概要
ハインリッヒ・メラー(1905-1983)は、ドイツのデザイナーである。バウハウスで学んだのち、1930年代から時計メーカーのキーンツレの設計を担当した。文字盤から数字と装飾を減らし、読み取りに必要な要素だけを残す構成をとる。同社の製品の性格を長期にわたって決めた立場にあたる。
バイオグラフィー
1905年4月21日、ドイツに生まれた。バウハウスで学んでいる。
1930年代からキーンツレの設計を担当した。同社はシュヴァルツヴァルトの時計メーカーである。
文字盤の構成を、読み取りに必要な要素だけに絞る方向をとった。数字を減らし、目盛りと針の関係で時刻を示す。
同社との関係は長く続いた。1983年に没している。
デザインの思想と方法
1930年代までの時計の文字盤は、数字と装飾が置かれるのが通例だった。メラーが行ったのは、時刻を読むために何が必要かを検討し、それ以外を外すことである。
要素を減らす
数字をすべて置くか、一部だけにするか、目盛りだけにするかは、読み取りの条件で決まる。時と分の区別が付けば、数字がなくても時刻は読める。
目盛りの長さで区別する
時の目盛りを長く、分の目盛りを短くする。長さの差だけで両者が区別でき、色や太さを変える必要がない。
針の幅を目盛りに合わせる
針の幅が目盛りより広ければ、指す位置が曖昧になる。目盛りの幅に合わせることで、読み取りの精度が上がる。
バウハウスの課程を前提とする
同校では、装飾を排し、機能から形を導くという方針がとられていた。文字盤の構成にも、この手順が通じている。
キーンツレの歴史や他の製品について詳しくはキーンツレ ブランドページをご覧ください。
代表作にみる方法
キーンツレ 壁掛け時計(1930年代〜)
数字を減らし、目盛りと針の関係で時刻を示す壁掛け時計である。時の目盛りを長く、分の目盛りを短くすることで、長さの差だけで両者が区別できる。→キンツレ ウォールクロック
置き時計の系列
卓上に置く時計である。壁掛けとは視距離が異なるため、目盛りと針の寸法もそれに応じて変わる。
目覚まし時計
就寝時に暗い場所で使うため、蓄光の塗料を針と目盛りに用いる型もある。用途が構成を変える例にあたる。
キーンツレの製品(1930-1970年代)
同社の時計を長期にわたり設計した。文字盤の構成を絞るという方針が共通する。
評価と影響
メラーは、バウハウスで学んだのち、時計メーカーの設計を長期にわたり担当した設計者として言及される。文字盤から要素を減らすという方向が特徴にあたる。
読み取りに必要な要素だけを残すという方針は、以後の時計にも見られる。マックス・ビルがユンハンスのために設計した時計も同じ方向にあたる。
キーンツレとの関係は数十年に及び、同社の製品の性格を決めた立場になる。
収蔵
4館のAPI(MoMA、V&A、Met、AIC)で照合したが、該当する収蔵は確認できなかった。ドイツ国内の館については照合手段がない。
作品一覧
| 年 | 区分 | 作品名 | ブランド |
|---|---|---|---|
| 1930年代〜 | 時計 | キンツレ ウォールクロック | Kienzle |
| 1930-70年代 | 時計 | 置き時計の系列 | Kienzle |
| 1930-70年代 | 時計 | 目覚まし時計 | Kienzle |
| 1930-70年代 | 時計 | キーンツレの製品 | Kienzle |
プロフィール
| 生没年 | 1905年4月21日〜1983年 |
|---|---|
| 出身地 | ドイツ |
| 国籍 | ドイツ |
| 活動拠点 | シュヴェニンゲン、ドイツ |
| 分野 | 時計 |
| 主な協働ブランド | Kienzle |
Reference
- Kienzle
- https://www.kienzle-uhren.de/
- Deutsches Uhrenmuseum
- https://www.deutsches-uhrenmuseum.de/en/