Kay Bojesen Denmark(カイ・ボイスン・デンマーク)

Kay Bojesen Denmarkは、デンマークの銀細工師・設計者Kay Bojesen(1886年〜1958年)が手がけた木製の人形と動物、および食卓用品を生産するブランドである。1932年にBojesenがコペンハーゲンに構えた店を起点とし、1990年に権利をRosendahlが取得して以降、同社のもとで製品が作られている。可動する四肢を持つ木製の動物が製品の中核をなし、なかでも1951年に発表された猿が広く知られる。

事業と製造の実体

Kay Bojesen DenmarkはRosendahl Design Groupに属するブランドで、企画と生産の管理を同社が担う。権利継承者であるBojesen家との合意にもとづき、対象となる設計を選定して製品化する構成が採られている。

木製の人形と動物は、複数の部材を旋盤や機械で削り出し、組み立てて仕上げる工程で作られる。四肢は胴と別部材とし、可動する接合で取り付けられるため、部材ごとの寸法の精度が姿勢の安定を左右する。表面は塗装で覆わず、木地の色と木目をそのまま見せる仕上げが基本となる。

樹種は品目ごとに定められている。カイ・ボイスン モンキーチークとリンバの組み合わせ、カイ・ボイスン エレファントはオーク、カイ・ボイスン ベアはオークとメープルによる。異なる樹種を組み合わせることで、塗り分けをせずに部位の違いを示す構成にあたる。現在、木製の人形の多くはFSC認証材で作られている。

Bojesenが設計しながら生産に至らなかったものも対象に含まれる。1950年代に描かれた小鳥の一群は、家族が保管していた写真をもとに2012年に製品化された。

沿革

Kay Bojesenの工房

Kay Bojesenは1886年に生まれ、Georg Jensenの工房で銀細工の修業を積んだ。ドイツとフランスでの経験を経て、1913年にコペンハーゲンで独立している。1922年ごろから木製の玩具の設計を始めた。1931年には、デンマークの製品を展示・販売する共同の場Den Permanenteの設立に関わっている。

1932年、Bojesenはコペンハーゲンに店を構えた。この年がKay Bojesenのブランドとしての起点にあたる。1938年に設計したステンレス鋼のカトラリーは、1951年のミラノ・トリエンナーレでグランプリを受け、以後その名で呼ばれるようになった。

同じ1951年、子ども向けの家具の展示に出す衣類掛けの依頼から、可動する四肢を持つ猿が生まれた。長い腕が掛け具を子どもの背丈まで下げ、短い脚が帽子や襟巻きを置く場所になるという構成である。1958年にBojesenが死去したのち、妻のErnaが1986年まで仕事を引き継いだ。

権利の移動と再生産

Bojesenの店は1990年に閉じ、いくつかの製品の生産が止まった。同じ年、デンマークのRosendahlが木製の玩具の権利を取得している。1990年代にはRosendahlの名で猿や近衛兵の人形が供給された。2011年にKay Bojesen Denmarkの名称が独立したブランドとして立てられ、以後この名で製品が展開されている。

対象は木製の人形と動物にとどまらず、1938年設計のカトラリーの再生産、寝具や玩具などにも広がった。

デザイナーとの協働

Kay Bojesen Denmarkは新規の設計を委嘱するブランドではなく、Kay Bojesen一人の設計を対象とする点で、通常の家具・生活用品のブランドと構成が異なる。権利継承者との協議のうえで対象となる設計を選び、資料にもとづいて製品化する作業が事業の中心にあたる。

Bojesenは生涯に2,000点を超える製品を手がけたとされ、銀器、木製の玩具、食卓用品、子ども向けの家具が含まれる。このうち量産に適した設計が現在の製品群を構成する。

主な製品群

木製の動物が製品の中核をなす。1951年のカイ・ボイスン モンキーはチークとリンバを組み合わせ、腕と脚が可動する構成を持つ。カイ・ボイスン エレファントカイ・ボイスン ベアも同じ系統に属し、樹種の違いによって部位を描き分ける。

このほか、近衛兵の人形、小鳥の一群、1938年設計のカトラリーが製品群に含まれる。

基本情報

ブランド名 Kay Bojesen Denmark(カイ・ボイスン・デンマーク)
起点 1932年(Kay Bojesenがコペンハーゲンに店を構えた年)
設計者 Kay Bojesen(1886年〜1958年)
資本関係 1990年にRosendahlが権利を取得。2011年よりRosendahl Design Group傘下のブランド
所在地 デンマーク
事業内容 木製の人形・動物、食卓用品の企画および販売
公式サイト https://kaybojesen.com

Reference