ストッケ(Stokke)
ストッケは、1932年にノルウェー北西部オーレスン近郊のスンモーレアルプスの地で、ゲール・ストッケ氏によって創業された家具メーカーを起源とする、世界的なプレミアムベビー用品ブランドです。「親子の絆を深める」という理念のもと、人間工学に基づいた革新的なデザインと卓越した品質を兼ね備えた製品を、世界80カ国以上の家庭に届けています。
創業以来90年以上にわたり、三世代に渡って受け継がれる技術と品質への妥協なき姿勢が、ストッケのものづくりの根幹を成しています。1972年に発表された「トリップ トラップ」チェアは、子どもの成長に合わせて調整できる革新的なハイチェアとして世界中で愛され、累計販売台数1,600万脚以上を記録。その後もベビーカー「エクスプローリー」、ベビーベッド「スリーピー」など、数々の名作を生み出し、子ども向け製品の分野においてグローバルなリーディングブランドとしての地位を確立しています。
ブランドの理念とコンセプト
ストッケが掲げるブランドフィロソフィーの中核は「Designed to be closer(親子の距離を近づけるためのデザイン)」という思想です。製品開発においては、常に子どもの目線を第一に考え、子どもの健やかな成長を促すとともに、親子が自然な形でふれあい、絆を深められるよう設計されています。
北欧の文化において、食事の時間を家族で共有することは日常の大切な営みとして根づいています。ストッケは、この「食卓を囲む生活」という価値観を製品に反映させ、子どもと大人が同じ目線でテーブルを囲み、会話を交わし、学び合うことのできる環境づくりを提唱してきました。子どもが家族の輪の中心にいることで、愛情に包まれ、自立心と自信を育んでいくことができるのです。
サステナビリティへの取り組み
1932年の創業時より、ノルウェーの豊かな自然に囲まれた地を拠点とするストッケは、自然との共存を大切にしたものづくりを追求してきました。上質で丈夫な素材、子どもの成長に合わせて変化する機能性、そしてタイムレスなデザインを組み合わせることで、世代から世代へと長く愛用できる製品を生み出しています。
使用する木材はFSC(森林管理協議会)認証を受けた持続可能な森林から調達され、一つひとつの木材は伐採された場所まで追跡可能です。また、主要テキスタイルには100%リサイクルのペットボトル素材を使用するなど、次世代に受け継ぐ地球環境への配慮を製品づくりの柱としています。
ブランドヒストリー
創業期(1932年~)
1932年、ゲール・ストッケ氏は、ノルウェー西海岸のスンモーレアルプスの麓に、高品質な家具を製造する工房を設立しました。当時のノルウェーでは珍しく、女性従業員と社内デザイナーを雇用する先駆的な企業として、独自のものづくりの道を歩み始めます。創業期に生み出された家具は、今もなおビンテージ家具として高い評価を受け、デザインコレクターの間で取引が行われています。
事業拡大期(1950年代~1960年代)
20世紀中頃、ストッケはノルウェー国内外での小売販売に力を入れ、急速な成長を遂げました。この時期、モダンなリビングルームに合った斬新な家具の製造を開始。1965年に発売された「スウィングスター」は、複数のリクライニングポジションと360度回転機能を備えた革命的なチェアとして大きな反響を呼び、トップセラーとなりました。この成功が、その後の革新的な製品開発の礎となっています。
子ども向け製品への転換(1972年~)
1972年、ストッケはノルウェー人デザイナー、ピーター・オプスヴィック氏がデザインした「トリップ トラップ」チェアを発表。これが同社初の子ども向け製品となり、ブランドの歴史における大きな転換点となりました。子どもの成長に合わせて座面と足乗せ板を調整できるという革新的なコンセプトは、ハイチェア業界に革命をもたらし、以後50年以上にわたり世界中で愛され続けています。
トータルベビーブランドへの発展(1999年~)
1999年には楕円形のベビーベッド「スリーピー」を発売。2003年にはハイシート設計のベビーカー「エクスプローリー」を発表し、従来のベビーカーの常識を覆す独創的なデザインで注目を集めました。2006年以降、ストッケは家具メーカーから子ども向け製品専門のブランドへと本格的に方向転換し、ハイチェア、ベビーカー、ベビーベッド、ベビーキャリア、バス用品など、子育てのあらゆるシーンをサポートする総合ベビーブランドへと成長を遂げました。
グローバル展開と買収(2014年~現在)
2014年、韓国のNXCが出資するベルギーの投資会社NXMHがストッケを所有。その後、2021年にはフランスの人気ベビーカーブランド「BABYZEN」、ドイツの抱っこひもメーカー「Limas」、イタリアのプレイテーブルブランド「Mukako」、2022年にはデンマークのベビー用品ブランド「Evomove」を買収するなど、積極的なブランド統合を推進しています。2024年1月には「BABYZEN YOYO」を「ストッケ YOYO」としてブランド傘下に統合し、さらなる製品ラインナップの充実を図っています。
代表的な製品とその特徴
トリップ トラップ(Tripp Trapp)
