Poltrona Frau(ポルトローナ・フラウ)

1912年の創業から一世紀を超えて受け継がれる卓越したアルティジャーノの技に裏付けられた、イタリアを代表するラグジュアリーファニチャーブランド、ポルトローナ・フラウ。独特の柔らかさを誇る最高級レザー「ペレ・フラウ」をふんだんに使用し、熟練の職人が一点一点丁寧に仕上げる家具は、まさに「家具芸術」と称されるに相応しい美しさと品格を備えております。イタリア王室御用達の指名を受けた輝かしい歴史を持ち、フェラーリやマセラティといった高級車の内装、航空機のファーストクラスシート、EU議事堂やディズニー・コンサートホールなど世界各国の名高い劇場やホールの内装を手掛け、世界中の幅広い人々から支持を集めております。伝統を大切にしながらも、著名なデザイナーや建築家とのコラボレーションを通じて常に進化を続け、時代を超越した価値を創造し続けているブランドでございます。

ブランドの特徴とコンセプト

最高級レザー「ペレ・フラウ」の芸術性

ポルトローナ・フラウの最大の特徴は、ブランド独自の最高級レザー「Pelle Frau®(ペレ・フラウ)」にございます。イタリア最高の製革所と共同で研究開発センターが開発した10種類のレザーコレクションは、柔らかい仔牛の上質な部分のみを厳選し、独自の染色・鞣しプロセスを経て、手間を惜しまず丹念に加工されます。オーク材の樽の中で天然アニリン染料を使用して染色され、レザーの繊維の厚み全体に染料が吸収されることで、絹のように柔らかく、しなやかで、深みのある色合いが実現されております。

各コレクションは、通気性、摩擦、汚れに対する耐性を保証できる原皮のみを厳選し、厳格な品質検査を経て生まれます。色合いや厚み、質感などから構成される200近い仕上げを組み合わせることで、無限大の表現が可能となっております。また、近年では環境への配慮から「Pelle Frau® Impact Less」を開発し、クロムの代わりに環境負荷の少ない物質を使用し、化学物質の使用を大幅に削減、水使用量を10%削減するなど、サステナビリティにも積極的に取り組んでおります。

伝統と革新の調和

ポルトローナ・フラウには、「チェスター」や「バニティフェア」、「1919」に代表される伝統的なヒストリカルコレクションと、ジオ・ポンティ、ピエール・ルイジ・チェッリ、ジャン・マリー・マッソー、ロベルト・ラッツェローニといった著名なデザイナーや建築家による最新のモダンコレクションが共存しております。創業時から受け継がれてきた職人技の精神を堅持しながらも、時代に合わせた新しいデザインを発表し続けることで、クラシックとモダンの見事な融合を実現しております。

この姿勢は、家族経営ではないにもかかわらず、経営陣が交代してもブレることなく大切な伝統が守られているという点において、特筆すべき企業文化の現れでございます。伝統を大切にしながらも新しいものへ挑戦する、この一貫した哲学こそが、幅広い世代から支持を集め続ける所以となっております。

卓越した職人技「アルティジャーノ」

ポルトローナ・フラウの家具は、今なお一貫してアルティジャーノ(熟練職人)による手作業のスタイルを守り続けております。チェスターソファの象徴的な肘掛のプリーツ部分は、熟練の職人の手でしかつくることができない技術の結晶でございます。手作業で配置されたバイコニカル型スチールスプリング、ゴム加工された馬毛のクッション材、ガチョウの羽毛入りの座面クッションなど、細部に至るまで妥協のない製作工程が施されております。

1986年以来、トレンティーノのラボでは、屈曲測定、力量測定、摩擦測定、人工気候によるテストなど様々な耐久試験が行われ、厳格な品質検査をクリアした製品だけが出荷されます。この徹底したクオリティへのこだわりが、ポルトローナ・フラウの家具を真の芸術品たらしめているのでございます。

ブランドヒストリー

創業からイタリア王室御用達へ

1912年、レンツォ・フラウ(Renzo Frau)によってイタリア北部の都市トリノで創業されたポルトローナ・フラウ。ブランド名は、イタリア語で「ひじ掛け椅子」を意味する「ポルトローナ」と、創業者の名前を組み合わせた「フラウの椅子」を表しております。

レンツォ・フラウは、仕事でイギリスに赴いた際、偶然目にしたアームチェアのモデル「チェスターフィールド」の持つ可能性に一目で気づき、イタリアへの輸入業を開始して成功を収めました。しかし、イタリアのモデルや、フランス、中欧のスタイルにも惹かれた彼は、自らの職人工房の創設を決意いたします。当時のヨーロッパでは格式高いイギリス製の家具が人気でございましたが、イタリア人にとってはどこか古めかしい印象もあったため、イタリアのエレガンスを加えた曲線を取り入れた柔らかい雰囲気のデザインを追求いたしました。

