナ・フーとともに上海でネリ&フーを設立した。以後の作品はすべて2名の連名で発表されている。
建築と内装のほか、家具と照明の設計も行っている。デ・ラ・エスパダ、モロッソ、クラシコンなどと協働してきた。
デザインの思想と方法
ネリ&フーの仕事は、上海に残る既存の建物を用途を変えて使い直すことから始まった。取り壊して建て直すのではなく、既存の構造を残しながら内部を組み直す。この立場が、家具の設計にも通じている。
既存の構造を残す
倉庫や工場を宿泊施設や店舗に転用する場合、既存の煉瓦やコンクリートはそのまま残す。新設する部分は素材を変え、どこが元からあったかが分かるようにする。
異なる材料を並置する
家具では、木、金属、革、石といった性質の異なる材料を組み合わせる。それぞれの境界を隠さず、接合の位置が外から見える。建築での方針が規模を変えて現れている。
細部の寸法を建築から決める
建築を主とする事務所であるため、家具の寸法も空間との関係から決まる。部屋の高さ、開口の位置、動線の幅が、家具の大きさに影響する。
連名で発表する
2004年以降の作品はすべてロッサナ・フーとの連名で発表され、個々の担当は公表されていない。両名とも建築を学んでいる。
代表作にみる方法
ウォーターハウス(2010年、上海)
1930年代の倉庫を宿泊施設に転用した仕事である。既存の煉瓦の外壁を残し、増築した部分は耐候性鋼板とする。どこが元からあったかが外から分かる。
カポ ベッド(デ・ラ・エスパダ)
木の枠に張り材を組み合わせたベッドである。材料の境界を隠さず、接合の位置が外から見える。→カポベッド
デ・ラ・エスパダのための家具
無垢材による椅子、卓、収納を設計している。同社は木工を主とするメーカーで、材料と工程が限定される。
照明の設計
クラシコン、パラシャンなどのために照明を設計した。金属とガラスを組み合わせる構成をとる。
店舗・宿泊施設の内装
中国国内外で店舗と宿泊施設の内装を手がけている。既存の建物を用途を変えて使い直すという方針が共通する。
評価と影響
ネリは、2000年代以降の中国で活動する建築家として言及される。上海に残る既存の建物を用途を変えて使い直す仕事が、その中心にある。
フィリピンに生まれ、アメリカで学び、中国を拠点とする経歴を持つ。複数の地域の条件を扱う立場にあたる。
2004年以降の作品はすべてロッサナ・フーとの連名で発表されている。建築と家具の双方を同じ事務所で扱う体制をとる。
収蔵
4館のAPI(MoMA、V&A、Met、AIC)で照合したが、該当する収蔵は確認できなかった。中国国内の館については照合手段がない。
作品一覧
2004年以降の作品はロッサナ・フーとの共同設計による。
| 年 | 区分 | 作品名 | ブランド / 場所 |
|---|---|---|---|
| 2004年 | 事務所 | ネリ&フー 設立 | 上海、中国 |
| 2010年 | 建築 | ウォーターハウス | 上海、中国 |
| 2010年代 | ベッド | カポベッド | De La Espada |
| 2010年代〜 | 家具 | デ・ラ・エスパダのための家具 | De La Espada |
| 2010年代〜 | 照明 | クラシコンほかのための照明 | ClassiCon ほか |
| 2004年〜 | 内装 | 店舗・宿泊施設の内装 | 中国ほか |
プロフィール
| 生年 | 1965年 |
|---|---|
| 出身地 | フィリピン |
| 国籍 | フィリピン |
| 活動拠点 | 上海 |
| 分野 | 建築、インテリア、家具、照明 |
| 主な協働ブランド | De La Espada、Moroso、ClassiCon |
Reference
- Neri&Hu Design and Research Office(公式)
- https://www.neriandhu.com/
- De La Espada
- https://delaespada.com/