Éditions Serge Mouille(エディション・セルジュ・ムーイユ)

Éditions Serge Mouilleは、フランスの照明作家Serge Mouille(1922年〜1988年)の設計を製作する工房である。1999年、Mouilleの妻Gin Mouilleと Claude Delpirouによって設立された。細い鋼の腕と、有機的な輪郭を持つアルミニウムの反射板を黒く塗装して組み合わせる構成が製品の性格を定めている。工業的な量産ではなく手作業による製作を続ける方針が採られ、製品には通し番号と証明書が付される。

事業と製造の実体

製作はフランス国内の自社工房で行われる。Mouilleが晩年を過ごしたエーヌ県モンティエ近郊にあり、原型となる型と素材、加工方法を当時のまま用いる方針が採られている。

製造技術の中心は板金と鋼の加工にある。反射板はアルミニウムの板を叩き出して曲面を作り、腕は細い鋼棒を曲げて成形する。両者をつなぐのは真鍮の球関節で、これによって反射板の向きを自由に変えられる。細い腕で重量のある反射板を支えるため、関節部の締結と釣り合いの調整が仕上がりを左右する。

塗装はすべて黒で統一される。反射板の内面は白く塗られ、外側の黒と対比する構成にあたる。灯した際に、内面からの反射光だけが空間へ出て、骨組みは線として残る。この処理は表面の装飾ではなく、光の出方を決める工程として扱われている。

すべての製品に通し番号が刻まれ、真正性の証明書が付される。現在のコレクションは、床置き、天井吊り、壁付け、卓上を含む数十の型からなる。

沿革

Serge Mouilleの仕事

Serge Mouilleは1922年にパリで生まれ、13歳でパリ応用美術学校に入学して金属工芸と銀細工を学んだ。1941年の卒業後は師の工房で経験を積み、1945年に自身の金属加工の工房を開くとともに母校で教えている。

1951年、Compagnie des Arts Françaisを率いていたJacques Adnetから大型の照明の設計を依頼された。これに応えて生まれたのが三本の腕を持つ床置きの照明で、以後Mouilleは黒く塗装した金属による一連の照明を展開する。1956年にパリのサンジェルマン大通りに開いたSteph Simonの画廊では、Jean Prouvé、Charlotte Perriand、Isamu Noguchiの作品とともにMouilleの照明が扱われた。大学都市や学校、聖堂といった公共施設の照明も手がけている。

1960年代初頭、Mouilleは注文の増加と教育の職務の両立が難しくなった際、生産の工業化ではなく製作の停止を選んだ。以後は蛍光管を用いる別系統の照明の設計に移っている。

工房の設立

1999年、Mouilleの妻Gin MouilleとClaude Delpirouが Éditions Serge Mouilleを設立した。Mouilleが用いた型と加工方法をもとに、当時の製品を再び製作する事業にあたる。以後、床置き、天井吊り、壁付けの各形式が順次製品化されている。

デザイナーとの協働

Éditions Serge Mouilleは新規の設計を委嘱する事業体ではなく、Serge Mouille一人の設計を対象とする点で、通常の照明メーカーと構成が異なる。設立者は Mouilleの妻と協力者であり、当時の型と技法を保持したうえで製作を続けることが事業の目的とされている。

対象となるのは、1950年代の黒く塗装した金属による一連の照明と、1960年代の蛍光管を用いた系統の二つである。

主な製品群

床置きの照明では、スリーアーム・フロアランプワンアーム・フロアランプがある。細い脚から立ち上がる支柱に腕を取り付け、先端の反射板を球関節で支える構成にあたる。腕の本数によって光の向きの数が変わる。

天井吊りの照明ではサターンがある。円環状の構成を持ち、床置きの製品とは異なる系統に属する。

基本情報

ブランド名 Éditions Serge Mouille(エディション・セルジュ・ムーイユ)
設立 1999年
設立者 Gin Mouille、Claude Delpirou
設計者 Serge Mouille(1922年〜1988年)
製作拠点 フランス・エーヌ県モンティエ近郊
事業内容 照明器具の製作および販売
公式サイト https://www.sergemouille.com

Reference

Éditions Serge Mouille - 公式サイト
https://www.sergemouille.com
Wikidata - Éditions Serge Mouille
https://www.wikidata.org/wiki/Q131639119