概要

フランカ・ヘルグ(1920-1989)は、イタリアの建築家・デザイナーである。1952年から1977年までフランコ・アルビーニと共同で設計を行い、以後の作品は連名で発表された。ミラノ工科大学で建築を学び、同大学で教えてもいる。当時のイタリアで建築の分野に進んだ女性は少ない。

バイオグラフィー

1920年2月21日、ミラノに生まれた。ミラノ工科大学で建築を学び、1945年に修了している。

1951年、雑誌『Casabella』の編集に関わった。翌1952年からフランコ・アルビーニの事務所に加わっている。

1952年以降の作品は、アルビーニとの連名で発表された。ジェノヴァの美術館の展示設計、ミラノ地下鉄1号線、家具と照明の設計を共同で担当している。

ミラノ工科大学で教え、1977年にアルビーニが没した後も設計を続けた。1989年に没している。

デザインの思想と方法

ヘルグとアルビーニの共同設計は25年に及ぶ。この期間の仕事は、建築、展示、家具、公共の施設と対象が広い。それぞれ条件が異なるため、同じ方法をそのまま適用できない。

展示の順序を構成する

美術館の展示設計では、何をどの順で見せるかが主題になる。展示台の高さ、照明の位置、動線の幅が、この構成から決まる。建物の側には手を加えず、内部だけを組み直す。

公共の施設で体系をつくる

ミラノ地下鉄1号線の設計は、複数の駅にまたがる。個々の駅を別々に設計すれば、利用者は場所ごとに読み取り方を変えることになる。共通の要素を先に決めるのは、この負担を減らすためである。

この仕事にはボブ・ノーダも加わり、標識の書体と配色を担当した。

教育に関わる

ミラノ工科大学で建築の設計を教えた。当時のイタリアで建築の分野に進んだ女性は少なく、教育の側での位置づけも挙げられる。

連名で発表する

1952年から1977年までの作品はアルビーニとの連名で発表され、個々の担当は公表されていない。

代表作にみる方法

ジェノヴァの美術館の展示設計(1950年代)

複数の美術館の改修と展示設計である。既存の建物の構造を残したまま、展示台と照明を新設して構成を組み直す。改修の範囲を限定する判断にあたる。

インフィニート(1956年)

支柱を床から天井まで通し、棚板の位置を後から変えられる書架である。棚板を足す、間隔を詰めるといった変更が、設置後にも行える。住まい手が構成を決められるという条件をとる。→インフィニート

ミラノ地下鉄1号線(1962-63年)

複数の駅にまたがる設計であり、個々の駅ではなく路線全体が対象になる。標識の書体と配色はボブ・ノーダが担当した。3名以上が関わる規模の仕事にあたる。1964年にコンパッソ・ドーロ賞を受けた。

照明の設計

アルビーニとの共同で照明を設計した。現在はネモ・ライティングが再生産を行っている。

ミラノ工科大学での教育

建築の設計を教えた。設計の実務と並行して教育に関わっている。

評価と影響

ヘルグは、長らくフランコ・アルビーニとの共同名義でのみ扱われてきたが、近年は共同設計者として個別に言及されることが増えている。

1952年から1977年までの共同設計は25年に及んだ。建築、展示、家具、公共の施設と対象が広く、作品はすべて連名で発表されている。

ミラノ工科大学で教えた。当時のイタリアで建築の分野に進んだ女性は少なく、教育の側での位置づけも挙げられる。

受賞・収蔵

受賞

  • 1964年 コンパッソ・ドーロ賞(ミラノ地下鉄1号線、フランコ・アルビーニと共同)

収蔵

4館のAPI(MoMA、V&A、Met、AIC)で照合したが、ヘルグ個人の名義での収蔵は確認できなかった。ニューヨーク近代美術館はルイーザ アームチェアを収蔵しているが(収蔵番号195.1998)、これは1951年の設計であり、ヘルグが事務所に加わる前にあたる。

作品一覧

1952年から1977年までの作品はフランコ・アルビーニとの共同設計による。

区分 作品名 ブランド / 場所
1950年代 展示 ジェノヴァの美術館の改修・展示設計 ジェノヴァ、イタリア
1956年 書架 インフィニート Cassina(再製作)
1962-63年 公共 ミラノ地下鉄1号線 ミラノ、イタリア
1960年代 照明 照明の各種 Nemo Lighting(再製作)
1950-80年代 建築 住宅・公共建築 イタリア各地
1950-80年代 教育 ミラノ工科大学 ミラノ、イタリア

プロフィール

生没年 1920年2月21日〜1989年
出身地 イタリア・ミラノ
国籍 イタリア
活動拠点 ミラノ
分野 建築、展示、家具、照明、教育
主な協働ブランド Cassina、Nemo Lighting

Reference

Fondazione Franco Albini
https://www.fondazionefrancoalbini.com/
Politecnico di Milano
https://www.polimi.it/en/
The Museum of Modern Art Collection
https://www.moma.org/collection/works/2325