バイオグラフィー

ジャン=マリー・マソー(Jean-Marie Massaud)は、1966年9月8日、フランス南部の歴史的都市トゥールーズに生まれた。文化遺産とハイテク産業が共存するこの都市の対照的な環境は、後に彼のデザインにおける伝統と革新の融合に影響を与えることとなる。当初は航空宇宙工学を学んでいたマソーだったが、やがてデザインへと転身し、1990年にパリの国立高等工業デザイン学校(ENSCI - École Nationale Supérieure de Création Industrielle)を卒業した。

卒業後、マソーはフランスの著名なデザイナー、マルク・ベルティエ(Marc Berthier)との協働を開始し、都市計画の分野における経験を積んだ。この初期の協働が、彼を建築とデザインの世界へと導く契機となった。1990年から1991年にかけて、彼は香港で量産デザイナーとしてキャリアをスタートさせ、アジアとヨーロッパを行き来する国際的な視野を培った。

1994年、マソーはパリに自身の最初のデザインスタジオを開設し、産業デザインと家具デザインに専念するようになった。この時期に、オーセンティクス(Authentics)、バカラ(Baccarat)、マジス(Magis)といった重要なブランドとの関係を構築した。2000年、マソーは建築家ダニエル・プゼ(Daniel Pouzet)と共に「スタジオ・マソー(Studio Massaud)」を共同設立し、活動領域を建築とブランド開発戦略へと拡大した。

以来、マソーは建築から家具、照明、自動車、香水瓶、さらには革新的なコンセプトプロジェクトまで、驚くほど広範な分野で活躍している。カッシーナ(Cassina)、ポルトローナ・フラウ(Poltrona Frau)、MDF イタリア、アクソール(AXOR)、デドン(Dedon)、ポリフォルム(Poliform)、アルペール(Arper)、B&Bイタリア、ランコム(Lancôme)、ルノー(Renault)、エールフランス(Air France)など、多様な分野の主要ブランドが彼の才能を求めてきた。2010年以降、メキシコ・グアダラハラのエスタディオ・オムニライフ(現エスタディオ・アクロン)という壮大なサッカースタジアムの設計により、建築家としても世界的に名声を確立した。

デザインの思想とアプローチ

本質性への探求

マソーのデザイン哲学の中核にあるのは、本質性(essentiality)の追求である。キャリアの初期から、彼は統合、削減、軽さを追求してきた。「私の最終的な図面は、削減と統合に向けた、より深い思考の目に見える部分に過ぎない」と彼は語る。この哲学は、機能性、手段の経済性、文脈への適応が、軽やかで本質的なデザインの背後に隠されているという信念に基づいている。

自然との調和

マソーのデザインにおいて、自然は最も重要なインスピレーションの源泉である。彼の作品は、人間とその創造物、そして自然環境との共生を目指している。「私は、デザインが人々に真の感情を呼び覚ますことができると信じている」と彼は述べる。浴室コレクション「AXOR Massaud」では、水栓を草の葉に見立て、水流を自然の滝のように演出することで、浴室を心身の聖域へと変容させた。

三つの広範な課題

マソーの軽さへの探求は、三つの広範な課題を統合している。第一に、個人と集団の充足。第二に、経済的・産業的効率性。第三に、環境への配慮である。彼の創造物は、投機的であれ実用的であれ、この必然的なパラダイムを探求している。すなわち、喜びと責任の両立、個人と集団の調和である。トレンドや流行から距離を置き、マソーは既存のものを問い直し、進歩に取り組み、現代的な課題に対してタイムレスで全体論的な答えを提案することを好む。

デザインインスピレーション

マソー自身が語るところによれば、彼のデザインインスピレーションは、チャールズ&レイ・イームズの思慮深いエレガンス、フィリップ・スタルクとカスティリオーニ兄弟の折衷主義、アントニオ・チッテリオの鋭さ、そしてレオナルド・ダ・ヴィンチとトーマス・エジソンの拡張的な創造性から得ている。これらの影響は、彼の作品における機能美と詩的表現の融合に反映されている。

作品の特徴

流動的で有機的なフォルム

マソーの作品は、シンプルな要素、本質的なライン、そして驚異的な軽さによって特徴づけられる、比類なきシグネチャーを持っている。彼のデザインは、自然界の美しさと有用性に大きく影響を受けており、有機的で流動的な形態が特徴である。ポルトローナ・フラウの「アーチボルド(Archibald)」アームチェアは、心地よい波状の縦襭が特徴で、瞑想とリラクゼーションに理想的な、快適で包み込むようなデザインを誇る。

