概要

バブルチェアは、エーロ・アールニオが1968年に発表したラウンジチェアである。透明なアクリルの球体を天井から吊り下げる構造をとる。同じアールニオによるボールチェアの発展として設計された。当初はアスコ、のちにアデルタが製造し、現在はエーロ・アールニオ・オリジナルズが手がけている。

特徴・コンセプト

透明にして光を入れる

ボールチェアは不透明なシェルで囲うため、内部が暗くなる。アールニオはそこに光を入れることを次の課題とし、素材を透明なアクリルに替えた。壁面にあたる部分がすべて透過するので、外の明るさがそのまま内側に届く。

球体は、加熱したアクリルを型に沿って膨らませて成形する。継ぎ目のない一続きの面が得られるため、視界を遮る線が入らない。

吊るという解

アールニオは当初、透明な台座を検討したが、透明な素材で脚を作ると、支持に必要な太さがそのまま見えてしまう。透明にした意味が脚で損なわれるため、床で支えることを諦め、天井から吊る方式に切り替えた。接地部を持たないので、球体の輪郭が途切れない。

吊り下げた椅子は固定されず、座ると緩やかに揺れる。

囲いによる静けさ

球体の内側は、開口部を除いて周囲から隔てられる。ボールチェアと同じく、外の音が届きにくい範囲ができる。透明であるため視界は開けたまま、音の面だけが囲われる。内部にはクッションが置かれる。

エピソード

アールニオは、椅子は座るための道具であって椅子らしく見える必要はない、という立場をとっていた。球体を吊るという構成は、脚と座面と背もたれという組み合わせから離れた形にあたる。

評価と影響

1960年代のプラスチック製家具として、ボールチェアと並んで扱われる。透明な球体という形は、当時の映画や広告でも繰り返し使われた。天井の下地に荷重がかかるため、設置には吊り元の強度を確認する必要がある。

基本情報

名称 バブルチェア / Bubble Chair
デザイナー エーロ・アールニオ(Eero Aarnio)
ブランド エーロ・アールニオ・オリジナルズ(現行)/アスコ、アデルタ(過去)
発表年 1968年
デザインの成立国 フィンランド
分類 ラウンジチェア(吊り下げ式)
主要素材 透明アクリル、ステンレス鋼、クッション
構造 継ぎ目のない一体成形の球体を天井から吊る。接地部を持たない
設置 天井の吊り元に荷重がかかるため下地の強度確認が必要

Reference

Bubble Chair | Eero Aarnio Originals
https://eero-aarnio-originals.com/products/bubble-chair