概要
エリック・マグヌッセン(1940-2014)は、デンマークのデザイナーである。陶芸の訓練を受けたのち、1970年代からステルトンの設計を担当した。1977年のEM77は、蓋を回して開閉する魔法瓶で、傾ければ注げて、戻せば閉じる。注ぐたびに蓋を外す必要がない。
バイオグラフィー
1940年3月31日、デンマークに生まれた。コペンハーゲンの美術工芸学校で陶芸を学び、1960年に修了している。
1962年からビング・オ・グレンダールで陶器の設計に携わった。
1976年からアルネ・ヤコブセンの後任として、ステルトンの設計を担当した。1977年にEM77を発表している。
以後、家具、照明、什器と対象を広げた。2014年に没している。
デザインの思想と方法
魔法瓶は、保温のために密閉する必要がある。しかし注ぐたびに蓋を外せば、置き場所が要り、片手では扱えない。マグヌッセンが解いたのは、この二つを同時に満たす機構である。
蓋を回して注ぎ口を開く
蓋に切り欠きを設け、回すことで注ぎ口と重なる。傾ければ注げて、戻せば閉じる。蓋を外す動作が不要になり、片手で扱える。
樹脂で一体に成形する
本体を樹脂の成形で作る。金属より軽く、色を材料に混ぜられる。落としても割れにくい。
外形を円筒に収める
本体は円筒に近い形をとる。把手も外形の内側に収まるため、並べたときに場所を取らない。
陶芸から樹脂へ移る
陶芸の訓練を受けたのち、樹脂と金属を扱った。材料は変わるが、器としての形を決めるという手順は共通する。
ステルトンの歴史や他の製品について詳しくはステルトン ブランドページをご覧ください。
代表作にみる方法
EM77 魔法瓶(1977年、ステルトン)
蓋に切り欠きを設け、回すことで注ぎ口と重なる構成をとる。傾ければ注げて、戻せば閉じる。蓋を外す動作が不要で、片手で扱える。樹脂の成形により軽く、色を材料に混ぜられる。→EM77 クラシックバキュームジャグ
EM77の展開
複数の色と容量が用意された。機構は共通で、寸法だけが変わる。
陶器の設計(1962年〜)
ビング・オ・グレンダールで陶器を設計した。食器と花器が中心にあたる。
ステルトンのための什器
魔法瓶のほか、卓上の什器を設計した。同社の製品群に加わる位置づけになる。
家具・照明の設計
1980年代以降、家具と照明も手がけた。材料は変わるが、使う動作から形を決める手順は共通する。
評価と影響
マグヌッセンは一般に、20世紀後半のデンマークのデザインを担った一人と評価されている。EM77の蓋の機構が、その代表にあたる。
1976年からアルネ・ヤコブセンの後任としてステルトンの設計を担当した。同社の製品の方向を引き継ぐ立場になる。
EM77は1977年の設計で、現在も生産が続いている。蓋を回して開閉するという機構が変わっていない。
収蔵
4館のAPI(MoMA、V&A、Met、AIC)で照合したが、該当する収蔵は確認できなかった。デンマーク国内の館については照合手段がない。
なお、Met とシカゴ美術館には「Erik Magnussen」名義の1926年から1930年の銀器が収蔵されているが、これは同名のデンマーク出身の銀細工師(1884-1961)によるもので、本人とは別人にあたる。
作品一覧
| 発表年 | 区分 | 作品名 | ブランド |
|---|---|---|---|
| 1962年〜 | 陶器 | ビング・オ・グレンダールのための製品 | Bing & Grøndahl |
| 1977年 | 什器 | EM77 クラシックバキュームジャグ | Stelton |
| 1977年〜 | 什器 | EM77の各色・各容量 | Stelton |
| 1976年〜 | 什器 | ステルトンのための卓上の什器 | Stelton |
| 1980年代〜 | 家具・照明 | 各社のための製品 | 各社 |
プロフィール
| 生没年 | 1940年3月31日〜2014年 |
|---|---|
| 出身地 | デンマーク |
| 国籍 | デンマーク |
| 活動拠点 | コペンハーゲン |
| 分野 | 什器、陶器、家具、照明 |
| 主な協働ブランド | Stelton、Bing & Grøndahl |
Reference
- Stelton
- https://www.stelton.com/
- Designmuseum Danmark
- https://designmuseum.dk/en/