FLEXFORM(フレックスフォルム)
FLEXFORM(フレックスフォルム)は、1959年にイタリア北部ロンバルディア州メーダで創業された、イタリアを代表するラグジュアリーファニチャーブランドです。イタリア家具生産の中心地として名高いブリアンツァ地方に拠点を構え、半世紀以上にわたり「Made in Italy」の精神を貫きながら、世界中のインテリア愛好家から絶大な支持を集めています。
ブランドの根幹を成すのは、イタリアデザイン界の巨匠アントニオ・チッテリオが40年以上にわたって手がけてきた総合監修です。時代の潮流に左右されることなく、タイムレスなエレガンスと比類なき快適さを追求し続けるFLEXFORMの家具は、単なるインテリアの域を超え、現代における上質な生活文化の象徴として世界中で高い評価を得ています。
ブランドヒストリー
創業から現在まで
FLEXFORMの歴史は、1900年代初頭に遡ります。当時、小規模な家族経営の工房として家具製作を行っていた企業が、1959年、ガリンベルティ兄弟によって「Flexform di Galimberti」として正式に創業されました。創業からわずか一年後、工房は工場へと転換し、ブランド名も「FLEXFORM」へと簡略化されます。この決断が、ブランドの国際的な飛躍の礎となりました。
FLEXFORMが拠点を置くブリアンツァ地方は、カッシーナ、B&B Italia、ミノッティなど、世界的に著名なイタリア家具ブランドが集積する地域として知られています。この地で培われた伝統的な職人技術と革新的なデザイン思想の融合が、FLEXFORMの揺るぎない品質を支えています。
アントニオ・チッテリオとの邂逅
1970年代、若き建築家アントニオ・チッテリオとの協働が始まります。この出会いは、FLEXFORMの歴史において最も重要な転換点となりました。チッテリオは、ブランドのアイデンティティとなる企業CI、そしてプロダクトデザインのほぼすべてを手がけ、FLEXFORMを国際的な名声へと導きました。40年以上にわたる協働は、デザイン界においても稀有な関係性であり、一貫した美学と哲学を確立することで、ブランドに揺るぎない価値をもたらしました。
チッテリオの監修のもと、FLEXFORMは節度あるエレガンス、快適さ、そしてタイムレスな美しさという共通言語を発展させてきました。トレンドに追随するのではなく、静かな一貫性を保ち続けることで、時代を超越した普遍的な価値を体現しています。
デザイナーズコレクションの展開
2001年、FLEXFORMはアメリカ人デザイナー、ジョン・ハットンとの協働により「MOOD Collection」を発表しました。イタリアの伝統的な意匠を取り入れながら、モダンでより洗練されたラグジュアリーな雰囲気を醸し出すこのコレクションは、再構築されたクラシカルなスタイルが現代のライフスタイルにも馴染む新たな境地を切り開きました。その後、カルロ・コロンボ、ロベルト・ラッツェローニらも参加し、コレクションの幅をさらに広げています。
また、FLEXFORMは過去の名作を現代に蘇らせることにも積極的です。2023年には、チッテリオが1980年代にデザインした名作ソファ「MAX」を、40年の時を経て「SUPERMAX」としてリクリエイト。現代風なアレンジが加えられ、屋外用としても展開されるなど、伝統と革新の融合を体現しています。
ブランドの特徴とデザインフィロソフィー
タイムレスなエレガンスの追求
「Timeless Style, Contemporary Design」——このフィロソフィーこそが、FLEXFORMのデザインを貫く精神です。時代に左右されず、常に現代的でありながら、エレガントで快適な家具を創造すること。それは単なる流行を追うのではなく、本質的な美しさと機能性を追求することを意味します。
FLEXFORMの製品は、クリーンなラインと洗練されたフォルムを特徴としています。しかし、その美しさは決して冷たいミニマリズムではありません。むしろ、人間工学に基づいた快適性と、視覚的な軽やかさが絶妙なバランスで調和しています。ソファやチェアは、座る人を優しく包み込むような造形でありながら、空間に浮遊するような軽快な印象を与えます。
比類なき快適性の実現
FLEXFORMの家具が世界中で愛される最大の理由は、その卓越した快適性にあります。世界でも限られたメーカーしか製造できないモールドウレタンの採用、厳選された上質なダウン素材、そして熟練職人による精緻な縫製技術——これらすべてが一体となって、比類なき座り心地を実現しています。
特筆すべきは、約300種類にも及ぶカバーリングシステムです。ファブリック、レザーともに最高級の素材が用意され、カバーの取り外しや交換も容易に行えるよう設計されています。この高度な縫製技術は、本体に被せた際の美観の良さと実用性を両立させており、世界中から高い評価を得ています。