機能と美の融合

マソーは、視覚的に魅力的であると同時に高度に機能的なデザインを創造する卓越した能力を持っている。快適さとエレガンス、時代精神と伝統、寛大さと洗練の融合が、彼の作品全体を通じて見られる。例えば、MDF イタリアの「フロー(Flow)」チェアは、2009年に誕生して以来、軽さ、快適さ、持続可能性の統合として進化を続け、同社のコレクションの柱の一つとなっている。

革新的な素材と技術

マソーは常に新しい素材と技術の可能性を探求している。AXOR Edgeコレクションでは、航空宇宙産業で使用される最新世代のダイヤモンドカット機械を用いて、真鍮ブロックから精密にミリングされた水栓を創造した。各製品は宝石のような輝きを持ち、時計、宝飾、光学産業に匹敵する精度で製造されている。デドンのSeaXコレクションでは、アメリカズカップのレーシングヨットの洗練された視覚言語からインスピレーションを得て、折りたたみ可能な革新的なアウトドアファニチャーを開発した。

多様なスケールへの対応

香水瓶から巨大なスタジアムまで、マソーはスケールや産業に関わらず、等しく快適に創造する。45,500人収容のエスタディオ・オムニライフから、繊細なジュエリーのようなAXOR Edge水栓まで、彼の仕事は一貫して人間中心の視点と環境への配慮を維持している。この柔軟性と適応力は、真に学際的なデザイナーとしての彼の資質を示している。

主な代表作とその特徴

エスタディオ・オムニライフ(現エスタディオ・アクロン) | 2010年

マソーの最も壮大なプロジェクトの一つが、メキシコ・グアダラハラ近郊に建設された45,500人収容のサッカースタジアム、エスタディオ・オムニライフ(2017年にエスタディオ・アクロンに改名)である。2000年にオーナーのホルヘ・ベルガラがクラブ・デポルティーボ・グアダラハラを買収した直後、マソーとダニエル・プゼに設計を依頼した。

このスタジアムの最も特徴的なのは、周囲の火山地形からインスピレーションを得た、火山を模した円錐形のデザインである。グリーンの丘陵に埋め込まれたピッチとスタンドは、地形と調和し、70,000平方メートルの芝生で覆われたコンクリートシェルが周囲の景観と流動的な繋がりを創り出している。赤い座席で満たされた「クレーター」の上には、わずか16本の支柱で支えられた白い膜屋根が雲のように浮かんでいる。

環境への配慮も設計の核心にある。雨水の利用、省エネルギー技術の採用、そして8,000台の駐車スペースを円錐形の基部に隠すことで、自然と調和したプロジェクトを実現した。2011年にはパンアメリカン競技大会の開会式と閉会式の会場となり、同年、建築・ランドスケープ・インテリアデザインにおけるスポーツ施設年間賞(PREMIO IBEROAMERICANO CIDI)を受賞した。

AXOR Massaud | 2006年

2005年にAXORとマソーが共同で探求した「AXOR WaterDream」プロジェクトから生まれた浴室コレクション「AXOR Massaud」は、従来の浴室デザインのあらゆる痕跡を排除し、全体論的な体験の舞台を設定する前衛的なコレクションである。

水栓は官能的に有機的で、草の葉に似た形状を持つ。吐水口は極薄で、エレガントな棚としても機能する。水流は完璧に形作られ、絹のような自然の滝の形をとる。浴室そのものが、心身のためのスパのような隠れ家へと変容する。「私は、機能的な要素が消えて、より全体論的な体験のための適切な風景を創造する浴室という直感を持っていた。水栓は消えなければならない。それは棚になる。指輪、シャンパン、あるいはマカロンを置く場所に。水が水栓から出ると、それは滝になり、浴槽は湖になる。それは魔法だ。とてもシンプルで努力を感じさせない、それが至高のエレガンスだ」とマソーは語る。

AXOR Edge | 2019年

AXOR Massaudから13年後、マソーとAXORは再び協働し、おそらくこれまでで最も前衛的な浴室コレクション「AXOR Edge」を創造した。20世紀初頭のアヴァンギャルド・デザインからインスピレーションを得たこのコレクションは、立方体が特徴的なデザイン要素となっており、非対称に組み合わされて建築的彫刻を形成している。

