nanimarquina(ナニ・マルキナ)

nanimarquinaは、スペイン・バルセロナに拠点を置く敷物と繊維製品のブランドである。1987年、Nani Marquina(1952年生)が設立した。父のRafael Marquinaはスペインの工業デザインの先駆けにあたる人物で、その影響のもとNani Marquinaはバルセロナのマサナ美術学校で工業デザインを修めている。当時の市場に近代的な室内に合う敷物が乏しかったことが設立の契機となった。製作はインド、パキスタン、ネパールの職人が担い、手結びや平織りの技法が用いられる。

事業と製造の実体

nanimarquinaは自社工場を持たず、製作を敷物の産地の職人に委ねる構成を採る。設計と素材の選定を自社が担い、現地の工房が製作にあたる分担である。1993年以降はインドでの製作に重点が置かれ、労働の条件の改善にも関与してきた。

技法は製品ごとに異なる。手結びは糸を一本ずつ結んで面を作る方法で、細かい図案と厚みのある表面を作れる一方、製作に長い時間を要する。平織りとダリー織りは結び目を作らず糸を交差させる方法で、薄く仕上がる。手房付けは下地に糸を打ち込む方法にあたる。どの技法を選ぶかによって図案の可能な範囲が決まるため、設計の段階で技法の選定が行われる。

素材は羊毛、ジュート、絹などの天然繊維が中心となる。2005年には使用済みの自転車の内管を用いる系列が発表され、素材の再利用を製品化した例にあたる。

同社は児童労働の防止に取り組む団体Care & Fairに加盟し、インドのバドーヒーにおける学校の運営を支援している。この支援は、製品の売上の一部を充てる枠組みによる。

沿革

設立

Nani Marquinaは1952年にバルセロナで生まれた。父のRafael Marquinaは1961年に油差しの設計でFAD賞を受けた工業デザイナーである。Nani Marquinaはマサナ美術学校で工業デザインを学び、1982年から自身の繊維製品の設計を始めた。

1987年、Nani Marquinaはバルセロナで自身の名を冠したブランドを設立した。当時のスペインは民主化にともなう社会と経済の変化の途上にあり、設計の分野でも新しい活動が生まれていた時期にあたる。初期の製品は自身が設計した幾何学的な図案の敷物である。

製作地の移行と事業の拡大

製品が受け入れられたのち、同社は敷物の製作の伝統を持つ地域へ生産を移した。1993年にはインドでの製作に重点を移し、現地の職人との協働が本格化している。以後、外部の設計者にも設計を委嘱するようになった。

2002年、Nani Marquinaの娘Maria Piera Marquinaが加わり、国外への展開を担当した。同じ年、妹のCarlota Marquinaが図案と美術の統括として加わっている。現在Maria Pieraが経営の責任者を務める。

2005年には使用済みの自転車の内管を用いる系列を発表した。同社は気候中立の認証を取得している。

デザイナーとの協働

nanimarquinaの製品開発は、創業者自身の設計と、外部の設計者への委嘱の双方によって進む。製作を担う職人の技法が図案の可能な範囲を規定するため、設計は技法の条件を前提として検討される。

協働相手にはJaime Hayon、Ronan & Erwan Bouroullec、Ariadna Miquelらがいる。Care & Fairの学校の生徒が図案を手がけた製品も扱われている。

主な製品群

敷物が製品の基幹をなす。ナニ・マルキナ ラグには、手結び、平織り、手房付けといった異なる技法による製品が含まれ、羊毛やジュートを用いる。

繊維製品ではウェルビーイング クッションがある。敷物と同じ素材と技法を用い、床に置いて使う構成にあたる。

基本情報

ブランド名 nanimarquina(ナニ・マルキナ)
設立 1987年
創業者 Nani Marquina(1952年生)
本社所在地 スペイン・バルセロナ
製作地 インド、パキスタン、ネパール(現地の職人による)
企業形態 非上場(Marquina家による同族経営)
事業内容 敷物・繊維製品の設計および販売
公式サイト https://nanimarquina.com

Reference