Tolix(トリックス)

Tolixは、フランス・ブルゴーニュ地方オータンに拠点を置く金属家具メーカーである。1927年、板金職人のXavier Pauchardが亜鉛めっき鋼板を用いた製品の製造業として設立した。1934年に発表された積み重ね式の椅子は、屋外での使用と収納の効率を両立させる構成を持ち、現在も同社の中核をなす。生産は創業以来オータンで行われている。

事業と製造の実体

Tolixの製造の基盤にあるのは、鋼板の加工と亜鉛めっきである。創業者は溶融亜鉛めっきの技術をフランスへ持ち込んだ人物の一人で、鋼を溶かした亜鉛に浸して表面を覆う工程を扱った。この処理により、屋外に置いても腐食が進みにくくなる。

トリックスAチェアは、鋼板を打ち抜き、曲げ、溶接して組む構成を採る。座面には水を逃がす孔が設けられ、背には持ち上げるための握りが開けられている。いずれも屋外での使用を前提とした形状にあたる。

積み重ねの構成も製造の条件を規定する。脚の断面をわずかに絞り、座面の縁に段差を設けることで、重ねた際に部材どうしが噛み合う。多数を重ねても安定するには、各部の寸法の精度が要る。

現在は亜鉛めっきに加えて粉体塗装による仕上げも扱い、色の選択肢を広げている。製品は椅子のほか、卓、腰掛け、収納に及ぶ。

沿革

Xavier Pauchard(1880年〜1948年)はブルゴーニュ地方の板金職人の家に生まれた。溶融亜鉛めっきの技術を学び、亜鉛めっきした鋼板による製品の製造を始めている。1927年、Tolixの商標が登録された。

1934年、積み重ね式の椅子が発表された。屋外の飲食施設や公共空間で用いられ、船舶や工場にも供給されている。座面の孔と背の握りは、この用途から要求された構成にあたる。

創業者の死後も事業は家族によって引き継がれた。2004年、Chantal Andriotが経営を引き継ぎ、現在も同社を率いている。

生産は創業以来オータンの拠点で行われている。同社は2006年にフランスの生きた遺産企業の認定を受けた。

デザイナーとの協働

Tolixの製品は、創業者が設計と製造の双方を担う形で始まった。鋼板の加工条件が形を規定するため、造形と工程が同じ判断のもとに置かれる構成にあたる。

近年は外部の設計者との協働も行われ、既存の製品群と並行して新作が加えられている。

主な製品群

トリックスAチェアは1934年設計の積み重ね式の椅子である。鋼板を打ち抜き、曲げ、溶接して組む構成で、座面の孔と背の握りを備える。亜鉛めっきまたは粉体塗装で仕上げられる。

このほか、腰掛け、卓、収納を扱う。いずれも同じ加工技術と表面処理を用いる。

基本情報

ブランド名 Tolix(トリックス)
設立 1927年
創業者 Xavier Pauchard(1880年〜1948年)
本社・生産拠点 フランス・ブルゴーニュ地方オータン
経営 2004年よりChantal Andriot
事業内容 金属家具の設計、製造および販売
公式サイト https://www.tolix.com

Reference

Tolix - 公式サイト
https://www.tolix.com
Wikidata - Tolix
https://www.wikidata.org/wiki/Q131675154