概要

マールテン・ヴァン・セーヴェレン(1956-2005)は、ベルギーの家具デザイナー、インテリアアーキテクトである。ヘントで建築を学んだのち、1986年に家具の設計を始め、翌1987年に独立した工房を構えた。アルミニウムや合板の一枚の板で座面と背をつくる椅子から出発し、のちにヴィトラのために.03を、カルテルのためにLCPを手がけた。

バイオグラフィー

1956年6月5日、ベルギーのアントワープに生まれた。父は抽象画家のダン・ヴァン・セーヴェレンである。ヘントの美術アカデミーで建築を学んだが、建築家としての課程は修了しなかった。

1986年に家具の設計を始め、1987年に独立した工房を開いた。工房では限られた数の準工業的な生産を行っている。1990年からはレム・コールハースと協働し、内装の仕事も手がけた。

1990年代半ばにヴィトラとの協働が始まり、.03がその最初の量産品になった。2005年2月21日、ヘントで没した。48歳だった。

デザインの思想と方法

ヴァン・セーヴェレンは椅子、テーブル、寝椅子、棚、キャビネットといった基本的な家具の型を繰り返し扱った。ヴィトラは彼の言葉として「家具とは、空間を暮らせるものにするものだ」を紹介している。

一枚の板で座面と背をつくる

チェア No.2は、座面と背を一枚のアルミニウム板でつくり、4本の脚で支える。ロウチェアも座面と背を一枚のブナ合板でつくり、前脚をブナ、後脚をアルミニウムとする。部材の数を絞った構成である。

素材を替えて同じ形式を試す

アルミニウム、合板のほか、ポリウレタン、PMMA(アクリル樹脂)を用いた。ヴィトラによれば、.03のポリウレタンは、彼が素材の色のままではなく着色して使った最初の例である。

工房から量産へ

.03は、工房での準工業的な生産から量産へ移る契機となった。ヴィトラによれば、.03は先行するCN° IIをさらに発展させたもので、簡素な造形は量産化の過程でも変わらなかった。

代表作にみる方法

チェア No.2(1992年)

一枚のアルミニウム板で座面と背をつくり、4本の脚で支える。V&Aの記録では、2001年にトップ・ムートン(Top Mouton)が製造している。

ロウチェア(1993年)

座面と背を一枚のブナ合板でつくる。前脚は座面と同じ面に連なるブナ、後脚はアルミニウムである。

.03(ヴィトラ)

ポリウレタンフォームの座面が鋼のフレームを包み、背には先細りの板ばねが埋め込まれている。ヴィトラとの協働から生まれた最初の製品である。→ .03チェア

LCP(カルテル)

PMMAでつくられた寝椅子で、製造はカルテルである。

収蔵

以下の収蔵が確認できる(MoMA=ニューヨーク近代美術館、V&A=ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館、AIC=シカゴ美術館。年は各館の記録による)。

  • MoMA CN° II チェア(1992年) 収蔵番号 84.2009.1-2
  • MoMA ロウチェア(1993年) 収蔵番号 1429.2001
  • MoMA .03 チェア(1999年) 収蔵番号 387.2009.1-2
  • MoMA LCP シェーズロング(2000年) 収蔵番号 259.2002.1-2
  • V&A チェア No.2(1992年) 収蔵番号 W.670-2001、W.671-2001
  • V&A ロウチェア(1993年) 収蔵番号 W.672-2001
  • V&A ロウチェア(1993-95年) 収蔵番号 W.669-2001
  • AIC チェア No.3(1999/2002年) 収蔵番号 2016.416

Met では該当する収蔵は確認できなかった。

作品一覧

発表年 区分 作品名 ブランド
1992年 椅子 チェア No.2 Top Mouton
1993年 椅子 ロウチェア Top Mouton
椅子 .03チェア Vitra
椅子 チェア No.3
寝椅子 LCP Kartell

プロフィール

生没年 1956年6月5日〜2005年2月21日
出身地 ベルギー・アントワープ
国籍 ベルギー
活動拠点 ヘント
分野 家具、インテリア
主な協働ブランド Vitra、Kartell、Top Mouton

Reference