概要

ディートリッヒ・ルブス(1938年生まれ)は、ドイツのインダストリアルデザイナーである。1962年からブラウンに在籍し、1971年から設計部門で時計と計算機を担当した。数字と記号の配置を扱う仕事が中心で、押しボタンの並びや文字盤の目盛りが主要な対象になる。1995年から1999年まで同部門を率いた。

バイオグラフィー

1938年8月2日、ドイツのシュヴェリーンに生まれた。造船の技術者としての訓練を受けている。

1962年、ブラウンに製図技師として入った。1971年から設計部門に移り、時計と計算機を担当している。

1970年代から80年代にかけて、卓上時計、目覚まし時計、腕時計、計算機を多数設計した。

1995年から1999年まで、ディーター・ラムスの後任として設計部門を率いた。

デザインの思想と方法

ルブスが担当した時計と計算機は、いずれも数字と記号を配置する製品である。外形は単純な直方体か円で、設計の中心は表面の情報の並べ方にある。

押しボタンの並びを機能で分ける

計算機では、数字、演算、機能のボタンを群に分ける。色と大きさで群を区別すれば、目で探す時間が減る。ボタンの配置そのものが操作の速さを決める。

文字盤の要素を減らす

時計では、数字を置くか目盛りだけにするかを、読み取りの条件から決める。目覚まし時計は枕元で近くから見るため、卓上時計とは要素の量が変わる。

凸面で押しやすさを得る

ボタンの表面をわずかに凸にすると、指が滑らずに中心を押せる。平らでは端を押しやすく、凹では指が引っかかる。凸の曲率が押し心地を決める。

時計と計算機で条件を分ける

時計は見る製品、計算機は押す製品にあたる。同じ設計部門で扱いながら、要求される条件は異なる。

代表作にみる方法

ET 55 計算機(1980年)

数字、演算、機能のボタンを群に分け、色と大きさで区別した計算機である。ボタンの表面をわずかに凸にすることで、指が滑らずに中心を押せる。ディーター・ラムスとの共同設計にあたる。ニューヨーク近代美術館が収蔵している(収蔵番号375.1982)。

AB1 目覚まし時計(1980年代)

枕元で使う目覚まし時計である。近くから見るため、文字盤の要素は卓上時計より少なくてよい。→AB1 アラームクロック

計算機(1986年)

ニューヨーク近代美術館が収蔵している(収蔵番号456.1987)。ボタンの配置の体系が共通する。

腕時計の系列(1970-90年代)

文字盤の径が小さいため、目盛りと針の比率が卓上時計とは変わる。読み取りの距離が近い分、要素を細かくできる。

設計部門の統括(1995-1999年)

ディーター・ラムスの後任として同部門を率いた。33年にわたり同社に在籍している。

評価と影響

ルブスは、ブラウンの設計部門で時計と計算機を担当した設計者として言及される。数字と記号の配置を扱う仕事が中心にあたる。

1962年から33年にわたり同社に在籍し、1995年から1999年まで設計部門を率いた。ディーター・ラムスの後任にあたる。

造船の技術者としての訓練を受けたのち、製図技師として入社した経歴を持つ。デザインの専門教育は受けていない。

収蔵

以下の収蔵が確認できる(MoMA=ニューヨーク近代美術館)。

  • MoMA 計算機(モデルET 55、1980年) 収蔵番号 375.1982
  • MoMA 計算機(1986年) 収蔵番号 456.1987

V&A、Met、AIC では該当する収蔵は確認できなかった。ドイツ国内の館については照合手段がない。

作品一覧

区分 作品名 ブランド
1971年〜 時計 卓上時計・目覚まし時計の系列 Braun
1980年 計算機 ET 55(ラムスと共同) Braun
1980年代 時計 AB1 アラームクロック Braun
1986年 計算機 計算機 Braun
1970-90年代 時計 腕時計の系列 Braun
1995-1999年 統括 設計部門の統括 Braun

プロフィール

生年 1938年8月2日
出身地 ドイツ・シュヴェリーン
国籍 ドイツ
活動拠点 クロンベルク、ドイツ
分野 時計、計算機
主な協働ブランド Braun

Reference