Skultuna(スクルツナ)
Skultuna(スクルツナ)は、1607年にスウェーデン国王カール9世の勅命により設立された、世界で最も歴史ある真鍮メーカーのひとつです。400年以上にわたり、ヴェステロース郊外の同じ場所で真鍮製品を製造し続けており、現在もスウェーデン王室御用達の称号を保持しています。創業当時から受け継がれる卓越した職人技と、現代を代表する国際的デザイナーとのコラボレーションにより、時代を超えて愛される「明日のアンティーク」を生み出し続けています。
ブランドの特徴・コンセプト
Skultunaは「時代を超越したデザインと最高品質」をブランドの本質として掲げています。真鍮という古来より人類が愛用してきた素材の美しさを追求し、何世代にもわたって受け継がれる製品づくりを行っています。
現在、Skultunaは二つの主要な製品ラインを展開しています。ホームアクセサリーラインでは、キャンドルホルダー、花瓶、ボウル、トレイなど、インテリアを彩る真鍮製品を提供。ファッションアクセサリーラインでは、ブレスレット、カフリンクス、ネックレス、リングなど、洗練されたジュエリーを展開しています。いずれも品質、機能性、そしてデザインの調和を追求し、使い込むほどに美しさを増す製品として高い評価を得ています。
ブランドヒストリー
1607年、スウェーデン国王カール9世は長年の構想であったスウェーデン真鍮産業の創設を実現しました。当時、グスタフ・ヴァーサ王およびエリク14世の時代にスウェーデンはハンザ同盟に対して多額の負債を抱えており、銅を真鍮に精錬することで真鍮の輸入を削減し、輸出収入を増加させる必要がありました。王は真鍮鋳造所に適した場所を探すため家臣を派遣し、選ばれたのがスヴァルトオン川の十分な水力を得られるSkultuna(スクルツナ)の地でした。ここには木炭も豊富にあり、ヴェステロースに港があり、ファールンの銅山も近くにありました。1607年2月11日付の書簡により王の決定が確認され、Skultuna Messingsbruk(スクルツナ真鍮工場)が正式に設立されました。
創業当初、ドイツやオランダの真鍮鋳造所から熟練の職人たちが招かれ、シャンデリアなどの大型真鍮製品を作る技術がもたらされました。現存する最古のシャンデリアは、エンシェーピングの聖母教会にある1619年製のものです。工場の歴史は決して平坦ではなく、1818年の春の洪水では工場の大部分が流されたほか、少なくとも3回の火災で全焼を経験しています。しかし、そうした困難を乗り越え、創業から400年以上を経た今日も、Skultunaは同じ場所で製造を続けています。
19世紀末から20世紀初頭にかけては、デザイナーのカール・ヒャルマル・ノルストレームがSkultunaで活躍し(1895年〜1912年)、1900年のパリ万博では彼が手がけた洗礼盤が金メダルを獲得しました。この作品は現在もSkultunaの博物館で見ることができます。
1950年代には、銀細工師ピエール・フォルセルがSkultunaにモダニズムをもたらしました。彼は1955年から1986年まで専属デザイナーとして活躍し、スカンジナビアンデザインの純粋さを体現した数々の名作を生み出しました。1980年代には、王族でありデザイナーでもあるシグヴァルド・ベルナドッテがダイニングテーブル用の製品シリーズをデザインしています。
2007年には創業400周年を迎え、ヴィクトリア皇太子が工場を訪問し、創設者カール9世を記念するブロンズ銘板の除幕式を行いました。現在、Skultunaの工場は年間15万人以上が訪れるスウェーデン有数の観光名所となっており、博物館、カフェ、ショップが併設されています。
代表的なプロダクト
オフィス・キャンドルスティック
多くの人々にとって、オフィス・キャンドルスティックはSkultunaを象徴する製品となっています。17世紀初頭の工場創設以来、途切れることなく生産され続けているこのキャンドルホルダーは、側面に付いた鍵(キー)により、当時は高価だったろうそくを最後まで使い切ることを可能にした機能的なデザインが特徴です。
チューリップ・キャンドルホルダー(ピエール・フォルセル・デザイン)
銀細工師でありデザイナーであったピエール・フォルセルが手がけたチューリップ・キャンドルスティックは、清潔なラインとスカンジナビアンデザインの純粋さを体現した名作です。3本セットで展開され、フォルセルがSkultunaの専属デザイナーとして活躍した時代(1955年〜1986年)の代表作のひとつとして、今日も高い人気を誇っています。
