概要

アルベルト・メダ(1945年生まれ)は、イタリアのデザイナーである。ミラノ工科大学で機械工学を学び、1973年からカルテルの技術責任者を務めたのち、1979年に独立した。炭素繊維を用いたアリアスのライト・ライト・チェア、ヴィトラのメダ・チェア、パオロ・リッツァットと共同で設計したルーチェプランの照明で知られる。

バイオグラフィー

1945年、コモ県トレメッツィーナに生まれた。1969年にミラノ工科大学で機械工学の学位を得た。

1969年から1973年までマニェーティ・マレッリで経営部門の補佐を務め、1973年にカルテルの技術責任者となった。カルテルでは、実験器具などの部門と家具・インテリア小物の部門の製品開発を担当した。

1979年にミラノで独立した。1981年から1985年まではアルファ・ロメオのプロジェクト・コンサルタントも務めている。以後、アリアス、アレッシィ、ルーチェプラン、カルテル、ヴィトラなど多くの企業のために設計した。

教職では、1983年から1987年までドムス・アカデミーで工業技術を教え、1995年から1997年にミラノ工科大学の工業デザイン課程で、2003年から2007年にヴェネツィア建築大学でも教えた。

デザインの思想と方法

メダは機械工学の出身で、材料の強度や構造の条件から形を組み立てる。2023年にミラノ・トリエンナーレで開かれた個展「Tensione e Leggerezza(張力と軽さ)」は、視覚的・構造的な軽さ、張力と吊り下げ、機能・技術・素材の統合、光の扱いを主題に構成されていた。

荷重に合わせて繊維の向きを決める

ライト・ライト・チェアは、ノーメックスのハニカム材を芯に、表面を炭素繊維で覆った椅子である。ニューヨーク近代美術館の解説によれば、繊維の向きは座る人の荷重に対抗するよう配置され、応力のかかる接合部には一方向の繊維が追加されている。

張って支える

ロング・フレームは、アルミニウムの枠にPVC被覆のポリエステル布を張った寝椅子である。メダ・チェアも、アルミニウムの枠に張ったメッシュなどの面で背を支える。

羽根で遮光と放熱を兼ねる

ルーチェプランのロラ、ティタニア、メトロポリ、ミックスは、パオロ・リッツァットとの共同設計である。ティタニアは、1枚のアルミニウム板から切り出した大小の羽根で電球を覆い、羽根が遮光と放熱を兼ねる。

代表作にみる方法

ライト・ライト・チェア(1987年、アリアス)

メダにとって最初の炭素繊維の椅子で、少数だけ生産された。初期の使用試験では、試作は丈夫だったが軽すぎ、外観も先端技術的で一般向けではないという結果だった。ニューヨーク近代美術館が収蔵している(収蔵番号397.1994)。→ライト・ライト・チェア

ソフト・ライト・チェア(アリアス)

炭素繊維とアルミニウムのハニカム材を使い、座面と背にデュポン社の弾性繊維ディメトロールを張った椅子である。ニューヨーク近代美術館が収蔵している(収蔵番号398.1994)。

ロラ(1987年、ルーチェプラン)

パオロ・リッツァットとの共同設計による卓上照明である。1989年にコンパッソ・ドーロ賞を受けた。

ティタニア(1989年、ルーチェプラン)

パオロ・リッツァットとの共同設計による吊り照明である。アルミニウムのリブを連ねた楕円形の骨組みの中に、大小の羽根を並べる。シルクスクリーン印刷のポリカーボネート製フィルターを入れ替えると、光の色が変わる。

ロング・フレーム(アリアス)

アルミニウムの押出材とダイカスト部品の枠に、PVC被覆のポリエステル布を張った寝椅子である。ニューヨーク近代美術館が収蔵している(収蔵番号243.1998)。

メダ・チェア(1996年、ヴィトラ)

アルミニウムの枠にメッシュなどを張った背を持つ事務椅子である。ヴィトラとメダの協働は1994年に始まった。→メダ・チェア

評価と影響

コンパッソ・ドーロ賞を繰り返し受け、2026年には生涯功労賞も受けている。2005年にはロンドンの王立芸術協会(RSA)の名誉ロイヤル・デザイナー・フォー・インダストリーに選ばれた。

