ケタル ビッタ テーブルは、イタリアを代表する建築家・デザイナーであるロドルフォ・ドルドーニが、スペインの高級アウトドアファニチャーブランド「ケタル」のために2016年にデザインしたアウトドアテーブルコレクションである。「ビッタ(Bitta)」とはイタリア語で「係船柱」を意味し、船舶を繋ぎ止めるために使用される係留ロープの編み込みにインスピレーションを得て誕生した。テーブル天板にはチーク材やストーンを採用し、アルミニウムフレームとの素材コントラストが、地中海の陽光に映える優美な佇まいを生み出している。
同コレクションは、ダイニングテーブル、エクステンダブルテーブル、センターテーブル、ラウンジテーブルなど多彩なバリエーションを展開し、住宅のテラスやガーデンはもとより、世界各地のラグジュアリーホテルやリゾート施設にも数多く採用されている。完全耐候性を備えた素材選定と、イタリアンデザインの粋を極めたフォルムが融合した、現代アウトドアリビングを象徴する名作である。
特徴・コンセプト
ビッタ テーブルの設計思想は、屋外空間を室内と等しく重要な生活空間として捉える、地中海的なライフスタイルの提案に根ざしている。デザイナーのロドルフォ・ドルドーニは、港町に佇む係船柱に巻き付けられた係留ロープの力強くも優美な編み込みに着想を得て、このコレクション全体のデザインコンセプトを構築した。
素材の融合
テーブル天板には、経年変化により深みを増すチーク材、あるいは重厚感と清涼感を兼ね備えたストーンを採用。これらの天然素材と、軽量かつ耐久性に優れたアルミニウムフレームとの組み合わせは、視覚的なコントラストのみならず、機能性においても卓越した調和を実現している。すべての素材は完全耐候性を備え、過酷な屋外環境においても美しさと機能性を長期にわたり維持する。
多様なサイズ展開
コレクションには、8名から12名に対応する伸長式ダイニングテーブルをはじめ、リビング空間に寛ぎをもたらすセンターテーブル、コンパクトスペースに適したラウンジテーブルなど、多様な用途とスペースに応じたラインナップが揃う。2019年に発表されたビッタ ラウンジコレクションでは、よりコンパクトな空間にも対応できるよう、プロポーションと寸法が最適化されている。
カラーバリエーション
アルミニウムフレームには、フェルドスパー、クルクム、アルパイングロー、テラコッタ、マグマ、テラロッサ、セピア、コバルト、オアシス、ブロンズ、インディゴ、ジプサム、カオリン、ボーン、チョーク、マンガニーズ、ロンドンクレイ、フリント、カーボン、ペブルなど20色以上の豊富なカラーオプションが用意され、あらゆるインテリアスタイルやランドスケープに調和する選択肢を提供している。
エピソード
ロドルフォ・ドルドーニは、ビッタコレクションのデザインについて次のように語っている。「私の目標は、係船ロープの編み込みを想起させる密度の高い編み目を創り出すことでした。通気性を保ちながらも、軽やかな印象を与える。同時に、自然な色彩の中でくつろげる、居心地の良い巣のような空間を実現したかったのです」。この言葉は、シーティングを中心としたコレクション全体の設計哲学を端的に表しているが、テーブルにおいてもその思想は継承されている。
ドルドーニがケタルとの協業で追求したのは、単なる屋外用家具の枠を超えた、室内外の境界を曖昧にする新しい居住空間の提案であった。ケタルもまた、1966年の創業以来、アウトドアスペースを住まいの延長として捉え、インドアファニチャーと同等の重要性を付与するという理念を掲げてきた。両者の思想的合致が、このコレクションの誕生を可能にしたといえる。
2019年にはビッタ ラウンジコレクションが発表され、よりソフトで丸みを帯びたデザインと新しいフィニッシュが加わった。さらに2023年には、グランド ビッタコレクションが登場し、より大型のソファやシーティングが追加されることで、コレクションの幅は一層広がりを見せている。
評価
ビッタコレクションは、発表以来、国際的なデザインシーンにおいて高い評価を獲得してきた。その洗練された美学と機能性の両立は、世界各地のラグジュアリーホテルやリゾート施設からの支持を集め、コントラクト市場においても確固たる地位を確立している。
フランス・コルシカ島に位置する五つ星リゾート「ヴェルシオン・マキス・シタデル」では、ロビーテラスやレストランエリア、スパ空間にビッタコレクションの製品が採用され、地中海の自然と調和した上質な空間演出に貢献している。こうしたホスピタリティ分野での実績は、プロフェッショナルからの信頼の証左である。
また、すべてのケタル製品は100%リサイクル可能であり、使用木材はペルフタニ認証を取得している。環境負荷の低減と持続可能性への配慮は、現代のラグジュアリーマーケットにおける重要な価値基準であり、ビッタコレクションはこの要件をも満たしている。
デザイナーについて
ロドルフォ・ドルドーニは1954年ミラノ生まれ。1979年にミラノ工科大学建築学部を卒業し、アキッレ・カスティリオーニ、マルコ・ザヌーゾ、ヴィコ・マジストレッティ、ミケーレ・デ・ルッキらを輩出したミラノの伝統的デザイン文化の継承者として、現代イタリアンデザインの第一線で活躍を続けている。
カッペリーニ(1979年〜1989年)、アルテミデ(ガラスコレクション)、フォンタナアルテ(家具コレクション)、フォスカリーニ(照明)、ミノッティ(1997年〜現在)、ロダ(2006年〜現在)など、数多くのブランドのアートディレクターを歴任。製品デザインのみならず、ブランドのイメージ戦略やマーケティングまでを包括的に手がける、総合的なデザインコンサルタントとしての手腕にも定評がある。
2005年にはアレッサンドロ・アチェルビ、ルカ・ザニボーニとともにドルドーニ・アルキテッティを設立し、住宅、商業施設、展示空間、ホテル、レストラン、ヨットなど、建築・インテリアデザイン分野においても精力的に活動を展開している。2011年には国家イノベーション賞を、2014年には第23回コンパッソ・ドーロにてオナラブルメンションを受賞するなど、その功績は国際的に認められている。
基本情報
| 製品名 | ビッタ テーブル(Bitta Table) |
|---|---|
| デザイナー | ロドルフォ・ドルドーニ(Rodolfo Dordoni) |
| ブランド | ケタル(Kettal) |
| 発表年 | 2016年 |
| 原産国 | スペイン |
| 素材 | 天板:チーク材またはストーン、フレーム:アルミニウム |
| サイズ展開 | ダイニングテーブル、エクステンダブルテーブル(8〜12名用)、センターテーブル、ラウンジテーブル |
| 特徴 | 完全耐候性、屋内外兼用、豊富なカラーバリエーション(20色以上) |
| 環境配慮 | 100%リサイクル可能、ペルフタニ認証木材使用、エコフレンドリー塗料 |