各水栓は、航空宇宙産業から転用された特殊なダイヤモンドチップ工具を用いて、真鍮ブロックから精密にミリングされ研磨される。超精密な表面とエッジは、時計、宝飾、光学産業に匹敵する精度を持ち、伝統的な研磨・研削プロセスの2倍の時間を要する。製造は、建物内の最小限の動きや振動さえも補償する6つのエアダンパーを備えた特別な施設で行われる。

「AXORとの協働において、私たちは常により良いユーザー体験を提供することを目指している。AXOR Edgeでは、洗練と唯一無二性への要求に応え、日常的な物体から彫刻を作り上げた。水栓以上に、コレクションの各製品は宝石、傑作、真鍮ブロックから削り出され個人的な仕上げで飾られた独特の建築的オブジェクトだ。生涯あなたの親密さを共有する、本物の機能的芸術作品。それが私の考える贅沢だ」とマソーは述べている。2019年、Red Dot Design Award「BEST OF THE BEST」を受賞した。

Yale ソファ | 2008年 | MDF Italia

MDF イタリアのためにデザインされた「Yale」コレクションは、ミニマリストな構造と組み合わされた室内装飾の革新的なビジョンにより、2011年にイタリアの最高峰のデザイン賞、コンパッソ・ドーロ(Compasso d'Oro)を受賞した。ベッドとコーヒーテーブルも含むこのファミリーの一部であるソファとアームチェアは、統合と軽さによって特徴づけられ、快適さを損なうことなく素材の継続的な削減を通じて達成されている。

この快適さは、洗練された包み込むようなクッションによって保証されている。押し出しアルミニウム構造と弾性ベルト、ダイカストアルミニウムの脚部を持ち、構造はマットホワイト、ストーングレー、アンスラサイトグレーで塗装されている。ファブリックまたはレザーの室内装飾はソファ全体を覆い、完全に取り外し可能である。

Flow コレクション | 2009年 | MDF Italia

2009年にマソーのアイデアから生まれた「Flow」は、多様なニーズに応えるために時間とともに進化してきた、汎用性の高いシーティングファミリーである。チェアまたはアームチェアバージョンで利用可能で、非室内装飾シェル、フロント室内装飾、または完全室内装飾を提供し、市場の最も多様な要求に応えるための様々なベースと組み合わせられる。

コレクションには、スツール、プーフ、Flow FiloやFlow Chair Irokoなどのアウトドアバリエーション、コーヒーテーブルも含まれる。継続的な進化の結果、Flowコレクションは軽さ、快適さ、持続可能性の統合である。2011年にドイツデザイン評議会のInterior Innovation Awardを受賞し、MDF イタリアのコレクションの柱の一つとなっている。

Archibald アームチェア | 2009年 | Poltrona Frau

ポルトローナ・フラウのためにデザインされた「Archibald」シーティングは、実質と形態の完璧な組み合わせである。快適で包み込むようなデザインは瞑想とリラクゼーションに理想的で、座面の広さと深さは細い脚部によってバランスが取られ、軽快で細身の全体的効果を与えている。

室内装飾は心地よい波状で、一連の縦襭が特徴で、エッジと外面に沿ってコントラストステッチで装飾され、洗練されたエレガンスの追加的なタッチを与えている。2010年にWallpaper* Best domestic design賞を受賞し、ポルトローナ・フラウの象徴的コレクションの一つとなった。

GranTorino モジュラーソファ | 2012年 | Poltrona Frau

馬具製作の世界、贅沢な職人技と熟練した加工の領域が、マソーの「GranTorino」、モジュラーソファのシステムのインスピレーションである。最もオリジナルで貴重なバージョンでは、サドルレザーとPelle Frau®レザーまたはファブリックを組み合わせている。

手作業で切断され成形されたサドルレザーは、シーティングのラインと幾何学に忠実に従う。細い高いアームレストと低いアームレストにも精密で複雑な仕上げがあり、エレガントな天然オーク材のトレイを収納する小さなコンパートメントも利用可能である。2014年にWallpaper* Design Awards「Best Room Mates」カテゴリーを受賞した。

Seashell コレクション | 2009年 | Dedon

デドンの象徴的な「Seashell」コレクションは、貝殻の優しい抱擁からインスピレーションを得ている。各ピースは身体を優しく包み込むようにデザインされ、貝殻の抱擁のような安心感と静けさを呼び起こす。デドンのマスター織工によって手作りされたこのコレクションは、伝統的な職人技と現代的な革新を組み合わせている。

