概要
ステファン・ディーツ(1971年生まれ)は、ドイツのデザイナーである。家具職人の訓練を受けたのちシュトゥットガルトで学び、2003年にミュンヘンで事務所を開いた。部材の点数を減らし、分解と修理ができる構成をとる。2014年のニュー・オーダーは、押出成形のアルミ材を組み合わせる棚の体系にあたる。
バイオグラフィー
1971年、ドイツに生まれた。家具職人の訓練を修了したのち、シュトゥットガルト国立造形美術大学で学んでいる。
在学中から実務に携わり、リチャード・サッパーとコンスタンティン・グルチッチの事務所で働いた。
2003年、ミュンヘンで自身の事務所を開いた。家具、照明、鞄と対象は広い。
2018年からカールスルーエ造形大学で教えている。ヴィトラ、ヘイ、マジス、トネットなどと協働してきた。
デザインの思想と方法
製品は、部材の点数が増えるほど製造も輸送も複雑になる。修理や分解も難しくなる。ディーツが扱うのは、必要な部材の点数を減らすという問題である。
押出成形の材で構成する
アルミの押出成形では、同じ断面の材を任意の長さで切り出せる。長さを変えるだけで異なる寸法の製品が作れる。型は一つで済む。
分解できるようにする
接着ではなく、ねじや差し込みで組む。使い終わったときに部材ごとに分けられ、修理も部材の交換で済む。材料の再利用も可能になる。
接合の方法で形が決まる
どう接合するかを先に決めれば、部材の形も決まる。接合部の設計が製品全体の構成を規定するという順序をとる。
家具職人の訓練を前提とする
家具職人としての訓練を経ており、加工の可否を実務で把握している。図面だけでは判断できない条件を扱える。
ヘイの歴史や他の製品について詳しくはヘイ ブランドページをご覧ください。
代表作にみる方法
ニュー・オーダー(2014年、ヘイ)
押出成形のアルミ材を組み合わせる棚の体系である。同じ断面の材を任意の長さで切り出せるため、型は一つで済む。ねじで組むため分解でき、部材の交換で修理できる。→ニューオーダー
ロープ・トリック 床置き照明(2013年)
縄を用いた照明である。ニューヨーク近代美術館が収蔵している(収蔵番号94.2015)。
チェアレス(2010年、ヴィトラ)
帯を身体と膝に回して座る姿勢を保つ道具である。椅子としての部材を持たず、帯だけで構成される。
404(2007年、トネット)
曲げ木の椅子である。同社の技術を前提とし、部材の点数を抑えている。
カールスルーエ造形大学での教育(2018年〜)
製品設計を教えている。設計の実務と並行している。
評価と影響
ディーツは、2000年代以降のドイツのデザインを担う設計者として言及される。部材の点数を減らし、分解と修理ができる構成をとる点が特徴にあたる。
家具職人の訓練を経ており、加工の可否を実務で把握している。図面だけでは判断できない条件を扱える立場にある。
ヴィトラ、ヘイ、マジス、トネットなど複数のメーカーと協働してきた。2018年から教育にも携わっている。
収蔵
以下の収蔵が確認できる(MoMA=ニューヨーク近代美術館)。
- MoMA ロープ・トリック 床置き照明(2013年) 収蔵番号 94.2015
V&A、Met、AIC では該当する収蔵は確認できなかった。ドイツ国内の館については照合手段がない。
作品一覧
| 発表年 | 区分 | 作品名 | ブランド |
|---|---|---|---|
| 2003年 | 事務所 | ディーツ・オフィス 設立 | ミュンヘン、ドイツ |
| 2007年 | 椅子 | 404 | Thonet |
| 2010年 | 什器 | チェアレス | Vitra |
| 2013年 | 照明 | ロープ・トリック | Wilkhahn ほか |
| 2014年 | 収納 | ニューオーダー | HAY |
| 2018年〜 | 教育 | カールスルーエ造形大学 | ドイツ |
| 2003年〜 | 家具・照明 | 各社のための製品 | Vitra / Magis ほか |
プロフィール
| 生年 | 1971年 |
|---|---|
| 出身地 | ドイツ |
| 国籍 | ドイツ |
| 活動拠点 | ミュンヘン |
| 分野 | 家具、照明、鞄 |
| 主な協働ブランド | Vitra、HAY、Magis、Thonet |
Reference
- Diez Office(公式)
- https://diezoffice.com/
- HAY
- https://hay.dk/
- The Museum of Modern Art Collection
- https://www.moma.org/collection/works/2325