1972年の発売以来、世界累計1,600万脚以上を販売するストッケのシグネチャーアイテムです。デザイナーのピーター・オプスヴィック氏が、当時2歳の息子が従来のハイチェアを卒業した後、大人の椅子には小さすぎるという課題に直面したことから着想を得て開発されました。
特徴的なL字型フレームに刻まれた14段階の溝に座面と足乗せ板を差し込み調整することで、新生児から大人まで、あらゆる年齢と体格に対応します。人間工学に基づいた設計は、子どもの正しい姿勢をサポートしながら、自由に動くことを促進。家族と同じ目線でテーブルを囲むことで、子どもの社会性や情緒の発達に貢献します。ヨーロッパ産ビーチ材またはオーク材を使用し、136kgまでの耐荷重を誇る堅牢な構造は、文字通り一生使い続けられる品質を実現しています。
スリーピー(Sleepi)
1999年に発売された、角のない独特の楕円形が特徴のベビーベッドです。デンマーク人デザイナーのスサナ・グロンルンド氏とクラウス・ヴィーズ・クヌーセン氏によるデザインで、母親のおなかの中を想起させる柔らかな曲線が、赤ちゃんに安心感を与えます。
新生児期はミニベッドとして使用し、成長に合わせてパーツを組み替えることで、生後6ヶ月頃からはベビーベッドに、3歳頃からは別売りのジュニアベッドキットを使用して10歳頃まで使用可能。ロック機能付きキャスターにより部屋から部屋への移動も容易で、スペースを持たせた柵と通気性を確保した底板、3Dメッシュマットレスが快適な睡眠環境を提供します。
エクスプローリー(Xplory)
2003年に誕生した、ストッケを象徴するハイシートストローラーです。「親子の距離を近づける」という理念を体現し、センターフレーム設計のシャーシと高い位置に取り付けられたシートが、従来のベビーカーの概念を覆す独創的なフォルムを生み出しました。
72cmの超ハイシート設計により、赤ちゃんと押す人の目線が近くなり、お出かけ中も自然なアイコンタクトが可能です。シートの高さは21段階、ハンドルの角度は4段階に調整でき、背面・対面の両対面式に対応。高い位置のシートは、真夏の地面からの照り返しや排気ガスから赤ちゃんを遠ざける効果もあります。クッション性に優れたシート構造と大型タイヤ、堅牢なフレームが安定した走行性を担保しています。
ストッケ YOYO(旧BABYZEN YOYO)
2012年にフランスで誕生し、2021年にストッケが買収、2024年1月よりストッケブランドに統合されたコンパクトベビーカーです。世界初の三つ折りベビーカーとして、瞬時に折りたためる革新的な開閉システムを採用しています。
折りたたみ時にはショルダーバッグのように肩にかけて持ち運ぶことができ、IATA(国際航空運送協会)基準に適合した機内持ち込み可能なサイズを実現。アルミニウム合金、ステンレス鋼、ガラス繊維強化プラスチックを採用した軽量かつ頑丈なボディと、4輪それぞれに備わったサスペンションが、都市生活におけるあらゆる移動シーンをスマートにサポートします。
主なデザイナー
ピーター・オプスヴィック(Peter Opsvik)
1939年ノルウェー生まれ。1959年からデザイナーとしてのキャリアをスタートし、「動作の自由」を重視した革新的な椅子を数多く生み出してきたインダストリアルデザイナーです。ジャズミュージシャン、画家としての顔も持ち、環境問題への取り組みにも積極的な多彩な人物として知られています。
1972年にデザインした「トリップ トラップ」は、子どもが自由に動けることを重視した彼の信条を体現した作品であり、家具デザインにおける最大の貢献は「着席中に動くことや姿勢を変えることを促すチェアの開発」にあります。バランス・バリエール、HÅG カピスコなど、人間工学に基づいた数々の名作チェアを世に送り出しています。
スサナ・グロンルンド&クラウス・ヴィーズ・クヌーセン
デンマークを拠点に活動する2名のデザイナーによるデザインユニット。「スリーピー」ベビーベッドのデザインを手がけました。
スサナ・グロンルンド氏は、デンマークのデザイン学校を卒業後、1991年に自身のデザインスタジオを設立。家具を中心に、テキスタイル、玩具、照明など幅広いプロダクトデザインを手がけ、数々の賞を受賞しています。クラウス・ヴィーズ・クヌーセン氏は、ロイヤル・デニッシュ・アカデミー・オブ・ファインアーツを卒業後、1992年よりデザイナーとしてのキャリアをスタート。熟練した大工でもある彼は、工芸の伝統をベースに木材を使用した様々な作品を生み出しています。
基本情報
| ブランド名 | ストッケ(Stokke) |
|---|---|
| 設立 | 1932年 |
| 創業者 | ゲール・ストッケ(Georg Stokke) |
| 本社所在地 | ノルウェー・オーレスン(Ålesund) |
| 創業地 | ノルウェー・スンモーレアルプス |
| 事業内容 | ハイチェア、ベビーカー、ベビーベッド、ベビーキャリア、バス用品等の企画・製造・販売 |
| 代表製品 | トリップ トラップ、スリーピー、エクスプローリー、ストッケ YOYO |
| 公式サイト | https://www.stokke.com/JPN/ja-jp/home |