2024年、15周年を記念して更新されたSeashellレンジには、デドンのEcoCycle Fiberが導入された。再生可能な植物由来資源から90%製造されたEcoCycle Fiberは、従来の化石燃料ベースの製品に代わる環境に優しい選択肢であり、実証済みのデドンファイバーと同じ豪華な外観とテクスチャ、そして同じ比類なき強度と耐候性を提供する。

SeaX コレクション | 2010年 | Dedon

エレガンスとモダニズムを代表する「SeaX」は、細部への細心の注意、革新的なデザインソリューションの豊富さ、魅力的な素材のミックスによって特徴づけられる、このアワードウィニングコレクションは、フランス人デザイナー、マソーの作品でしかあり得ない。

SeaXコレクションには、折りたたみアームチェア、ラウンジチェア、フットスツール、ダイニングテーブル、コーヒーテーブルが含まれる。SeaXの開発において、マソーはアメリカズカップの洗練されたレーシングヨットからインスピレーションを得た。「彼らの視覚言語が機能的でありながら自然にエレガントであることが好きだ。抵抗なく滑空するというボートの目的に適している」と彼は言う。折りたたみチェアでは、細心の注意を払って設計され製作された容易な折りたたみ機能、耐水性のヨット用テキスタイル、海で曲げられた合板で仕上げられたアームレストが特徴である。2012年にWallpaper* Design Awards Product Design賞を受賞した。

Airberg ソファ | 2013年 | Offecct

スウェーデンのオフェクト社のための「Airberg」は、氷山のゴツゴツした形状に似た、分厚いグレーのシーティングである。長いソファと分厚いチェアから構成され、両方とも非対称のバックレストを持つ。「Aibergは真空で満たされているかのような印象を与える構造ケースで構成されているが、実際には柔軟なパディング材で満たされている」とオフェクトは説明する。

まだプロトタイプ形式であったこのコレクションは、新しいOffecct Lab研究開発イニシアチブから生まれた最初の成果の一つである。独特の職人技を用いた製造により、非対称性においてより定義された、脱構築的な家具を創造することが可能となった。2014年にスウェーデンのDesign S賞を、2015年にはRed Dot Design Awardの佳作を受賞した。

Aston & Aston Club | 2006年/2020年 | Arper

2006年に発表された「Aston」チェアは、本質的でスマートで包み込むような建築の探求の結果である。アルミニウム、ポリウレタンシェル、室内装飾を組み合わせた構造は、現代的なオフィスと住宅空間の両方に適している。

2020年に発表された「Aston Club」は、Astonデザインを進化させ、印象的でエレガントなジェスチャーの中に豪華な快適さを提供する。「オリジナルのAstonは2006年に発表され、本質的でスマートで包み込むような建築の探求の結果だった。次にAston Clubが来て、より成熟した快適さ、洗練されたエルゴノミクス、タイムレスな魅力の探求だった」とマソーは語る。深く傾斜した座面とラップアラウンドヘッドレストを持つAston Clubチェアは、世界からのプライバシーと休息を提供する。Aston Club Low Backは、ヘッドレストなしで、より最小限の形態で寛大な快適さの同様の感覚を提供する。

Springtime コレクション | 2009年 | B&B Italia

B&Bイタリアの「Springtime」コレクションは、自然と内部空間の間の対話を創造することによって、屋外エリアを家具で飾るためにデザインされた。要素の組み合わせは、このスペースを統合し居住可能にする国内的風景を完成させる。

「à cabane」シートのテーマを発展させた深い座面ソファは日陰にすることができ、2つの座面深さでデザインされている。シェーズロングは、キャスター付きで調整可能なヘッドレストを持つシングルシート、または平行または対面に配置されたダブルシートのいずれかである。長方形と正方形のローテーブルは花瓶ホルダーに変換できる。コレクションには、プーフ、小さなテーブル、エナメル鋼のブラジエなどの他のアクセサリーも含まれる。白い塗装アルミニウムフレーム、ステンレス鋼ホルダー、3つの色調の防水ファブリックの使用に基づいた洗練が特徴である。

