概要

ペーター・ラーケ(1928-2022)は、ドイツのデザイナー・教育者である。1959年に設計したカトラリー「モノA」は、1本の鋼板から打ち抜いて成形する構成をとり、柄と先端の境界を持たない。ハンブルクとカッセルの美術大学で教え、ドイツ工作連盟の活動にも関わった。

バイオグラフィー

1928年9月27日、ドイツのハーナウに生まれた。金工の訓練を受け、ハーナウの美術学校で学んでいる。

1950年代から金属の器物の設計に携わった。1959年、カトラリー「モノA」を設計している。

1960年代から複数の美術大学で教えた。ハンブルク造形美術大学、カッセル総合大学などが挙げられる。

ドイツ工作連盟の活動にも関わり、教育と実務を並行して続けた。2022年に没している。

デザインの思想と方法

カトラリーは通常、柄と先端を別に作って接合するか、鍛造で形をつくる。ラーケが用いたのは、1本の鋼板から打ち抜いて成形するという方法である。部材が1つになれば、接合部も装飾も生じない。

1本の板から打ち抜く

ステンレス鋼の板を型で打ち抜き、曲げて成形する。柄と先端が連続し、境界が現れない。断面は場所によって変わるが、材料は一続きである。

断面で持ちやすさを決める

柄の断面を平らに近く保つと、指が当たる面積が広くなる。厚みを増やせば重くなるため、断面の形で重量と持ちやすさを調整する。

装飾を持たない

打ち抜きと曲げだけで作るため、彫刻や象嵌といった装飾が入る段階が存在しない。表面は研磨で仕上げる。

教育と実務を並行する

複数の美術大学で教えながら設計を続けた。ドイツ工作連盟の活動にも関わっている。

代表作にみる方法

モノA(1959年)

1本の鋼板から打ち抜いて成形したカトラリーである。柄と先端が連続し、境界が現れない。断面の形で重量と持ちやすさを調整する。装飾を持たず、表面は研磨で仕上げる。→モノ-A カトラリー

モノリング(1966年)

柄に環状の切り抜きを設けたカトラリーである。ニューヨーク近代美術館が3組を収蔵している。

モノ 10+1 キッチンツール(1965年)

調理用の道具11点の組である。ニューヨーク近代美術館が収蔵している(収蔵番号2239.1967.1-11)。

栓抜き(1971年)

金属の板による栓抜きである。ニューヨーク近代美術館が収蔵している(収蔵番号55.1972)。

教育(1960年代〜)

ハンブルク造形美術大学、カッセル総合大学などで教えた。設計の実務と並行している。

評価と影響

ラーケは一般に、20世紀後半のドイツの金属器を代表する設計者と評価されている。1本の板から打ち抜いて成形するという構成が特徴にあたる。

モノAは1959年の設計で、現在も生産が続いている。部材が1つであるため、接合部も装飾も生じない。

複数の美術大学で教え、ドイツ工作連盟の活動にも関わった。教育と実務を並行して続けている。

収蔵

以下の収蔵が確認できる(MoMA=ニューヨーク近代美術館)。計5件が確認できた。

  • MoMA モノ 10+1 キッチンツールセット(1965年) 収蔵番号 2239.1967.1-11
  • MoMA モノリング フラットウェア(1966年) 収蔵番号 2240.1967.1-4、2241.1967.1-4、2281.2001.1-4
  • MoMA 栓抜き(1971年) 収蔵番号 55.1972

V&A、Met、AIC では該当する収蔵は確認できなかった。ドイツ国内の館については照合手段がない。

作品一覧

発表年 区分 作品名 ブランド
1959年 カトラリー モノ-A カトラリー mono
1965年 調理器具 モノ 10+1 キッチンツール mono
1966年 カトラリー モノリング mono
1971年 什器 栓抜き mono
1960年代〜 教育 ハンブルク造形美術大学、カッセル総合大学 ドイツ

プロフィール

生没年 1928年9月27日〜2022年
出身地 ドイツ・ハーナウ
国籍 ドイツ
活動拠点 ハンブルク、カッセル
分野 カトラリー、金属器、教育
主な協働ブランド mono

Reference

mono
https://www.mono.de/en/
The Museum of Modern Art Collection
https://www.moma.org/collection/works/2325