革張りのチェアやソファの製作を中心に展開したフラウの工房は、その卓越した品質で瞬く間に名声を高め、1926年にはサヴォイア家から王室御用達の指名を受けるまでに至りました。同年、創業者レンツォは早世いたしましたが、妻のサヴィーナ(Sabina)が勇気をもって会社を率い、遺された企画資料をもとに製品を作り続け、イタリア国内の豪華客船「レクス」のインテリアを手掛けるなど、会社は着実な成長を遂げてまいりました。1930年代には既にステイタスシンボルとしての地位を確立しておりました。

多様な分野への進出と世界的評価

1980年代、ポルトローナ・フラウは自動車業界への参入という新たな挑戦を開始いたしました。最初に手掛けたランチア・テーマ8.32は、フェラーリ製エンジンを搭載したスペシャリティ・モデルにふさわしい内装として称賛を浴び、以降、フェラーリ、ブガッティ、マセラティ、ランボルギーニ、ポルシェ、アウディなど、世界を代表する高級車ブランドの内装を数多く手掛けております。特にフェラーリのレザー内装は、現在もポルトローナ・フラウが独占的に担当しております。

また、航空業界においても日本航空、シンガポール航空、エティハド航空などの大手航空会社のファーストクラスシート、イタリアの高速列車Italo Trenoのシート、高級ヨットの内装など、移動する輸送機器のシートや内装という分野において、インテリア業界の中でも屈指の実績を誇ります。

さらに、EU議事堂、ブリティッシュ・ミュージアムホール、ディズニー・コンサートホール、イザベラ・スチュワート・ガードナーミュージアムなど、世界各国の数々の劇場やホール、有名ブランドの店舗内装を手掛け、200か国以上で5000以上ものプロジェクトを展開するなど、コントラクト事業においても世界トップクラスのブランドとしての地位を確立しております。

代表的なコレクション

Chester(チェスター)

1912年に創業者レンツォ・フラウによってデザインされた歴史的モデルであり、ブランドのルーツを体現する象徴的な作品でございます。英国・エドワード王朝時代の古典的なチェスターフィールドソファを彷彿とさせながら、イタリアのスタイリッシュなエッセンスが加わることで、100年以上経った今日でも色あせることのない普遍的な美しさを保っております。

手作業で配置されたバイコニカル型スチールスプリングによるスプリング構造、熟成されたブナ材のフレーム、ゴム加工された馬毛のクッション材、ガチョウの羽毛入りの座面クッションなど、伝統的な職人技が随所に施されております。特に肘掛のプリーツ部分は、熟練の職人の手でしかつくることができないポルトローナ・フラウの技術の結晶でございます。現在もマイナーチェンジを重ねながら、様々なシリーズが製造され続けております。

Vanity Fair(バニティフェア)

ポルトローナ・フラウを代表するもう一つのアイコンとして、世界中のインテリアファンから愛されているアームチェアでございます。創業者が残したデッサンを元に1930年から製造が開始され、愛らしいフォルムに最高級の「ペレ・フラウ」をまとった姿は、座り心地も抜群で、使い込むほどに味わいが増してまいります。

長い歴史を持つこのチェアの魅力は、時代とともに進化を続けている点にもございます。3分の2サイズに縮小した「ベイビー・バニティフェア(Baby Vanity Fair)」や、ロベルト・ラッツェローニがリデザインした90周年記念モデルなど、いくつものバリエーションが登場し、それぞれが大いに話題を呼んでおります。いつか手に入れたいと願うインテリアファンが世界中に数多く存在する、真の名作家具でございます。

1919

デザインされた年代から「1919」と呼ばれるこのアームチェアは、実際の資料にはコード「128」として登録されております。ピストイア公フィリベルト・ルドヴィコ・ディ・サヴォイアのために、レンツォ・フラウがオーダーメイドでデザインした作品と伝えられております。

特注作品でありながら、当初からポルトローナ・フラウの一般顧客に最も人気のある家具の一つとなりました。クラシックなベルゲール様式のモデルを再解釈し、背面に使用されたカピトンネにより強い個性を持たせております。もう一つの特徴は、足を伸ばすための特徴的なフットレストと、愛煙家であった公爵が灰皿を置けるよう考案されたアームレストに備わったオプショナルの小さなレクターンでございます。2019年には、ロベルト・ラッツェローニとのコラボレーションにより、オリジナルの精神を維持しながら新しい寸法とプロポーションで再解釈された「2019」が発表されております。

