マルニ木工(Maruni)

マルニ木工は、広島県廿日市市に本社を置く木製家具のメーカーである。1928年、山中武夫が昭和曲木工場として創業した。職人の手による工芸品だった家具の製作を、分業による工業生産へ移すことを方針とし、曲木、人工乾燥、切削の技術を蓄積してきた。2008年から深澤直人との協働による系列を立ち上げ、2010年に同人がアートディレクターへ就いている。

事業と製造の実体

マルニ木工の製造を規定してきたのは、木材の加工技術である。創業時に取り組んだ曲木は、材を蒸して軟化させ型に沿わせる工程で、当時の日本では技術の難度が高かった。創業者は単身でヨーロッパへ渡って家具製作を学び、ドイツ製の機械を輸入して改造している。

戦後には木材の人工乾燥の技術が開発された。無垢材は含水率の変化で伸縮するため、加工前に含水率を下げて安定させる必要がある。この工程が接合部の狂いを抑える条件にあたる。

近年は数値制御による切削が加わった。三次元の形状を削り出せるため、曲木では得られない断面の変化が可能になる。深澤直人との協働による椅子では、部材の断面が場所ごとに変化する形状が用いられ、この工程を前提とする。

1968年には、それまで一品生産だった彫刻を施した家具の工業生産に成功している。彫刻の工程を分業と機械加工へ移す取り組みにあたる。

沿革

曲木の工場として

1928年、山中武夫が広島県廿日市に昭和曲木工場を設立した。宮島で過ごした少年期に木の加工に関心を持ったことが背景にある。1933年には沼田木工所と合併し、マルニ木工株式会社が成立した。

手工業の域を出なかった当時の日本の家具製造に対し、分業による工業生産を目指した点が同社の方針にあたる。

戦後の展開

第二次世界大戦により製造が一時停止したのち、戦後は進駐軍向けの家具製造で技術を養った。高度経済成長期には生産の規模が拡大している。この時期に人工乾燥の技術の研究開発、加工技術の導入、生産方法の改善が進められた。

1968年、彫刻を施した家具の工業生産に成功し、18世紀フランスの様式を基調とする系列が発表された。この系列は長く生産が続いている。

現在

1990年代の経営環境の変化を経て、2008年に深澤直人との協働による系列が立ち上げられた。深澤は2010年にアートディレクターへ就いている。

現在は、この系列に加えて1960年代の設計の再生産を含む複数の製品群を扱う。

デザイナーとの協働

マルニ木工の製品開発は、外部の設計者との協働によって進む。曲木、乾燥、切削という自社の工程が扱える範囲が設計の条件になるため、設計案は加工の可否と並行して検討される。

2008年以降は深澤直人との協働が続き、2010年から同人がアートディレクターを務めている。このほか国内外の設計者との協働も行われている。

主な製品群

ヒロシマ アームチェアは、深澤直人との協働による系列に属する。部材の断面が場所ごとに変化する形状を持ち、数値制御による切削と手作業の仕上げを組み合わせる。

このほか、1968年発表の彫刻を施した系列、1960年代の設計の再生産、椅子、卓、収納を扱う。

基本情報

ブランド名 マルニ木工(Maruni)
創業 1928年(昭和曲木工場として)
創業者 山中武夫
社名の成立 1933年(沼田木工所との合併による)
本社所在地 日本・広島県廿日市市
アートディレクター 深澤直人(2010年〜)
事業内容 木製家具の設計、製造および販売
公式サイト https://www.maruni.com

Reference

マルニ木工 - 公式サイト
http://www.maruni.com/
Wikipedia - マルニ木工
https://ja.wikipedia.org/wiki/マルニ木工