功績と業績

主要な受賞歴

2009年
IF Product Design Awards(ドイツ) - Seashell armchair, Slimline chair, Green Wall for Dedon
Good Design™ Awards(アメリカ) - Heaven outdoor collection for Emu
Red Dot Product Design Awards(ドイツ) - Massaud W08T light for Wästberg
2010年
Wallpaper* Best domestic design(イギリス) - Archibald chair for Poltrona Frau, Airwake for Airsur, Furtiver Persan rug for Gianda Blasco
2011年
PREMIO COMPASSO D'ORO, ADI Design Awards(イタリア) - Yale sofa for MDF Italia
PREMIO IBEROAMERICANO CIDI(メキシコ) - Estadio Omnilife建築・ランドスケープ・インテリアデザイン
APCI Observer du design(フランス) - Airwake for airsur
Interior Innovation Award, German Design Council(ドイツ) - Flow for MDF Italia
2012年
Wallpaper* Design Awards Product Design(イギリス) - SeaX chair for Dedon
Red Dot Design Award Best Of the Best(ドイツ) - Blow radiator for Cordivari
2014年
Wallpaper* Design Awards Best Room Mates(イギリス) - GranTorino sofa for Poltrona Frau
MIAW Best Sofa Muuuz International Award(フランス) - Airberg sofa for Offecct
EDIDA TableWare Elle Déco International Design Award(フランス) - Silver Time for Christofle
2015年
Red Dot Award - Massaud Work Lounge With Ottoman for Coalesse
Interior Design's Award Best of Year(アメリカ) - Axor-Massaud Collection
Interior Innovation Award 'best of the best', German Design Council(ドイツ) - Rock Tables for MDF Italia
Honourable Mention Product Design Red Dot Design Award(ドイツ) - Airberg sofa for Offecct
2016年
Interior Design's Best of the Year(アメリカ) - SYDNEY sofa for Poliform
Product Design Red Dot Design Award(ドイツ) - Scarlett sofa for Poltrona Frau
The Architizer A+ Award Jury(アメリカ) - STEEVE sofa for Arper
GREEN GOOD DESIGN™ Award(アメリカ) - Green Islands & O2Asis Collection for Offecct
Wallpaper* Design Awards Best home office(イギリス) - Seattle for Poliform
2017年
Wallpaper* Design Award Winner "Best of Best"(イギリス) - Lloyd bookcase for Poltrona Frau
ICONIC AWARD Interior Innovation "Best of Best"(ドイツ) - AIKU chair for MDF Italia
ICONIC Award "Selection" - Interior Innovation Award(ドイツ) - DEAN chair for Dedon
2018年
Wallpaper* Design Award Winner "best uchi"(イギリス) - Home Hotel Bench for Poliform
2019年
Wallpaper* Design award Winner "best reflective space"(イギリス) - Creek coffee table for Poliform
Big SEE Wood Award(スロベニア) - Kalia Chaise longue for ZANAT
Red Dot Design Award "BEST OF THE BEST"(ドイツ) - Axor Edge
2021年
le FD100 Awards - LE FRENCH DESIGN by VIA(フランス) - Le Club for Poliform
Wallpaper* Design award Winner "best curves"(イギリス) - Le Club for Poliform
2022年
FURNITURE ARCHIPRODUCTS DESIGN AWARD

主要なプロジェクトと協働

マソーは、家具デザインから建築、コンセプトカー、都市計画まで、驚くべき幅広いプロジェクトに取り組んできた。メキシコ・グアダラハラのエスタディオ・オムニライフ(2010年)は彼の建築家としての地位を確立し、トヨタとの協働によるMeWeコンセプトカー(2010年)は、プラスチックボディワークと竹製ボンネットを持つ「反危機」車として注目された。

ONERAとの協働による「Manned Cloud」は、ヘリウム充填飛行船ホテルという先見的なデザインコンセプトであり、未来の旅行の可能性を探求している。これらの多様なプロジェクトは、マソーがスケールや文脈に関わらず、人間と環境の調和を追求する姿勢を示している。

美術館コレクション

マソーの作品は、世界中の主要な美術館の常設コレクションに収蔵されている。パリの国立近代美術館(Musée National d'Art Moderne)、チューリヒのデザイン美術館(Museum für Gestaltung)、シカゴ・アテネウム建築デザイン美術館(The Chicago Athenaeum-Museum of Architecture and Design)、アムステルダムのステデライク美術館(The Stedelijk Museum)、パリの装飾芸術美術館(Musée des arts Décoratifs)などが含まれる。これらの収蔵は、デザイン史における彼の重要性を裏付けている。