その他の注目作品

ジャン・マリー・マッソーによる「アーチボルド(Archibald)」は、背面全体に張られたレザーが生み出す自然なドレープ感が軽快な動きを出しつつ、ゆったりとした雰囲気を醸し出す人気モデルでございます。ロベルト・ラッツェローニによる「フィデリオ(Fidelio)」シリーズは、意図的に清潔なデザインと貴重な素材を組み合わせ、形式的なシンプルさと洗練された仕上げで多様性のあるコレクションとなっております。

また、近年ではネリ&フーによる「レン(Ren)」コレクションや、ルドヴィカ+ロベルト・パロンバによる「レット・イット・ビー(Let It Be)」など、現代のデザイナーとのコラボレーションによる軽やかでモダンなデザインも積極的に展開しております。伝統的なチェコッティ・コレツィオーニとの協働により誕生した「DUOコレクション」は、イタリアの「Dolce Vita(甘い生活)」からインスパイアされ、人生の喜びとエレガンスを体現した注目のシリーズでございます。

協働デザイナー

Renzo Frau(レンツォ・フラウ)1881-1926

ブランド創業者であり、ポルトローナ・フラウの基礎を築いた人物でございます。イギリスで目にしたアームチェアに可能性を見出し、イタリアのエレガンスを加えた家具の製造を決意いたしました。「チェスター」や「1919」など、今日まで受け継がれる名作を数多く生み出し、イタリア王室御用達の指名を受けるまでに会社を成長させました。1926年に早世いたしましたが、遺された企画資料は今日に至るまでブランドの礎となっております。

Gio Ponti(ジオ・ポンティ)1891-1979

イタリア建築の巨匠として知られるジオ・ポンティは、ポルトローナ・フラウのモダンコレクションに重要な作品を提供しております。1965年にデザインされた歴史的名作チェア「デッザ(Dezza)」は、ポルトローナ・フラウが再編集し、ポンティ自身が友人のためにデザインしたと云われるグラフィック「REDEVANCE」をラグジュアリーなウールサテンのテキスタイルで表現した、快適な座り心地と芸術性を兼ね備えた一脚として現代に蘇りました。

Roberto Lazzeroni(ロベルト・ラッツェローニ)1950-

ピサ生まれの建築家・デザイナーであり、フィレンツェで芸術と建築を学び、1980年代初頭からプロフェッショナルとして活動を開始いたしました。ポルトローナ・フラウとは特に関係が深く、「バニティフェア」の90周年記念モデルや「1919」の再解釈版「2019」、「フィデリオ」シリーズ、「ニヴォラ(Nivola)」、「マルタ(Martha)」、「アイーダ(Aida)」、「ボレロ(Bolero)」など、数多くの重要な作品を手掛けております。チェコッティ・コレツィオーニとの協働による「DUOコレクション」のデザインも担当し、伝統と現代性の見事な融合を実現しております。

その他の著名デザイナー

ピエール・ルイジ・チェッリ(Pierluigi Cerri)による「ウヴェルトゥール(Ouverture)」、ジャン・マリー・マッソー(Jean-Marie Massaud)による「アーチボルド(Archibold)」、ジャンフランコ・フラッティーニ(Gianfranco Frattini)による「キョウト(Kyoto)」など、国際的に活躍する建築家やデザイナーとのコラボレーションを積極的に展開しております。中国を代表する若手デザイン・デュオのネリ&フー(Neri&Hu)による「レン」コレクションや、デンマークとイタリア出身のガム・フラテーシ(Gam Fratesi)による照明「ソフィ(Soffi)」やベッド「クーペ(Coupé)」など、多様な才能との協働により、常に新鮮なデザインを世界に発信し続けております。

基本情報

ブランド名 Poltrona Frau(ポルトローナ・フラウ)
設立 1912年
創業者 Renzo Frau(レンツォ・フラウ)
創業地 イタリア・トリノ
本社所在地 イタリア・トレンティーノ
主要製品 ソファ、アームチェア、テーブル、ベッド、照明、インテリアアクセサリー
主な素材 最高級レザー「Pelle Frau®」、ファブリック、木材、大理石
代表作品 Chester、Vanity Fair、1919、Archibald、Let It Be
日本国内店舗 ポルトローナ・フラウ東京青山、ポルトローナ・フラウ大阪、IDC OTSUKA各店舗ほか
公式サイト https://www.poltronafrau.com/