100% Made in Italy へのこだわり
FLEXFORMは、創業以来、徹底した「Made in Italy」を貫いています。企画、デザイン、製造のすべての工程がイタリア国内、特にメーダの自社工場で行われており、熟練職人たちの手によって一つひとつ丁寧に作り上げられています。
この一貫したものづくりへのこだわりは、単なる産地表示ではありません。イタリアの伝統的な職人文化と最先端の製造技術を融合させることで、世界最高峰の品質と耐久性を実現しているのです。FLEXFORMの家具は、適切なメンテナンスを施すことで何世代にもわたって受け継がれる、真の意味での「一生もの」となります。
代表的なコレクションとプロダクト
Groundpiece
2001年に発表された「Groundpiece」は、FLEXFORMを代表する名作ソファです。アントニオ・チッテリオが日常生活を観察することから着想を得たこのソファは、「ソファは座るためだけのものではなく、読書、リラックス、時には仕事をする場でもある」という洞察に基づいています。
通常のソファよりも低く、深い座面を持つGroundpieceは、より非形式的で自由な姿勢を可能にします。その革新的なプロポーションと卓越した快適性により、発表以来、世界中で最も人気の高いソファの一つとなっています。
Gregory
「Gregory」は、レザーストラップを特徴とする、FLEXFORMの職人技術と品質を視覚的に表現したソファです。技術的精密さと素材への繊細な配慮が絶妙にバランスされたこのデザインは、チッテリオの真骨頂とも言える作品です。背面のレザーのイントレチャート(編み込み)は、見逃されがちなソファのバックスタイルを非常に美しいデザインに昇華させています。
Wing
クリーンなラインと低く深いベースを特徴とする「Wing」は、最高級のインテリアプロジェクトにふさわしい、軽やかで洗練された中心的存在です。モジュラーシステムとしても展開されており、空間に応じた自由な構成が可能です。その軽快さと優雅さは、乱雑さのない洗練された空間に理想的な調和をもたらします。
Cestone
2008年にアントニオ・チッテリオによってデザインされた「Cestone」は、ふっくらとしたボリューム感と柔らかなフォルムが特徴的なソファです。名前の「Cestone(大きなバスケット)」が示すように、座る人を優しく包み込むような造形は、まさにFLEXFORMが追求する快適さの象徴と言えるでしょう。
LIFESTEEL
2006年にデザインされた「LIFESTEEL」は、細い脚部とふっくらとしたクッションという一見アンバランスなフォルムによって、エレガンスとスタイリッシュさを併せ持つテーブルシリーズです。多目的に使用できるコーヒーテーブルやダイニングテーブルなど幅広く展開され、FLEXFORMの全コレクションのベースとなっている「良質なデザイン」を忠実に表現しています。
Atlante アウトドアコレクション
FLEXFORMのアウトドアコレクションは、インドアコレクションと同じく時代にとらわれないエレガンスと比類のない快適さを保ちながら、屋外使用に適した技術と素材によって耐久性を備えたシリーズです。鋳造アルミニウムの脚部はエポキシ樹脂粉体塗装仕上げが施され、屋外でも存在感を示します。アウトドアリビングという新しいライフスタイルを提案しています。
Loungescape
2025年のミラノサローネでデビューした最新作「Loungescape」は、曲線的なシルエットとラクシュアリーな存在感を持つシーティングシステムです。特徴的な傾斜したベースが軽やかさとモダニティを与え、まるで空間に浮遊しているかのような印象を創出します。スタンドアロンのソファとしても、モジュラーでカスタマイズ可能なシーティングシステムとしても機能し、ホスピタリティと可能性を同時に表現しています。
MOOD Collection
2001年にアメリカ人デザイナー、ジョン・ハットンによって創造された「MOOD Collection」は、FLEXFORMの高品質とエレガンスを保ちながら、ディテール、ファブリック、カラーに細心の注意を払ったレトロ調のコレクションです。ホテルのロビーから世界中のペントハウスまで、多様な空間に調和する普遍性を備えています。
主なデザイナー
Antonio Citterio(アントニオ・チッテリオ)
1950年、イタリア・メーダ生まれ。1972年に自身のデザインスタジオを開設し、1975年にミラノ工科大学で建築学の学位を取得。1987年から1996年まではテリー・ドワンとパートナーシップを組み、ヨーロッパと日本で建築プロジェクトを手がけました。2000年には、パトリシア・ヴィエルとともに国際的な建築・インテリアデザインスタジオを設立しています。