フェスティヴィタス・キャンドルホルダー(ピエール・フォルセル・デザイン)
1958年にピエール・フォルセルがデザインしたフェスティヴィタスは、そのアイコニックなデザイン言語で知られる傑作です。多くのパーツが底面の1本の中央ネジによって組み合わされるという複雑な構造を持ち、フォルセルの技術的創造性を示す作品として評価されています。
ロゼット・キャンドルスティック(ピエール・フォルセル・デザイン)
1969年にピエール・フォルセルがデザインしたロゼット・キャンドルスティックは、無垢の真鍮で作られた花のような優美なフォルムが特徴です。彼のデザイン言語を象徴するアイコニックな作品として、Skultunaの古典として再生産されています。
ルナー・コレクション(ララ・ボヒンク・デザイン)
国際的に著名なジュエリーデザイナー、ララ・ボヒンクが手がけたロンドン・コレクションのひとつです。日本の高速道路からインスピレーションを得たルナー・パターン、太陽の周りを公転する惑星の動きから着想を得たセレスティアル、鳥の翼の軽やかな羽ばたきをイメージしたフェザーなど、旅から生まれたデザインが特徴です。2014年にデザインされたこのコレクションは、キャンドルホルダーやブックエンドなど、エッチング技法による繊細なディテールが美しい製品群を展開しています。
コラボレーション・コレクション
ムーミン × Skultuna
Skultunaは公式ムーミンパートナーとして、ムーミンキャラクターズ社と緊密に協力してムーミンコレクションを展開しています。トーベ・ヤンソンが生み出した愛すべきキャラクターたちを、18金ゴールドプレートを施したスチール製フィギュリンとして表現。ムーミントロール、スノークのおじょうさん、リトルミイ、ムーミンパパ、ムーミンママ、スニフ、スナフキン、スティンキーなど、ムーミン谷の人気キャラクターが揃います。2021年の発売当初、最初のフィギュリンは発売開始から1時間以内に完売するほどの人気を博しました。
リサ・ラーソン × Skultuna
20世紀スウェーデンを代表する陶芸家リサ・ラーソン(1931年〜2024年)との特別なコラボレーションコレクションです。グスタフスベリ陶器工場で1954年から1980年まで活躍し、温かみのあるユーモラスで時にアイロニックなデザインで知られるラーソンの作品が、無垢の磨き真鍮で再現されています。ラーソン自身が「長年主に粘土で作品を作ってきましたが、Skultunaが私のフィギュアを真鍮で作るのを楽しみにしています。真鍮もまた、私がずっと魅了されてきた古来からの本物の素材です」と語っています。ライオン、猫、犬など、彼女の代表的なモチーフがコレクションに含まれています。
星の王子さま × Skultuna
サン=テグジュペリの名作『星の王子さま』をモチーフにしたフィギュリンコレクションです。星の王子さまの繊細な世界観を、Skultunaの卓越した真鍮工芸で表現しています。
スマーフ × Skultuna
ピエール・キュリフォール原作の人気キャラクター、スマーフをモチーフにしたコレクションです。愛らしい青い妖精たちが真鍮のフィギュリンとして蘇っています。
主なデザイナー
- カール・ヒャルマル・ノルストレーム(Carl Hjalmar Norrström)
- 1895年〜1912年にSkultunaで活躍。当時最も著名なデザイナーの一人として多くの賞を受賞。1900年パリ万博で洗礼盤が金メダルを獲得。ストックホルム美術アカデミーで学んだ後、パリに留学し、カール・ラーションと同時代のアーティストコロニーで活動。グンナー・ヴェンネルベリ、アルフ・ヴァランダーと並ぶスウェーデン初期デザインの先駆者として知られる。
- ピエール・フォルセル(Pierre Forssell)
- 1925年〜2004年。スウェーデンの銀細工師・プロダクトデザイナー。1955年〜1986年にSkultunaの専属デザイナーとして活躍し、1950年代から70年代にかけて数々の名作を生み出した。チューリップ・キャンドルスティック、フェスティヴィタス、ロゼットなど、スカンジナビアンデザインの厳格さと現代性を体現した作品群で知られる。Genseなどでも活躍した。
- シグヴァルド・ベルナドッテ(Sigvard Bernadotte)
- スウェーデン王室の一員でありながら工業デザイナーとしても活躍。1980年代にSkultunaのためにダイニングテーブル用の製品シリーズをデザイン。時代を超えたモダニズムで知られる。
- ララ・ボヒンク(Lara Bohinc)
