概要
オイヴィンド・アレクサンダー・スラット(1978年生まれ)は、デンマークのデザイナーである。数列や幾何学の規則から形を導く方法をとる。2015年にルイスポールセンのために設計したパテラは、球面を多数の菱形の面で分割した吊り照明で、どの角度から見ても光源が直接見えない構成をとる。バング&オルフセンの音響機器も手がけている。
バイオグラフィー
1978年、デンマークに生まれた。デンマーク王立芸術アカデミーのデザイン学科で学んでいる。
音楽の教育も受けており、演奏と作曲の経験を持つ。
2011年、バング&オルフセンのためにベオプレイA9を設計した。円板の形をとる音響機器である。
2015年、ルイスポールセンのためにパテラを設計した。以後も照明と音響機器を手がけている。
デザインの思想と方法
スラットの設計は、形を感覚で決めず、数列や幾何学の規則から導く。規則を先に定めれば、個々の面の配置は計算で決まる。音楽の訓練を受けており、規則から構造を組み立てるという手順が共通する。
数列で面を分割する
パテラの球面は、菱形の面を数列に従って配置することで分割される。上下で面の大きさが変わり、隙間の開き方も一定でない。この配置により、どの角度から見ても内部の光源が直接見えない。
光を面の重なりで拡散させる
面が球面上に重なることで、光は隙間から漏れつつ拡散する。笠で覆うのではなく、分割された面の集合が遮光と拡散を同時に担う。
組み立てを平面から行う
パテラは平らな状態で出荷され、使用時に球形に組み立てる。輸送と保管の体積が小さく済む。分割された面の構成が、この工程を可能にしている。
音響機器を面として扱う
ベオプレイA9は、円板の形をとる音響機器である。スピーカーとしての機構を円板の内部に収め、外形は単純な面にとどめる。壁に立てかけるか脚で支える。
ルイスポールセンの歴史や他の製品について詳しくはルイスポールセン ブランドページをご覧ください。
代表作にみる方法
ベオプレイ A9(2011年、バング&オルフセン)
円板の形をとる音響機器である。スピーカーとしての機構を円板の内部に収め、外形は単純な面にとどめる。壁に立てかけるか、3本の脚で支える。→Beoplay A9
パテラ(2015年、ルイスポールセン)
球面を菱形の面で分割した吊り照明である。面は数列に従って配置され、上下で大きさが変わる。この配置により、どの角度から見ても内部の光源が直接見えない。平らな状態で出荷され、使用時に球形に組み立てる。→パテラ
パテラの展開
複数の径が用意されている。面の分割の規則は共通で、寸法だけが変わる。
その他の照明・音響機器
ルイスポールセンとバング&オルフセンのために設計を続けている。いずれも規則から形を導くという進め方による。
評価と影響
スラットは、2010年代以降のデンマークのデザインを担う世代の一人として言及される。数列や幾何学の規則から形を導く方法が特徴にあたる。
パテラは、面の分割によって遮光と拡散を同時に担うという構成をとる。ポール・ヘニングセンが対数螺旋で解いた問題を、球面の分割という別の方法で扱ったものにあたる。
音楽の教育を受けており、規則から構造を組み立てるという手順が設計にも通じている。
収蔵
4館のAPI(MoMA、V&A、Met、AIC)で照合したが、該当する収蔵は確認できなかった。デンマーク国内の館については照合手段がない。
作品一覧
| 発表年 | 区分 | 作品名 | ブランド |
|---|---|---|---|
| 2011年 | 音響機器 | Beoplay A9 | Bang & Olufsen |
| 2015年 | 照明 | パテラ | Louis Poulsen |
| 2015年〜 | 照明 | パテラの各寸法 | Louis Poulsen |
| 2010年代〜 | 照明・音響機器 | 各社のための製品 | 各社 |
プロフィール
| 生年 | 1978年 |
|---|---|
| 出身地 | デンマーク |
| 国籍 | デンマーク |
| 活動拠点 | コペンハーゲン |
| 分野 | 照明、音響機器 |
| 主な協働ブランド | Louis Poulsen、Bang & Olufsen |
Reference
- Øivind Slaatto | Louis Poulsen
- https://www.louispoulsen.com/en/designers
- Bang & Olufsen
- https://www.bang-olufsen.com/