柳宗理カトラリーは、日本のインダストリアルデザイナー柳宗理がデザインしたステンレス製カトラリーである。1974年、佐藤商事からの「日本人のためのカトラリー」という依頼を受けて生まれ、新潟県燕市の工場で製造されている。発表から半世紀を経た今も、和洋を問わない食卓で使われ続けている。有機的で手に馴染むフォルムは、「手の延長」としての道具という柳の考え方に基づいている。

デザインの特徴

柳宗理カトラリーの特徴は、有機的で流れるようなフォルムにある。直線や幾何学的な形態ではなく、人間の手に馴染む曲線で構成されており、使う者に心地よい触感をもたらす。柄の部分は手のひらに収まる緩やかなカーブを描き、先端へ向かうにつれて細まっていく造形が、使いやすさと美しさを両立させている。

素材には18-8ステンレススチールを採用している。耐久性と衛生面に優れ、つや消し(サテン)仕上げによる落ち着いた光沢を持つ。この控えめな輝きは、和洋を問わずさまざまな食卓に調和し、料理を引き立てる。継ぎ目のない一体成型のため、洗いやすく、食器洗浄機にも対応する。

手を動かして形を決める設計手法

柳は、図面よりも先に石膏や粘土で立体模型を作り、実際に手で握り、口に運ぶ動作を確かめながら形を決めていく手法をとった。カトラリーの開発でも、模型を幾度も作り直しながら、握り心地、すくいやすさ、口当たりを検証している。この手を動かしながらの検証が、使いやすいかたちを生んでいる。欧米のカトラリーと比べてやや小ぶりに設計されており、日本人の手に馴染むサイズ感も特徴である。

ラインナップ

柳宗理カトラリーは、「#1250 ステンレスカトラリー」と「#2250 黒柄カトラリー」の2シリーズで展開され、ディナーサイズからデザートサイズまで幅広いアイテムが揃う。主要なラインナップは以下の通りである。

ディナースプーン
メインディッシュ用の標準サイズスプーン。深すぎず浅すぎないボウル形状が特徴。
ディナーフォーク
四本歯のフォーク。先端のカーブが食材を捉えやすい設計。
ディナーナイフ
切れ味と安全性を両立させた刃先。持ち手との一体感あるデザイン。
デザートスプーン・フォーク
デザートや軽食に適した小ぶりなサイズ。
ティースプーン
紅茶やコーヒーに合うサイズ。小ぶりながら持ちやすさに配慮している。
サービングスプーン・フォーク
取り分け用の大型カトラリー。おもてなしの場面で使いやすい。

基本情報

製品名 柳宗理 カトラリー(Sori Yanagi Cutlery)
デザイナー 柳宗理(Sori Yanagi)
発表年 1974年
発売・ブランド 佐藤商事(柳宗理デザインシリーズ)
製造 日本洋食器(新潟県燕市)
生産国 日本
素材 18-8ステンレススチール
仕上げ つや消し(サテン)仕上げ
食洗機 使用可
シリーズ #1250 ステンレスカトラリー / #2250 黒柄カトラリー