概要
クレール・ヴォス(1965年生まれ)は、オランダのテキスタイルデザイナーである。アイントホーフェンのデザイン・アカデミーで学び、1999年にロデリック・ヴォスとスタジオを設立した。モーイ・カーペットのために設計した系列では、デジタル印刷と織りの質感を組み合わせる構成をとる。
バイオグラフィー
1965年、オランダのリンブルフ州テヘレンに生まれた。家族は代々テキスタイルの製造に携わっている。
1984年、アイントホーフェンのデザイン・アカデミーに入学し、工業デザインを学んだ。
1999年、ロデリック・ヴォスとともにオランダのホイスデンにスタジオを設立した。
2016年からPODEのアートディレクターを務めている。モーイ・カーペット、HC28コスモなどのために設計を行っている。
デザインの思想と方法
絨毯の図案は、織りで作れば糸の色数に制約があり、印刷で作れば質感が失われる。ヴォスが扱うのは、この二つを組み合わせる方法である。
印刷と織りを重ねる
デジタル印刷では、色数と細部の制約がない。織りの上に印刷すれば、糸の質感を残したまま複雑な図案が載る。印刷が生む見え方と、織りの触感が同時に成立する。
毛足の高低で凹凸をつくる
パイルの長さを部分ごとに変えると、面に高低差が生じる。足で踏んだときの感触が変わり、視覚だけでない差が出る。
自然の形を流動化する
鉱物、鳥、花、石といった対象の形を分解し、流れる図案に組み替える。もとの形を残しつつ、輪郭が定まらない状態にする。
アートディレクションを兼ねる
スタジオでは、ロデリック・ヴォスが家具と製品、クレール・ヴォスがテキスタイルとアートディレクションを担う。両者を組み合わせて空間全体を構成する。
代表作にみる方法
リキッド・レイヤーズ(モーイ・カーペット)
鉱物、鳥、花、石といった自然の形を分解し、流れる図案に組み替えた絨毯の系列である。もとの形を残しつつ、輪郭が定まらない状態にする。→リキッド・レイヤーズ
ヤーン・ボックス(2018-19年、モーイ・カーペット)
ビーズと紐の関係を主題とした絨毯の系列である。中国の手工芸に着想を得ている。
ラヴェル(モーイ・カーペット)
ほどけた糸を色ごとに分けて並べ直すという着想による絨毯である。印刷が生む見え方と織りの質感が同時に成立する。
コラージュ(HC28コスモ)
中国の家具メーカーのための絨毯の系列である。面を折り畳むように構成する。
PODEのアートディレクション(2016年〜)
オランダの家具ブランドの製品構成を決めている。展示空間の設計も担当している。
評価と影響
ヴォスは、デジタル印刷と織りの質感を組み合わせる方法をとる設計者として言及される。両者の制約を相互に補うという構成にあたる。
家族が代々テキスタイルの製造に携わっており、素材の性質を扱う前提がある。
1999年に設立したスタジオでは、家具とテキスタイルの双方を扱う。2016年からPODEのアートディレクターも務めている。
収蔵
4館のAPI(MoMA、V&A、Met、AIC)で照合したが、該当する収蔵は確認できなかった。オランダ国内の館については照合手段がない。
作品一覧
| 年 | 区分 | 作品名 | ブランド |
|---|---|---|---|
| 1999年 | 事務所 | スタジオ・ロデリック・ヴォス 設立 | ホイスデン、オランダ |
| 2010年代 | 絨毯 | リキッド・レイヤーズ | Moooi Carpets |
| 2016年〜 | ディレクション | PODE アートディレクター | PODE |
| 2018-19年 | 絨毯 | ヤーン・ボックス | Moooi Carpets |
| 2010年代〜 | 絨毯 | ラヴェル、コラージュ | Moooi Carpets / HC28 Cosmo |
| 2025年 | テキスタイル | TRENA ファブリック | Crevin |
プロフィール
| 生年 | 1965年 |
|---|---|
| 出身地 | オランダ・リンブルフ州テヘレン |
| 国籍 | オランダ |
| 活動拠点 | ホイスデン、オランダ |
| 分野 | 絨毯、テキスタイル、アートディレクション |
| 主な協働ブランド | Moooi Carpets、PODE、HC28 Cosmo |
Reference
- Studio Roderick Vos(公式)
- https://www.roderickvos.com/
- Moooi Carpets
- https://www.moooicarpets.com/