概要
ニールス・オットー・モラー(1920-1982)は、デンマークの家具デザイナー・製作者である。1944年にオーフスでJ.L.モラーズ家具工房を設立し、設計から製造までを自社で行った。1950年のモデル75をはじめとする椅子は、無垢材の骨組みに紙紐を編んだ座面を組み合わせる構成をとる。
バイオグラフィー
1920年3月17日、デンマークのオーフス近郊に生まれた。家具職人の訓練を受け、オーフスの工芸学校で学んでいる。
1944年、24歳でJ.L.モラーズ家具工房を設立した。当初から設計と製造の双方を自社で行っている。
1950年代から60年代にかけて、椅子を中心に多数の製品を発表した。モデル75、モデル77、モデル78などがある。
1982年に没した。同社は現在も家族による経営が続いており、当時の製品を生産している。
デザインの思想と方法
モラーの椅子は、無垢材の骨組みに紙紐を編んだ座面を組み合わせる。紙紐は張力で身体を支え、詰め物を要さない。骨組みの断面は細く保たれ、接合部で曲線が連続する。
紙紐を編んで座面をつくる
紙を撚った紐を枠に編み込む。荷重でたわみ、身体に沿う。通気があり、詰め物より軽い。編むのは手作業で、一脚あたり数時間を要する。
接合部で曲線を連続させる
脚と座枠、背と後脚の接合部を削り、面が連続するようにする。仕口の形が外から見えるが、段差は生じない。木工の精度に依存する構成にあたる。
断面を細く保つ
骨組みの断面は必要最小限にとどめる。紙紐の座面が荷重を分散するため、枠には過大な負担がかからない。全体として軽く仕上がる。
設計と製造を分けない
自社の工房で製造するため、加工の可否を確かめながら形を決められる。試作と修正を短い周期で繰り返せる。
J.L.モラーズ家具工房の歴史や他の製品について詳しくはJ.L.モラーズ家具工房 ブランドページをご覧ください。
代表作にみる方法
モデル75(1950年)
無垢材の骨組みに紙紐を編んだ座面を組み合わせた椅子である。背もたれが緩やかに湾曲し、脚との接合部で面が連続する。同社の代表的な製品にあたる。→ニールス・O・モラー モデル75
モデル77
モデル75と同じ構成で、背もたれの形状を変えた椅子である。骨組みの部材は共通する。
モデル78
背もたれが高い型である。座る姿勢の想定が異なるため、背の角度も変わる。
肘掛け椅子・卓
同じ構成による肘掛け椅子と食卓である。椅子と卓の寸法を揃えることで、組で使える。
J.L.モラーズ家具工房(1944年〜)
設計と製造の双方を自社で行う体制をとった。紙紐を編む作業は現在も手作業で行われている。
評価と影響
モラーは一般に、20世紀中期のデンマークの家具設計を担った一人と評価されている。無垢材の骨組みと紙紐の座面という構成が特徴にあたる。
1944年に24歳で自社を設立し、設計から製造までを一体で行った。試作と修正を短い周期で繰り返せる体制が、この方法を支えている。
同社は現在も家族による経営が続き、当時の製品を生産している。紙紐を編む作業は手作業のままである。
収蔵
4館のAPI(MoMA、V&A、Met、AIC)で照合したが、該当する収蔵は確認できなかった。デンマーク国内の館については照合手段がない。
作品一覧
| 発表年 | 区分 | 作品名 | ブランド |
|---|---|---|---|
| 1944年 | 会社 | J.L.モラーズ家具工房 設立 | オーフス、デンマーク |
| 1950年 | 椅子 | ニールス・O・モラー モデル75 | J.L. Møllers Møbelfabrik |
| 1950-60年代 | 椅子 | モデル77、モデル78 | J.L. Møllers Møbelfabrik |
| 1950-70年代 | 椅子 | 肘掛け椅子の各種 | J.L. Møllers Møbelfabrik |
| 1950-70年代 | テーブル | 食卓の各種 | J.L. Møllers Møbelfabrik |
プロフィール
| 生没年 | 1920年3月17日〜1982年 |
|---|---|
| 出身地 | デンマーク・オーフス |
| 国籍 | デンマーク |
| 活動拠点 | オーフス |
| 分野 | 家具 |
| 主な協働ブランド | J.L. Møllers Møbelfabrik |
Reference
- J.L. Møllers Møbelfabrik
- https://www.jlm.dk/
- Designmuseum Danmark
- https://designmuseum.dk/en/