Fiskars(フィスカース)
Fiskarsは、フィンランドの生活用品企業である。1649年、スウェーデン王国の統治下にあったフィスカルス村で製鉄所として操業を始めた。19世紀に刃物と農具の製造へ移り、1967年に発表した樹脂の柄を持つ鋏によって現在の主力製品の形式が定まった。現在はFiskars Groupとしてヘルシンキ証券取引所に上場し、Iittala、Georg Jensen、Royal Copenhagen、Wedgwoodなど複数のブランドを傘下に持つ。
事業と製造の実体
Fiskarsの事業は、自社ブランドの生活用品と、取得した各ブランドの運営に分かれる。前者では園芸具、刃物、調理具を扱い、後者にはガラス、陶磁器、銀器のブランドが含まれる。
製造技術の性格を定めているのは、金属と樹脂を組み合わせる構成である。フィスカース クラシック はさみは、刃をステンレス鋼、柄をABS樹脂とし、両者を一体で組む。それまでの鋏は金属の輪を柄としており、握った際に手に食い込む形状だった。樹脂の射出成形を用いることで、手の形に沿った柄を刃と別素材で作れるようになった経緯にあたる。
柄の色は、当時工場で使われていた樹脂の色に由来する。試作の段階で複数の色が検討され、社内の投票によって決められたと同社は説明している。
園芸具では、梃子の比を変えて必要な力を減らす機構が用いられる。刃の形状と支点の位置が切断に要する力を規定するため、機構の設計が製品の性能そのものになる。
沿革
製鉄所として
1649年、オランダ出身の商人Peter Thorwösteがスウェーデン王国から特権を得て、フィスカルス村に製鉄所を設けた。当初は鉄の精錬と、釘、線材、刃物などの製造を行っている。
19世紀に入り、事業は刃物と農具の製造へ移った。1832年にはフィンランドで最初の刃物の工房が設けられている。
樹脂の柄を持つ鋏
1967年、Olof Bäckströmが設計した鋏が発表された。刃をステンレス鋼、柄をABS樹脂とし、握りの形状を手に合わせた構成である。以後この形式が同社の主力製品となり、園芸具や調理具にも同じ考え方が適用された。
ブランドの取得
Fiskarsは20世紀後半以降、生活用品の分野で複数のブランドを取得した。2007年にIittala Group、2015年にRoyal CopenhagenとWedgwoodを含むグループ、2023年12月にGeorg Jensenを傘下に加えている。
現在はFiskars Groupとしてヘルシンキ証券取引所に上場し、園芸具・刃物を扱う自社ブランドと、食器・室内用品の各ブランドを運営している。
デザイナーとの協働
Fiskarsの自社ブランドの製品開発は、手に触れる部分の形状を検討することを軸に進む。柄の断面や握りの角度が使用時の負担を決めるため、設計は素材と成形の条件を前提として行われる。
1967年の鋏を手がけたOlof Bäckströmが、この方式の起点にあたる。傘下のブランドではそれぞれ別の設計者との協働が行われている。
Olof Bäckströmの設計思想や経歴について詳しくはOlof Bäckströmプロフィールページをご覧ください。
主な製品群
フィスカース クラシック はさみは1967年設計の鋏である。ステンレス鋼の刃とABS樹脂の柄を組み合わせ、握りの形状を手に沿わせる構成を採る。
このほか、園芸具、斧、調理具、刃物を扱う。傘下のブランドではガラス、陶磁器、銀器の製品が扱われる。
基本情報
| ブランド名 | Fiskars(フィスカース) |
|---|---|
| 創業 | 1649年(製鉄所として) |
| 創業者 | Peter Thorwöste |
| 創業地 | フィンランド・フィスカルス村 |
| 本社所在地 | フィンランド・ヘルシンキ |
| 企業形態 | 上場企業(ヘルシンキ証券取引所) |
| 傘下ブランド | Iittala、Georg Jensen、Royal Copenhagen、Wedgwood ほか |
| 事業内容 | 園芸具・刃物・調理具・食器・室内用品の製造および販売 |
| 公式サイト | https://www.fiskars.com |
Reference
- Fiskars Group - 公式サイト
- https://fiskarsgroup.com/
- Wikipedia - Fiskars
- https://en.wikipedia.org/wiki/Fiskars