FLEXFORMとは1970年代から40年以上にわたる協働を続けており、ブランドの総合監修を務めています。また、B&B Italia、Kartell、Vitra、Maxaltoなど、多数の著名ブランドとも協働し、イタリアデザイン界を代表する巨匠として世界的な名声を確立しています。1987年と1994年には、イタリアデザイン界最高の栄誉であるコンパッソ・ドーロ賞を受賞。2008年には英国王立芸術協会より「Royal Designer for Industry」の称号を授与されました。2006年から2016年まで、スイスのメンドリシオ建築アカデミーで建築デザインの教授も務めています。
チッテリオのデザイン哲学は明確です。「世界に必要なのは、より多くのオブジェクトではなく、より優れたオブジェクトです。優れたとは、人々の生活を意識し、長く使われることを意図して、丁寧にデザインされたものを意味します」。この信念のもと、彼は認知やスタイルではなく、一貫性を通じて記憶される作品を創造し続けています。
Joe Colombo(ジョエ・コロンボ)
イタリアを代表するデザイナーの一人であるジョエ・コロンボは、FLEXFORMのために1969年に「Tube lounge chair」をデザインしました。この革新的なチェアは、現在ニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久コレクションに収蔵されており、20世紀デザイン史における重要な作品として評価されています。
Cini Boeri(チニ・ボエリ)
イタリアの女性建築家・デザイナーであるチニ・ボエリも、FLEXFORMの歴史において重要な役割を果たしたデザイナーの一人です。建築とインテリアデザインの境界を越えた彼女の作品は、FLEXFORMのコレクションに独自の視点をもたらしました。
John Hutton(ジョン・ハットン)
アメリカ人デザイナーのジョン・ハットンは、2001年に「MOOD Collection」のアートディレクションを担当しました。イタリアの伝統的意匠とモダンな感性を融合させた彼のビジョンは、FLEXFORMに新たな次元を加えました。2005年まで活躍し、その後はカルロ・コロンボ、そしてロベルト・ラッツェローニへとバトンが受け継がれています。
グローバル展開とフラッグシップストア
FLEXFORMは世界各地に展開しており、東京・南青山には世界最大規模のグローバルフラッグシップストア「FLEXFORM TOKYO」が位置しています。このショールームは、アントニオ・チッテリオ自らがデザインを手がけたもので、光が降り注ぐ空間にブランドのフィロソフィーを体現しています。フルラインのコレクションが展示され、音や香りの演出も加えられた空間では、FLEXFORMのタイムレスでコンテンポラリーな世界観を存分に体感することができます。
毎年ミラノサローネで発表される新作コレクションは、同年10月より世界各地のショールームで展示・販売が開始されます。この一貫したグローバル戦略により、FLEXFORMは世界中のインテリア愛好家に最新のデザインを届け続けています。
受賞歴と評価
FLEXFORMは、その卓越した品質とデザインにより、数々の国際的な賞を受賞してきました。特にアントニオ・チッテリオのデザインによる作品は、世界中のデザイン賞で高く評価されています。
また、世界中の一流ホテル、高級住宅、オフィス、公共施設などで採用されており、プロフェッショナルからも絶大な信頼を得ています。その存在は、単なる家具ブランドを超え、現代における上質なライフスタイルの象徴として認識されています。
国際的なデザイン誌やライフスタイル誌でも頻繁に取り上げられ、「イタリアンモダンの最高峰」「ラグジュアリーファニチャーの代名詞」として、常に高い評価を受け続けています。
基本情報
| ブランド名 | FLEXFORM(フレックスフォルム) |
|---|---|
| 設立 | 1959年 |
| 創業者 | Galimberti Brothers(ガリンベルティ兄弟) |
| 本社所在地 | イタリア・ロンバルディア州メーダ(Meda, Brianza) |
| 総合監修 | Antonio Citterio(アントニオ・チッテリオ) |
| 特徴 | 100% Made in Italy、タイムレスエレガンス、最高級の快適性 |
| 主な製品カテゴリー | ソファ、アームチェア、テーブル、ベッド、アウトドアファニチャー |
| 日本国内フラッグシップストア | FLEXFORM TOKYO(東京都港区南青山6-4-10) |
| 公式サイト | https://www.flexform.it/ / https://www.flexform.jp/ |