受賞・収蔵

受賞

  • 1989年 コンパッソ・ドーロ賞(ロラ、ルーチェプラン)
  • 1994年 コンパッソ・ドーロ賞(メトロポリ、ルーチェプラン)
  • 2005年 名誉ロイヤル・デザイナー・フォー・インダストリー(RSA、ロンドン)
  • 2008年 コンパッソ・ドーロ賞(ミックス、ルーチェプラン)
  • 2011年 コンパッソ・ドーロ賞(ティーク テーブル、アリアス)
  • 2016年 コンパッソ・ドーロ賞(フラップ 吸音パネル、カイミ・ブレヴェッティ)
  • 2018年 コンパッソ・ドーロ賞(オリガミ スクリーン・ラジエーター、チューブス)
  • 2026年 コンパッソ・ドーロ賞(生涯功労賞)

収蔵

以下の収蔵が確認できる(MoMA=ニューヨーク近代美術館、V&A=ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館)。

  • MoMA オン・オフ テーブルランプ(1983年、フランコ・ラッジ、デニス・サンタキアラと共同) 収蔵番号 239.1994.1-2
  • MoMA ライト・ライト・チェア(1987年頃) 収蔵番号 397.1994
  • MoMA ソフト・ライト サイドチェア(1988年頃) 収蔵番号 398.1994
  • MoMA ロング・フレーム シェーズロング(1994年) 収蔵番号 243.1998
  • MoMA ミックス ランプ(2005年、パオロ・リッツァットと共同) 収蔵番号 82.2009
  • V&A カフスボタン(2018年) 収蔵番号 CD.31-2020

Met、AIC では該当する収蔵は確認できなかった。

作品一覧

発表年 区分 作品名 ブランド
1983年 照明 オン・オフ(フランコ・ラッジ、デニス・サンタキアラと共同) Luceplan
1987年 椅子 ライト・ライト・チェア Alias
1987年 照明 ロラ(パオロ・リッツァットと共同) Luceplan
椅子 ソフト・ライト Alias
1989年 照明 ティタニア(パオロ・リッツァットと共同) Luceplan
1992年 照明 メトロポリ(パオロ・リッツァット、リッカルド・サルファッティと共同) Luceplan
シェーズロング ロング・フレーム Alias
1996年 オフィスチェア メダ・チェア Vitra
2005年 照明 ミックス(パオロ・リッツァットと共同) Luceplan

プロフィール

生年 1945年
出身地 イタリア・トレメッツィーナ
国籍 イタリア
活動拠点 ミラノ
分野 家具、照明、オフィスチェア
主な協働ブランド Alias、Luceplan、Vitra、Kartell、Alessi

Reference

Biografia | Alberto Meda
https://albertomeda.com/biografia
Alberto Meda | Vitra
https://www.vitra.com/en-us/product/designer/alberto-meda
Alberto Meda biography | Electa
https://www.electa.it/?p=16353
Alberto Meda | MAXXI
https://www.maxxi.art/en/meda-alberto/
Alberto Meda wins the Compasso d'Oro ADI for the career | Luceplan
https://www.luceplan.com/us/alberto-meda-wins-the-compasso-doro-adi-for-the-career/
Titania | Luceplan (Design Index)
https://www.designindex.org/index/design/titania-luceplan.html
Lola lamp | ADI Design Museum
https://www.adidesignmuseum.org/en/collection/lola-lamp/
Alberto Meda, Tension and Lightness | Triennale Milano
https://triennale.org/en/events/alberto-meda
Light Light Chair | The Museum of Modern Art
https://www.moma.org/collection/works/3745
Soft Light Side Chair | The Museum of Modern Art
https://www.moma.org/collection/works/3748
Long Frame Chaise Longue | The Museum of Modern Art
https://www.moma.org/collection/works/3007
Meda Chair | Brooklyn Museum
https://brooklynmuseum.org/opencollection/print/object/166720
Cufflinks | Victoria and Albert Museum
https://collections.vam.ac.uk/item/O1637978/