Jieldé(ジェルデ)
Jieldéは、フランス・リヨン近郊サン=プリーストに拠点を置く照明メーカーである。機械工のJean-Louis Domecq(1920年〜1983年)が自身の作業に適う灯具を求めて設計し、1950年に最終的な形に至った。関節の内部に電線を通さず、銅の接点で通電させる構造により、腕を機構上の限界まで回せる点に特徴がある。1953年に社名を定めて事業化し、当初は工場や作業場向けだったが、1987年以降は住宅向けの製品としても扱われている。
事業と製造の実体
Jieldéの製品を規定しているのは、関節部の通電の方式である。一般の可動式灯具は関節に電線を通すため、回転の範囲が電線の捩れによって制限される。Domecqはこれを避け、関節に銅の接点を設けて回転しながら通電させる構造を採った。この結果、腕は機構上の限界まで回せる。
腕は分割された棒材と関節の組み合わせで構成される。棒を継ぎ足して長くすることも、外して短くすることもでき、傘を台座に直接取り付ける形にもできる。台座は床置き、卓上、壁付け、万力による固定など複数の形式が用意される。
製品は鋼を主材とし、塗装で仕上げられる。製作はリヨン近郊サン=プリーストの工房で行われ、一台ごとに番号が付される。
沿革
機械工による設計
1940年代後半、リヨンの機械工Jean-Louis Domecqは、自身の作業に適う灯具が市場にないことから、自ら設計に着手した。求めたのは、丈夫で、関節に電線を持たず、任意の位置に向けられる灯具である。試作を重ね、1950年に最終的な形へ至った。
続く2年で量産の体制を整え、1951年から工業的な生産が始まる。1953年、Domecqは自身の頭文字(J. L. D.)のフランス語での読みにもとづく名称で会社を設立した。製品は工場や作業場に広く採用されている。
住宅向けへの展開
1983年にDomecqが死去したのち、娘のMarie-Françoise Domecqが事業を引き継いだ。以後、住宅市場への展開が進められる。
1987年、それまで作業用として作られてきた型が、住宅での使用を想定した仕上げに整えられ、ロフトの名で扱われるようになった。2006年には寸法を小さくしたジェルデ シグナル SI333の系列が加えられ、2010年には吊り下げ型が加わっている。
2001年以降、ヨーロッパと日本に加えて北米へも販路が広がった。現在も製作はサン=プリーストで行われている。
デザイナーとの協働
Jieldéは外部の設計者へ委嘱する方式を採らず、創業者が考案した構造を保ちながら、仕上げと寸法の系列を広げる形で製品を展開してきた。関節の通電の方式が製品の性格そのものであるため、この構造を前提に台座の形式や腕の長さを組み替える構成が採られている。
設計はJean-Louis Domecq本人によるもので、1983年以降は社内で系列の追加と仕様の更新が行われている。
Jean-Louis Domecqの設計思想や経歴について詳しくはJean-Louis Domecqプロフィールページをご覧ください。
主な製品群
ロフトは、1950年に設計された作業用の灯具を住宅向けの仕上げに整えたものにあたる。分割された腕と関節を組み合わせ、床置き、卓上、壁付けの各形式で用いる。腕の本数を変えて長さを調整できる。
ジェルデ シグナル SI333は寸法を小さくした系列で、住宅の限られた空間での使用を想定する。構造は同じで、色の選択肢が広く用意されている。
このほか吊り下げ型の系列を扱う。
基本情報
| ブランド名 | Jieldé(ジェルデ) |
|---|---|
| 設計の完成 | 1950年 |
| 会社の設立 | 1953年 |
| 創業者 | Jean-Louis Domecq(1920年〜1983年) |
| 社名の由来 | 創業者の頭文字 J. L. D. のフランス語での読み |
| 製作拠点 | フランス・サン=プリースト(リヨン近郊) |
| 事業内容 | 照明器具の製造および販売 |
| 公式サイト | https://www.jielde.com |
Reference
- Jieldé - 公式サイト
- https://www.jielde.com/en
- Jieldé USA - History
- https://jieldeusa.com/history/
- Pamono - Jean-Louis Domecq
- https://www.pamono.com/designers/jean-louis-domecq