概要
アルネ・ノレル(1917-1971)は、スウェーデンの家具デザイナーである。1954年にメーカーを設立し、設計と製造の両方を自社で行った。木の骨組みに厚い革を張る構成をとり、サファリチェアやイージーチェアがその例にあたる。革は張り込むのではなく、帯や面として骨組みに掛けられる。
バイオグラフィー
1917年9月9日、スウェーデンに生まれた。家具の販売と製造の実務を経て設計に入っている。
1954年、スウェーデンのメーカー「アルネ・ノレル」を設立した。設計から製造までを自社で行う体制をとっている。
1950年代後半から60年代にかけて、木と革による家具を多数発表した。国外への輸出も行っている。
1971年に53歳で没した。同社は1980年代まで生産を続け、後年に一部の設計が再生産されている。
デザインの思想と方法
ノレルの家具は、木の骨組みと厚い革の組み合わせで構成される。革を詰め物の上から張り込むのではなく、帯や面として骨組みに掛ける。この方法では、革そのものが荷重を受け、経年で形が身体に馴染む。
革を張らずに掛ける
厚い革を骨組みに掛けると、張力でたわんで座面になる。詰め物を要さず、部材の数も減る。革は使い込むほど柔らかくなり、座る人の形に沿っていく。
組み立てを前提とする
サファリチェアの形式は、19世紀の英国の遠征用の椅子に由来する。分解して運び、現地で組み立てるという条件から生まれた構成で、部材は少なく接合も単純である。ノレルはこの形式を、現在の生産方法で作り直した。
設計と製造を分けない
自社で製造するため、試作と修正を短い周期で繰り返せる。木の加工と革の裁断を同じ工場で行うことで、両者の寸法を合わせやすい。
木の質感を残す
骨組みには無垢のオークやローズウッドを用い、塗りつぶさずに仕上げる。革と木のいずれも、経年で色と質感が変わる。
代表作にみる方法
サファリチェア(1960年代)
木の骨組みに厚い革を掛けた椅子である。19世紀の遠征用の椅子の形式を引き継ぎ、分解して運べる。革は張力でたわんで座面になり、詰め物を持たない。使い込むほど革が柔らかくなる。
イージーチェアの一群(1950-60年代)
木の骨組みに革の座面と背を組み合わせた安楽椅子である。肘掛けの形状と背の角度を変えて複数の型が展開された。いずれも革を掛ける構成をとる。
スツールとオットマン
椅子と組で用いる腰掛けである。骨組みと革の構成は椅子と共通で、寸法だけが異なる。
ソファ
椅子の構成を横に展開した長椅子である。骨組みが長くなるため、中間に支持を加える。革の面積が大きくなるとたわみも増えるので、掛け方の調整が要る。
評価と影響
ノレルは一般に、20世紀中期のスウェーデンの家具設計において、木と革の組み合わせを扱った設計者と評価されている。革を張り込まずに掛けるという構成が特徴にあたる。
1954年に設立したメーカーで設計と製造の両方を行った。試作と修正を短い周期で繰り返せる体制が、この方法を支えている。
1971年に53歳で没し、活動期間は20年ほどにとどまる。同社は1980年代まで生産を続け、後年に一部の設計が再生産されている。
収蔵
4館のAPI(MoMA、V&A、Met、AIC)で照合したが、該当する収蔵は確認できなかった。スウェーデン国内の館については照合手段がない。
作品一覧
| 年 | 区分 | 作品名 | ブランド |
|---|---|---|---|
| 1950-60年代 | 椅子 | イージーチェアの各種 | Arne Norell AB |
| 1960年代 | 椅子 | サファリチェア | Arne Norell AB |
| 1950-60年代 | スツール | スツール・オットマン | Arne Norell AB |
| 1950-60年代 | ソファ | ソファの各種 | Arne Norell AB |
プロフィール
| 生没年 | 1917年9月9日〜1971年 |
|---|---|
| 出身地 | スウェーデン |
| 国籍 | スウェーデン |
| 活動拠点 | スウェーデン |
| 分野 | 家具 |
| 主な協働ブランド | Arne Norell AB |
Reference
- Nationalmuseum, Stockholm
- https://www.nationalmuseum.se/en
- Svenskt Tenn
- https://www.svenskttenn.com/