ウルトラフラゴラは、イタリアの建築家でありデザイナーのエットレ・ソットサスが1970年にデザインした、ポストモダンデザインを象徴する革新的なミラー兼ライトオブジェである。その名称は「究極のイチゴ」を意味するイタリア語に由来し、官能的で遊び心に満ちた本作品の本質を見事に表現している。

1970年5月、ミラノで開催された第3回エウロドムス展において、ソットサスが手がけた「モビリ・グリージ」(グレーファニチャー)シリーズの一部として発表されたウルトラフラゴラは、当時の機能主義的なデザイン規範に対する大胆な挑戦であった。シリーズの他の作品がプロトタイプ段階に留まる中、本作品のみが量産化され、今日まで製造され続けているという事実は、その普遍的な魅力と革新性を物語っている。

特徴とコンセプト

ウルトラフラゴラの最も顕著な特徴は、波打つ女性の長い髪を想起させる流麗な曲線美である。真空成形されたオパールPETG(ポリエチレンテレフタレートグリコール)製のフレームは、消灯時には純白の優美な姿を見せるが、点灯すると内蔵されたピンク色のネオンまたはLEDライトが幻想的な輝きを放ち、空間全体を官能的な雰囲気で包み込む。

本作品は単なる実用的な鏡としての機能を超え、光る彫刻作品としての芸術性を備えている。高さ195センチメートル、幅100センチメートル、奥行13センチメートルという存在感のあるサイズは、設置空間において圧倒的な視覚的インパクトをもたらす。ソットサスは本作品について、「グレーファニチャーから発せられる光について言えば、墓には常に揺らめく光があり、塵の谷をさまよう霊の青を照らすのではないか。潜水艦の腹部には揺らめく緑の光があるのではないか。それらの光は、ファイバーグラスの身体から発せられる、胸の白い肌の永遠の輝きのように、ポルノグラフィックな夜における男性器の赤い先端の永遠の輝きのように、そのようなもの、つまり日本の蛍の光のように夜を物質に変えるようなものである」と詩的に語っている。

デザイン哲学

ウルトラフラゴラは、1980年代にソットサスが創設することになるメンフィス・グループの美学を先取りした作品である。モダニズムの直線的で禁欲的な形態に反旗を翻し、有機的な曲線、鮮やかな色彩、そして安価な工業素材を大胆に採用することで、デザインの民主化と感情的表現の重要性を主張した。

モビリ・グリージシリーズは、反商業主義的な姿勢を明確に打ち出した実験的コレクションであった。グレーという色彩は消費者訴求の対極を象徴し、新興ブランド文化に対する批判的なステートメントとして機能した。1970年のエウロドムス展での展示は、薄暗く黙示録的な雰囲気の中で行われ、ネオンライトの青白い光に照らされた寝室空間は、戦後イタリアデザインの厳しい現代性を体現していた。

エピソードと評価

ウルトラフラゴラの製造には、職人的な技術が今なお不可欠である。すべての製品は、1970年に制作された単一のオリジナルアルミニウム型から熱成形され、フィレンツェのポルトロノヴァ工房で手作業により仕上げられている。各作品には個別番号と認証書が付属し、デザイン史における正統性を保証している。

21世紀に入り、本作品はソーシャルメディア時代における文化的アイコンとして再評価されている。モデルのベラ・ハディッドが実物を目にした瞬間にクレジットカードを差し出したという逸話や、ミュージシャンのフランク・オーシャン、女優のレナ・ダナムらセレブリティが愛用していることは広く知られている。パリの高級ブティックホテル「ル・ピガール」のエントランスに白いウルトラフラゴラが設置され、宿泊客のセルフィースポットとして機能していることも、現代における本作品の位置づけを象徴的に示している。

批評的評価においては、ウルトラフラゴラはイタリアン・ラディカルデザイン運動の重要な遺産として位置づけられている。機能性を超えた情緒的・芸術的表現を追求した本作品は、デザインが単なる問題解決の手段ではなく、文化的言説と感覚的経験の媒体であることを示した先駆的作品として高く評価されている。

文化的影響

ウルトラフラゴラは、ポストモダンデザインの美学が現代インテリアデザインに与えた影響を体現する作品である。ミニマリズムへの反動として、遊び心、色彩、個性的表現を重視する潮流の象徴として、新世代のデザイナーやアートラバーに継続的なインスピレーションを与えている。

日本においても、1990年代後半のイームズブーム以降、プラスチック家具やスペースエイジデザインへの関心が高まる中で注目を集めた。特に美容室やアパレルショップなど、個性的な商業空間において、空間の象徴的要素として採用されるケースが多く見られる。その圧倒的な視覚的インパクトと芸術性は、実用的な鏡としての機能を超えて、空間に活力と視覚的魅力を付加するオブジェとしての役割を果たしている。

今日的意義

半世紀以上を経た今日においても、ウルトラフラゴラは時代を超越した魅力を放ち続けている。デザインが欲望を生み出すメカニズムを体現する本作品は、ビジュアルカルチャーの発展に伴い、その文化的重要性をさらに増している。インスタグラムをはじめとするソーシャルメディアにおいて、セルフィーの背景として機能する本作品は、自己表現とアイデンティティの視覚化という現代的文脈において新たな意味を獲得している。

ソットサスが提起した、デザインにおける感情的共鳴と挑発的表現の重要性というテーマは、今日のデザイン実践においても依然として有効である。ウルトラフラゴラは、デザインが単なる形態と機能の問題ではなく、人間の感覚、記憶、欲望と深く結びついた文化的実践であることを雄弁に物語る、不朽の傑作なのである。

基本情報

デザイナー エットレ・ソットサス(Ettore Sottsass)
ブランド ポルトロノヴァ(Poltronova)
デザイン年 1970年
発表 第3回エウロドムス展(ミラノ、1970年5月)
シリーズ モビリ・グリージ(Mobili Grigi)
寸法 高さ195cm × 幅100cm × 奥行13cm
重量 約41kg
材質 真空成形オパールPETG(アクリル)、ミラーガラス、ネオン/LEDライト
照明 ピンク色ネオンチューブ(初期版)、ピンク色LED(現行版)
生産国 イタリア(フィレンツェ)
生産状況 現行生産(受注生産、個別番号・認証書付き)