Walter Knoll(ウォルター・ノル)

Walter Knollは、ドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州に拠点を置く家具メーカーである。1865年にWilhelm Knollがシュトゥットガルトで開いた革の事業を起源とし、1925年に息子のWalter Knollが独立して現在の社名の会社を設立した。革の加工を基盤とし、1920年代には金属の管を用いた張り地家具を手がけている。1993年よりRolf Benzの傘下にあり、ヘレンベルクとメッツィンゲンで製造を行う。

事業と製造の実体

Walter Knollの製造の基盤にあるのは革の扱いである。同社は革を仕入れて選ぶのではなく、原皮の段階から管理して革を作る構成を採ってきた。牛の育成の段階から傷の有無を管理し、選別した皮のみを用いる。革は個体ごとに厚みと表面の状態が異なるため、裁断の位置と縫製の順序が仕上がりを左右する。

縫製では、革と糸を傷めない仕様の機械が用いられる。革は繊維を断つと裂けやすくなるため、針の太さと送りの調整が耐久性に関わる。

1920年代には、ばねの機構と金属の管による骨組みの体系が開発された。曲げたスチールパイプの骨組みに張り地を組み合わせる構成で、当時の張り地家具が木の枠を前提としていたのに対し、金属の管を用いることで断面を細く保てる。

現在も製造はドイツ国内の二つの拠点で行われ、製品は個別に製作されたうえで検査される。

沿革

革の事業から

1865年、Wilhelm Knollがドイツ・シュトゥットガルトで革の事業を開いた。ヴュルテンベルク王国の御用達となっている。

1925年、創業者の息子Walter Knollが50歳で独立し、Walter Knoll & Co. GmbHを設立した。1920年代には、ばねの機構と金属の管による骨組みの体系を開発している。

近代建築との関わり

1927年、Mies van der Roheが指揮した展示がシュトゥットガルトのヴァイセンホフ・ジードルングで開かれた。Walter Knollは、Mies van der Roheが設計した5戸を含む計9戸の住居に家具を納めている。

息子のHans Knollは1938年に米国へ渡り、当初は父の製品を販売していたが、1939年に自身の事業を始めた。これがのちに米国の家具メーカーKnollとなる。

第二次世界大戦後、ドイツに残ったWalter Knollは近代的な生活に向けた家具を扱い続けた。

資本の移動

1993年、Walter KnollはRolf Benzに買収された。現在はMarkus Benzが経営責任者を務め、ヘレンベルクとメッツィンゲンの拠点で製造を行っている。

デザイナーとの協働

Walter Knollの製品開発は、外部の設計者や建築家との協働によって進む。革と張り地の扱いが自社の基盤にあるため、設計案は素材の性質と縫製の条件を前提として検討される。

1927年のヴァイセンホフ・ジードルングでの仕事を通じて近代建築との関わりが生まれ、以後も建築家との協働が続いている。

主な製品群

ソファと肘掛け椅子が製品の中心にある。FK ラウンジチェアは、器状のシェルを革で包み、三本脚の回転するベースで支える。

このほか、卓、収納、事務空間向けの家具を扱う。1920年代に開発された金属の管による骨組みの体系は、現在の製品にも引き継がれている。

基本情報

ブランド名 Walter Knoll(ウォルター・ノル)
起源 1865年(Wilhelm Knollによる革の事業)
現社名の会社の設立 1925年(Walter Knollによる)
生産拠点 ドイツ・ヘレンベルク、メッツィンゲン
資本関係 1993年よりRolf Benzの傘下
事業内容 家具の設計、製造および販売
公式サイト https://www.walterknoll.de

Reference

Walter Knoll - 公式サイト
http://www.walterknoll.de/en
Wikidata - Walter Knoll
https://www.wikidata.org/wiki/Q30282407