概要
パオラ・ナヴォーネ(1950年生まれ)は、イタリアの建築家・デザイナーである。1998年からジェルバゾーニのアートディレクターを務め、同社の製品構成を決めてきた。アジアの手工芸の技術を工業生産に取り込む方向をとり、籐、竹、陶の製品を多数手がけている。
バイオグラフィー
1950年、イタリアのトリノに生まれた。トリノ工科大学で建築を学び、1973年に修了している。
1970年代後半、実験的なデザインの集団に加わった。同時期にアレッシィやアビタレのための仕事も行っている。
1980年代からアジア各地を訪れ、現地の手工芸を調査した。この経験が以後の設計の前提になる。
1998年からジェルバゾーニのアートディレクターを務めた。カッペリーニ、ドリアデ、セラックスなどのためにも設計を行っている。
デザインの思想と方法
手工芸は、作り手ごとに仕上がりが違う。工業生産では同じものを大量に作るため、この差は排除される。ナヴォーネが試みたのは、手工芸の技術を工業の枠組みに取り込みながら、個体差を残すことである。
手編みの工程を組み込む
籐や竹を編む工程は、機械で代替できない。骨組みは工場で作り、編む部分は手作業とする。工程を分けることで、量産と手仕事が両立する。
個体差を欠点としない
手作業の部分では、編み目の詰まり方や色の濃淡が一つずつ違う。これを均一に近づけるのではなく、そのまま製品として出す。
屋内と屋外の区別を外す
インアウトの系列は、屋外用の材料と加工を用いながら、室内でも使える形をとる。どちらで使うかを製品の側で決めない。
製品群として構成する
アートディレクターとしては、個々の製品ではなく製品群全体の方向を決める。素材、色、寸法の体系を先に定めることで、後から追加する製品も既存のものと合う。
ジェルバゾーニの歴史や他の製品について詳しくはジェルバゾーニ ブランドページをご覧ください。
代表作にみる方法
ゴースト コレクション(2002年〜、ジェルバゾーニ)
詰め物を布で覆った座具の系列である。布が余った状態で被さり、輪郭が緩む。カバーを外して洗える。
インアウト(ジェルバゾーニ)
屋外用の材料と加工を用いながら、室内でも使える形をとる家具の系列である。どちらで使うかを製品の側で決めない。→InOut 23
籐・竹の家具
骨組みを工場で作り、編む部分を手作業とする。編み目の詰まり方や色の濃淡が一つずつ違い、そのまま製品として出す。
フィッシュ&フィッシュ(2016年、セラックス)
魚の形をした皿の系列である。陶器で成形され、絵付けは手作業による。
アートディレクション(1998年〜)
ジェルバゾーニの製品構成を決めてきた。素材、色、寸法の体系を先に定めることで、後から追加する製品も既存のものと合う。
評価と影響
ナヴォーネは、アジアの手工芸の技術を工業生産に取り込む方向をとった設計者として言及される。1980年代からの現地調査が、その前提にある。
1998年からジェルバゾーニのアートディレクターを務め、同社の製品構成を決めてきた。個々の製品ではなく製品群全体の方向を決める立場にあたる。
家具、照明、食器と対象は広い。いずれも手作業の工程を残すという点で共通する。
収蔵
4館のAPI(MoMA、V&A、Met、AIC)で照合したが、該当する収蔵は確認できなかった。イタリア国内の館については照合手段がない。
作品一覧
| 年 | 区分 | 作品名 | ブランド |
|---|---|---|---|
| 1998年〜 | ディレクション | ジェルバゾーニ アートディレクター | Gervasoni |
| 2002年〜 | 座具 | ゴースト コレクション | Gervasoni |
| 2000年代〜 | 屋外家具 | InOut 23 | Gervasoni |
| 2000年代〜 | 家具 | 籐・竹の家具 | Gervasoni |
| 2016年 | 食器 | フィッシュ&フィッシュ | Serax |
| 1990年代〜 | 家具 | カッペリーニ・ドリアデのための家具 | Cappellini / Driade |
プロフィール
| 生年 | 1950年 |
|---|---|
| 出身地 | イタリア・トリノ |
| 国籍 | イタリア |
| 活動拠点 | ミラノ |
| 分野 | 家具、照明、食器、アートディレクション |
| 主な協働ブランド | Gervasoni、Cappellini、Driade、Serax |
Reference
- Paola Navone(公式)
- https://www.paolanavone.it/
- Gervasoni
- https://www.gervasoni1882.it/en/