教育活動

マソーは、ミラノのドムスアカデミー(Domus Academy)やトリノのヨーロッパデザイン研究所(European Institute of Design)で教鞭を執り、次世代のデザイナーの育成にも貢献してきた。彼の教育活動は、デザイン思想の継承と、持続可能で人間中心のデザインアプローチの普及に寄与している。

評価と後世への影響

現代デザイン界における位置づけ

ジャン=マリー・マソーは、現代フランスデザインを代表する最も多才で影響力のあるデザイナーの一人として認識されている。彼の学際的アプローチ——建築、家具、プロダクトデザイン、都市計画を横断する——は、デザインの境界を拡張し、従来の専門分野の壁を打ち破っている。

複数の「デザイナー・オブ・ザ・イヤー」(2007年、2009年)を受賞し、彼の作品はトレンドや流行を超えた持続的な価値を持つものとして評価されている。マソーの強みは、快適さとエレガンス、時代精神と伝統、寛大さと洗練を融合させる能力にある。この能力により、カッシーナ、ポルトローナ・フラウ、MDF イタリア、AXOR、B&Bイタリアなど、ヨーロッパの最も著名な家具・デザインブランドが彼のデザインを求めてきた。

持続可能性への先駆的取り組み

マソーのデザイン哲学において、環境の持続可能性は中心的な位置を占めている。彼の作品は、経済的効率性、環境への配慮、そして個人と集団の幸福という三つの広範な課題を統合している。エスタディオ・オムニライフでの雨水利用と省エネルギー技術の採用、デドンのSeashellコレクションでの植物由来EcoCycle Fiberの使用など、彼は常に責任あるデザインを実践してきた。

「喜びと責任の両立、個人と集団の調和」というマソーのビジョンは、21世紀のデザイン課題に対する重要な回答を提示している。彼の作品は、美しさと機能性が環境への配慮と矛盾しないことを実証している。

自然と技術の融合

マソーの最も特徴的な貢献の一つは、自然の有機的形態と最先端技術の融合である。AXOR Massaudでは、水流を自然の滝のように演出し、浴室を心身の聖域へと変容させた。一方、AXOR Edgeでは、航空宇宙産業の精密技術を用いて、宝石のような水栓を創造した。この自然と技術の調和は、マソーのデザイン哲学の核心である。

彼の作品は、技術が人間性を損なうのではなく、むしろ人間の経験を豊かにし、自然との繋がりを深めることができることを示している。この視点は、テクノロジーが加速度的に発展する現代において、ますます重要性を増している。

デザイン言語の革新

マソーは、本質的で軽やかなデザイン言語を通じて、現代デザインに独自の貢献をしてきた。彼の作品は、削減と統合のプロセスを経て生まれ、シンプルな要素、本質的なライン、そして驚異的な軽さによって特徴づけられる。この「less is more」の哲学は、モダニズムの伝統を継承しながらも、より人間的で感情的な次元を加えている。

MDF イタリアのYaleソファが2011年にコンパッソ・ドーロを受賞したことは、この革新的なアプローチが業界の最高峰で認められたことを示している。マソーのデザインは、機能性と美しさ、快適さと洗練を両立させながら、タイムレスな魅力を持つ作品として、今後も長く愛され続けるだろう。

次世代への影響

マソーの多面的なキャリアと学際的アプローチは、現代の若手デザイナーに大きな影響を与えている。彼の作品は、デザイナーが単一の分野に限定される必要がなく、建築、家具、プロダクト、さらには都市計画まで、幅広い領域で創造性を発揮できることを示している。

また、彼の「人間、その創造物、そして自然環境の共生」という理念は、気候変動や環境危機に直面する21世紀のデザイナーにとって、重要な指針となっている。マソーの遺産は、美しい物体を創造することだけでなく、より良い生活空間と持続可能な未来を創造することにあり、この理念は今後のデザインの方向性を示すものとなるだろう。

