概要

フロリアン・ザイフェルト(1943年生まれ)は、ドイツのインダストリアルデザイナーである。1968年から1973年までブラウンの設計部門に在籍した。1972年のコーヒーメーカーKF20は、抽出器と保温部を垂直に積む構成をとる。同社の製品が単色を基本としていた時期に、鮮やかな色を導入した設計者にあたる。

バイオグラフィー

1943年、ドイツのヤムリッツに生まれた。父は室内装飾家・画家である。

1960年に西ドイツへ渡り、1961年から1964年まで精密機械工の見習いを務めた。以後、製図技師として働いている。

1968年、ブラウンの設計部門に加わった。ディーター・ラムスが率いる部門にあたり、1973年まで在籍している。

退社後、マインツ専門大学でプロダクトデザインを教えた。ハルトヴィヒ・カールケと設計事務所も運営している。

デザインの思想と方法

ザイフェルトが在籍した1968年から1973年は、ブラウンの製品が単色を基本としていた時期にあたる。彼が導入したのは、機能と関係のない色ではなく、製品の位置づけを示す色だった。

垂直に積んで設置面積を減らす

KF20では、水槽、抽出器、保温部を垂直に積む。調理台の上で占める面積が減り、狭い場所にも置ける。高さが増すが、周囲に余裕がなくても設置できる。

色で製品の位置づけを示す

橙、赤、黄といった色を筐体に用いた。同じ形の製品でも色が違えば、対象とする使い手が変わる。単色を基本とする製品群の中で、色そのものが情報になる。

付属品まで含めて構成する

シェーバーでは、収納用の覆いと清掃用の刷毛までを設計の対象とした。本体だけでなく、使う場面全体で必要なものを揃える。

精密機械工の訓練を前提とする

1961年から3年間、精密機械工の見習いを務めた。内部の機構と外形の関係を実務で把握したうえで設計している。

代表作にみる方法

KF20 アロマスター(1972年)

水槽、抽出器、保温部を垂直に積んだコーヒーメーカーである。調理台の上で占める面積が減り、狭い場所にも置ける。橙の筐体を用いた。→KF 20 アロマスター

カセット・シェーバー(1970年)

赤や黄の筐体を用いた電気シェーバーである。収納用の覆いと清掃用の刷毛までを設計の対象とした。

ラリー・シェーバー(1971年)

既存のシクスタントSM31を色の面から作り直した型である。赤と黒の組み合わせによる。

マッハ2 ライター(1971年)

ディーター・ラムスとの共同設計による携帯用の点火器である。アルミニウムの筐体を用いる。

クアドロ灰皿(1970年頃)

積み重ねられる樹脂の灰皿である。正方形の輪郭をとり、橙の色を用いた。

評価と影響

ザイフェルトは、1968年から1973年のブラウンの設計部門を担った一人として言及される。同社の製品が単色を基本としていた時期に、色を導入した点が挙げられる。

KF20の垂直に積む構成は、設置面積を減らすという条件から来ている。以後のコーヒーメーカーにも同じ構成が見られる。

退社後はマインツ専門大学で教え、設計事務所も運営した。教育と実務を並行している。

収蔵

4館のAPI(MoMA、V&A、Met、AIC)で照合したが、該当する収蔵は確認できなかった。ドイツ国内の館については照合手段がない。

作品一覧

発表年 区分 作品名 ブランド
1970年 家電 カセット・シェーバー Braun
1970年頃 什器 クアドロ灰皿 Braun
1971年 家電 ラリー・シェーバー、レディ・ブラウン Braun
1971年 什器 マッハ2 ライター(ラムスと共同) Braun
1972年 家電 KF 20 アロマスター Braun
1973年 家電 シクスタント 8008(ラムス・オーバーハイムと共同) Braun
1973年〜 工業製品 ザイフェルト+カールケ・デザインの製品 各社

プロフィール

生年 1943年
出身地 ドイツ・ヤムリッツ
国籍 ドイツ
活動拠点 フランクフルト、マインツ
分野 家電、工業製品
主な協働ブランド Braun

Reference