- ロンドンを拠点に活動する国際的ジュエリーデザイナー。エレガントで時代を超越したジュエリーデザインで知られる。Skultunaのためにロンドン・コレクション(ルナー、セレスティアル、フェザー)やトゥギャザー・コレクションをデザイン。「伝統、品質、そして時代を超越したデザインを象徴するSkultunaとの仕事は、私のデザインとビジョンと見事に調和しています」と語っている。
- GamFratesi(ガムフラテージ)
- デンマークの建築家スティーネ・ガムとイタリアの建築家エンリコ・フラテージによるデュオ。2006年にコペンハーゲンで設立。Louis Poulsen、Gubi、Hay、Fritz Hansenなどでも活躍。Skultunaのためにカルイ(Karui)トレイなどをデザイン。日本語で「軽い」を意味するこのコレクションは、ターンショー製革所の高品質レザーとスパン真鍮を組み合わせている。
- モニカ・フェルスター(Monica Förster)
- スウェーデンを代表するプロダクトデザイナー。国際的なデザインアワードを多数受賞。Skultunaのホームアクセサリーラインに貢献。
- ルカ・ニケット(Luca Nichetto)
- イタリア出身のプロダクトデザイナー。ストックホルムを拠点に活動。洗練されたデザイン言語でSkultunaの製品に貢献。
- クラーソン・コイヴィスト・ルーネ(Claesson Koivisto Rune)
- スウェーデンを代表する建築・デザイン事務所。1995年設立。家具、インテリア、建築の分野で国際的に活躍。Skultunaのためにホームアクセサリーをデザイン。
- リチャード・ハッテン(Richard Hutten)
- オランダを代表するプロダクトデザイナー。ドローグ・デザインの創設メンバーの一人。Skultunaの製品ラインに独創的なデザインを提供。
- トーマス・サンデル(Thomas Sandell)
- スウェーデンの著名な建築家・デザイナー。2011年にオープンしたSkultunaストックホルム店の店舗デザインを手がけた。歴史と現代を結ぶ店舗空間を創出。
素材と製造技術
400年以上にわたり、真鍮はSkultunaの核心をなす素材です。真鍮は銅と亜鉛の合金であり、Skultunaの製品製造には砂型鋳造、ダイカスト、旋盤加工、金属スピニングなどの技法が用いられています。その後、ブラスト、サンディング、グラインディング、ブラッシングなどの表面処理を施し、黄金色の鏡のような仕上げを実現します。ファッションアクセサリーには、変色を防ぐために金または銀のメッキが施されることもあります。
Skultunaの工場では、創業以来途切れることのない伝統として、タンブリング、研磨、グラインディング、組み立て、刻印、梱包などの仕上げ作業が今も手作業で行われています。25年以上にわたりマスターポリッシャーとして活躍する職人たちが、原料の茶色い真鍮を黄金色の鏡面仕上げに変える伝統の技を受け継いでいます。毎年約500基のシャンデリアがここで研磨・組み立てられ、世界中に出荷されています。
世界的な評価と展開
今日、Skultunaの製品は世界中の有名百貨店で取り扱われており、数々の国際的なデザインアワードを受賞しています。ミラノのサローネ・デル・モービレ、パリのメゾン・エ・オブジェ、ストックホルム・ファニチャー・フェアなど、世界的なデザイン見本市にも定期的に出展しています。
Skultunaは現在、コペンハーゲン、ストックホルム、ヨーテボリ、そして工場のあるSkultunaに5つのブランドストアを展開しています。工場に併設されたフラッグシップストアは、博物館、アウトレット、ビストロとともに、年間15万人以上の観光客を迎えるスウェーデン有数の観光名所となっています。
基本情報
| 正式名称 | Skultuna Messingsbruk(スクルツナ・メッシングスブルーク) |
|---|---|
| 設立 | 1607年2月11日 |
| 創設者 | スウェーデン国王カール9世(Karl IX) |
| 所在地 | Bruksgatan 8, Skultuna 730 50, Sweden(スウェーデン・ヴェステロース郊外) |
| 主要製品 | 真鍮製ホームアクセサリー(キャンドルホルダー、花瓶、ボウル、トレイ、シャンデリア)、ファッションアクセサリー(ブレスレット、カフリンクス、ネックレス、リング)、コレクターズフィギュリン |
| 王室御用達 | スウェーデン王室御用達(1607年創設以来) |
| 公式サイト | https://skultuna.com |