概要

ジャン=ルイ・ドモック(1911-1983)は、フランスの技術者である。1950年、自身の工場で使う作業灯として、工具を使わずに分解・清掃できる照明を設計した。腕を関節でつなぎ、電線を管の内部に通す構成をとる。これがジェルデの創業製品となり、現在も同じ構成で生産されている。

バイオグラフィー

1911年、フランスのリヨンに生まれた。技術者として機械の設計と製造に携わっている。

1950年、リヨン近郊で自身の工場を営んでいた。作業台で使う照明が、油と切粉で汚れて短期間で使えなくなることが問題だった。

既製の照明では対応できないため、自ら設計した。工具を使わずに分解でき、部品ごとに洗浄できる構成にしている。

同年、この照明を製造するためジェルデを設立した。社名は自身の名前の頭文字による。以後、工場用の照明を中心に生産を続けた。1983年に没している。

デザインの思想と方法

ドモックが解こうとしたのは、工場の作業灯が汚れて使えなくなるという問題である。清掃できなければ照明は消耗品になる。工具なしで分解できれば、洗って再び使える。

工具なしで分解できるようにする

関節部はねじ込み式で、手で回せば外れる。腕、関節、笠がそれぞれ独立した部品となり、汚れた部分だけを洗える。修理も部品の交換で済む。

電線を管の内部に通す

電線を外に出すと、油や切粉が付着し、引っかかる危険もある。腕の管の内部を通すことで、外に露出する部分がなくなる。関節部でも配線は内部で接続される。

関節を足して腕を伸ばす

腕は関節でつなぐため、数を増やせば長くできる。作業台の大きさに応じて構成を変えられる。基本の部品を組み合わせるだけで、多様な寸法に対応する。

工場の条件から形が決まる

装飾を持たないのは、意匠上の選択ではなく用途の条件による。工場で使う道具として、汚れが溜まる凹凸も、掃除しにくい形も避けられている。

代表作にみる方法

ジェルデ 作業灯(1950年)

工具を使わずに分解・清掃できる作業灯である。関節部はねじ込み式で手で回せば外れ、電線は腕の管の内部を通る。工場の作業台で使うという条件から、すべての構成が決まっている。

シグナル(1950年代)

基本の構成を保ちながら、住宅向けに寸法と色を整えた系列である。腕の数と長さで複数の型が用意される。→ジェルデ シグナル SI333

ロフト(1950年代〜)

工場用の仕様をそのまま住宅で使える形にした系列である。塗装の色を選べるほかは、当初の構成を変えていない。→ロフト

ジェルデの製品群(1950年〜)

床置き、卓上、壁付け、クランプ留めと展開された。腕と関節の部品は共通で、取り付けの方法だけが変わる。

評価と影響

ドモックは、自身の工場の必要から照明を設計し、それが製品となった例として言及される。設計の専門教育を受けた設計者ではなく、技術者としての立場から解を出している。

工具なしで分解できるという条件は、工場での使用から来ている。装飾を持たない形も、意匠上の選択ではなく汚れが溜まらないという要求による。

1950年の設計から70年以上を経て、同じ構成で生産が続いている。工場用として作られたものが、後年に住宅でも使われるようになった。

収蔵

4館のAPI(MoMA、V&A、Met、AIC)で照合したが、該当する収蔵は確認できなかった。フランス国内の館については照合手段がない。

作品一覧

区分 作品名 ブランド
1950年 照明 ジェルデ 作業灯 Jieldé
1950年 会社 ジェルデ 設立 リヨン、フランス
1950年代 照明 ジェルデ シグナル SI333 Jieldé
1950年代〜 照明 ロフト Jieldé
1950年〜 照明 床置き・卓上・壁付け・クランプ留めの各型 Jieldé

プロフィール

生没年 1911年〜1983年
出身地 フランス・リヨン
国籍 フランス
活動拠点 リヨン
分野 照明
主な協働ブランド Jieldé

Reference

Jieldé(公式)
https://www.jielde.com/en/
Musée des Arts Décoratifs, Paris
https://madparis.fr/en