Vladimir Kagan Designs(ウラジミール・カガン・デザインズ)

Vladimir Kagan Designsは、家具設計者Vladimir Kagan(1927年〜2016年)が主宰した米国の家具の事業体である。1947年にニューヨークで工房を開いたことに始まり、1950年にはHugo Dreyfussとの共同経営でKagan-Dreyfussを設立した。直線と直角を避け、連続した曲線で座面と背を構成する家具を手がけている。Kaganの死後も、弟子が設計と製造を担う体制で事業が続いている。

事業と製造の実体

Vladimir Kagan Designsの製品を規定しているのは、曲線で構成された座面の形状である。直線的な骨組みを持たず、座と背が連続して曲がる構成では、内部の枠を曲面に沿って作る必要がある。木の枠を曲線で組み、詰め物の厚みを場所ごとに変え、外皮を曲面に沿って縫製する工程が要る。

サーペンタイン ソファは、平面図で見ると波状に湾曲するソファである。壁に付けず室内の中央に置くことを前提とし、どの方向から見ても背面が生じない。この構成では、枠の曲率と外皮の裁断の展開が製造上の課題になる。

脚部には、細い木の棒を斜めに配する構成や、家具本体を床から浮かせる構成が用いられる。重量のある座部を細い脚で支えるため、接合部の設計が強度を決める。

Kaganは父Illi Kaganの木工房で家具製作を学んでおり、設計と製造の双方を理解する立場から製品を組み立てた。現在も少量の受注生産を基本とする。

沿革

設立

Vladimir Kaganは1927年にドイツのヴォルムスで生まれ、1938年に米国へ移った。コロンビア大学で建築を学んだのち、父Illi Kaganの木工房で家具製作を習得している。

1946年から設計の活動を始め、1947年にニューヨークで自身の工房を開いた。1950年にはHugo Dreyfussとの共同経営でKagan-Dreyfussを設立している。

製品の展開

1950年代から1960年代にかけて、Kaganは曲線で構成された座具を相次いで手がけた。壁に付けずに置くことを前提とする波状のソファ、脚部を細く保った肘掛け椅子などがこの時期にあたる。

Kaganは約70年にわたって設計の活動を続け、2016年に死去した。自伝も著している。

現在

Kaganの弟子であるChris Eitelが設計と製造の責任者を務め、既存の設計の再生産と新作の開発を並行して進めている。2024年には新たな系列が発表された。

デザイナーとの協働

Vladimir Kagan Designsは、外部の設計者へ委嘱する方式を採らず、主宰者が設計と製造の双方に関わる構成にあたる。曲面の枠と外皮の縫製が製品の形をそのまま決めるため、設計者が製造の条件を把握していることが前提になる。

創業から2016年まではVladimir Kagan本人が設計を担い、以後はChris Eitelが引き継いでいる。Eitelは2013年からKaganのもとで技法を学んだ。

主な製品群

サーペンタイン ソファは、平面で波状に湾曲するソファである。室内の中央に置くことを前提とし、背面が生じない構成を採る。

このほか、脚部を細く保った肘掛け椅子、曲線で構成された長椅子、卓を扱う。

Kaganの設計は複数の美術館に収蔵されている。ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館は1953年設計の肘掛け椅子を収蔵番号W.1-1996として所蔵し、シカゴ美術館は1957年ごろの卓を収蔵番号2009.232として所蔵する。

基本情報

ブランド名 Vladimir Kagan Designs(ウラジミール・カガン・デザインズ)
設立 1947年(工房の開設)。1950年にKagan-Dreyfussを設立
主宰者 Vladimir Kagan(1927年〜2016年)
所在地 アメリカ合衆国ニューヨーク
現在の責任者 Chris Eitel(設計・製造)
事業内容 家具の設計、製造および販売
公式サイト https://www.vladimirkagan.com

Reference

Victoria and Albert Museum - Collections API
https://api.vam.ac.uk/v2/objects/search?q=W.1-1996
Art Institute of Chicago - API
https://api.artic.edu/api/v1/artworks/search?q=Kagan
Vladimir Kagan - 公式サイト
https://www.vladimirkagan.com