概要

スタファン・ホルム(1977年生まれ)は、スウェーデンの家具デザイナーである。家具職人として4年の実務を経たのちヨーテボリ大学で学び、2008年に事務所を開いた。木を二方向に曲げる技術を用いた腰掛けなど、加工の限界を条件として形を決める仕事が多い。日本のメーカーとも協働している。

バイオグラフィー

1977年8月1日、スウェーデンのリードシェーピングに生まれた。祖父は大工である。

職業訓練を経て家具職人の資格を取得し、約4年間の実務を経験した。

ヨーテボリ大学デザイン工芸学部(HDK)で学び、2006年に学士号、2008年に修士号を得ている。

2008年、ヨーテボリに事務所を開いた。スウェディーズ、ヘイ、ムート、有明コレクションなどと協働している。2013年にブルーノ・マットソン賞を受けた。

デザインの思想と方法

木を曲げる技術は、通常は一方向に限られる。二方向に曲げようとすると、繊維の走る向きが変わる箇所で割れやすい。ホルムが扱うのは、この限界を条件として形を決めることである。

加工の限界から形を決める

木の曲げられる曲率と方向には限界がある。この範囲の内側で最も大きく曲げれば、形は自ずと決まる。造形の判断ではなく材料の判断になる。

積み重ねを条件にする

脚の曲線を座面の輪郭に沿わせれば、重ねたときに脚同士が収まる。曲げの方向と積み重ねの条件が同時に形を規定する。

木組みの技術を参照する

日本の伝統的な木組みでは、金具を使わずに部材を接合する。この技術を現代の生産条件で扱うという方向をとる。有明コレクションとの協働がその例にあたる。

職人としての実務を前提とする

家具職人として4年の実務を経ており、加工の可否を手で把握している。図面の段階で作れるかどうかを判断できる。

代表作にみる方法

スピン スツール(2010年、スウディーズ)

木を二方向に曲げた腰掛けである。3本の脚が座面の円形に沿いながら下方へ湾曲する。曲げの方向と積み重ねの条件が同時に形を規定している。

スプリット テーブル(2012年、ムート)

無垢のオーク材の脚が中央で分かれて曲がる卓である。分かれた部分が接合を担い、別部材を要さない。→スプリット・テーブル

ジム フック(2010年、ヘイ)

体育館の掛け具に着想を得た壁掛けの金具である。部材は1つで、曲げだけで構成される。

グレース チェア(2013年、スウディーズ)

積み重ねられる椅子である。背もたれの半分が後脚の前に、残りが後ろに配され、重ねたときに噛み合う。

組子キャビネット(2018年、有明コレクション)

日本の伝統的な組子細工の幾何学的な割付を、扉の面に用いた収納である。佐賀県の工房で製作されている。

評価と影響

ホルムは、2000年代以降のスウェーデンの家具設計を担う一人として言及される。木の加工の限界を条件として形を決める点が特徴にあたる。

家具職人として4年の実務を経ており、加工の可否を手で把握している。図面の段階で作れるかどうかを判断できる立場にある。

2013年にブルーノ・マットソン賞を受けた。日本のメーカーとも協働しており、木組みの技術を現代の生産条件で扱う方向をとっている。

受賞・収蔵

受賞

  • 2013年 ブルーノ・マットソン賞

収蔵

4館のAPI(MoMA、V&A、Met、AIC)で照合したが、該当する収蔵は確認できなかった。スウェーデン国内の館については照合手段がない。

作品一覧

発表年 区分 作品名 ブランド
2008年 事務所 スタファン・ホルム・デザインスタジオ 設立 ヨーテボリ、スウェーデン
2010年 腰掛け スピン スツール Swedese
2010年 金具 ジム フック HAY
2012年 テーブル スプリット・テーブル Muuto
2013年 椅子 グレース チェア Swedese
2018年 収納 組子キャビネット Ariake Collection
2010年代〜 家具 各社のための家具 Hem / Abstracta ほか

プロフィール

生年 1977年8月1日
出身地 スウェーデン・リードシェーピング
国籍 スウェーデン
活動拠点 ヨーテボリ
分野 家具、インテリア
主な協働ブランド Muuto、HAY、Swedese、Ariake Collection

Reference

Staffan Holm(公式)
https://www.staffanholm.com/
Muuto
https://www.muuto.com/
Ariake Collection
https://ariakecollection.com/