作品一覧

年月 区分 作品名 ブランド
2006年 チェア Aston Arper
2006年 バスルームコレクション AXOR Massaud AXOR (Hansgrohe)
2008年 テーブル Seven B&B Italia
2008年 ソファ Terminal 1 B&B Italia
2008年 ソファ Yale MDF Italia
2009年 チェア Flow MDF Italia
2009年 アームチェア Archibald Poltrona Frau
2009年 アウトドアコレクション Springtime B&B Italia
2009年 アウトドアチェア Seashell Dedon
2009年 アウトドアコレクション Heaven Emu
2010年 建築 Estadio Omnilife (現 Estadio Akron) オーナー: Jorge Vergara
2010年 コンセプトカー MeWe Toyota Ed2
2010年 アウトドアチェア SeaX Dedon
2010年 照明 Massaud W08T Wästberg
2011年 ラグ Furtiver Persan Gianda Blasco
2011年 グリーンウォール Green Wall Dedon
2011年 家具システム Green Islands & O2Asis Offecct
2012年 ソファ GranTorino Poltrona Frau
2012年 ラジエーター Blow Cordivari
2013年 ソファ Airberg Offecct
2013年 アウトドアチェア Slimline Dedon
2014年 テーブルウェア Silver Time Christofle
2014年 ソファ Kennedee Poltrona Frau
2015年 テーブル Rock Table MDF Italia
2015年 ラウンジシーティング Massaud Work Lounge Coalesse
2016年 ソファ Sydney Poliform
2016年 ソファ Scarlett Poltrona Frau
2016年 ソファ Steeve Arper
2016年 スツール Seattle Poliform
2017年 ブックケース Lloyd Poltrona Frau
2017年 チェア Aiku MDF Italia
2017年 アウトドアチェア Dean Dedon
2018年 ベンチ Home Hotel Bench Poliform
2018年 ソファ John-John Poltrona Frau
2019年 バスルームコレクション AXOR Edge AXOR (Hansgrohe)
2019年 コーヒーテーブル Creek Poliform
2019年 シェーズロング Kalia ZANAT
2020年 アームチェア Aston Club / Aston Club Low Back Arper
2021年 ソファ Le Club Poliform
2021年 オフィスチェア Downtown Poltrona Frau
年代不明 アウトドアコレクション Sealine Dedon
年代不明 アウトドアコレクション Paros Dedon
年代不明 アウトドアコレクション Satellite Dedon
年代不明 アウトドアコレクション Seashell Grand / Seashell Nuo Dedon
年代不明 ソファ・ベンチ InOut Cappellini
年代不明 コンセプト Manned Cloud (飛行ホテル) ONERA

Reference

Jean-Marie Massaud: essentialist | Biography | Designer | Cassina
https://www.cassina.com/ww/en/contemporanei/jean-marie-massaud.html
Jean-Marie Massaud - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Jean-Marie_Massaud
Jean-Marie Massaud Official Website
https://www.massaud.com/
Jean-Marie Massaud, Designer | Archiproducts
https://www.archiproducts.com/en/designers/jean-marie-massaud
Introducing Designer Jean-Marie Massaud | Hansgrohe Group
https://www.hansgrohe-group.com/en/about-us/claim/design/designers/jean-marie-massaud
Jean Marie Massaud | MDF Italia
https://www.mdfitalia.com/en/designers/jean-marie-massaud
Jean-Marie Massaud: French Furniture Designer - Aram
https://www.aram.co.uk/designers/jean-marie-massaud
A brief introduction to designer Jean-Marie Massaud | AXOR
https://www.axor-design.com/int/service/axor-brand/designers/jean-marie-massaud
Jean-Marie Massaud | Poltrona Frau
https://www.poltronafrau.com/
Jean-Marie Massaud applies diamond-cutting processes to Axor Edge | Dezeen
https://www.dezeen.com/2019/10/28/axor-edge-bathroom-jean-marie-massaud/
Estadio Omnilife – Discover project by AXOR | Architonic
https://www.architonic.com/en/pr/estadio-omnilife/5101662/
Estadio Akron - Wikipedia
https://en.wikipedia.org/wiki/Estadio_Akron
The extraordinary outdoor furniture journey | DEDON
https://events.dedon.de/
Airberg by Jean-Marie Massaud for Offecct | Dezeen
https://www.dezeen.com/2013/04/28/airberg-seatingby-jean-marie-massaud-for-offecct/
Aston Club seating by Jean-Marie Massaud for Arper | Dezeen
https://www.dezeen.com/2021/10/07/aston-club-seating-jean-marie-massaud-arper-dezeen-showroom/
Yale Collection | MDF Italia
https://www.mdfitalia.com/en/collections/yale-collection
Flow Collection | MDF Italia
https://www.mdfitalia.com/en/furniture/chairs/flow-collection