Danese Milano(ダネーゼ・ミラノ)
Danese Milanoは、イタリア・ミラノの生活用品メーカーである。1957年、Bruno DaneseとJacqueline Vodozがミラノのサン・フェデーレ広場に展示場を構えて設立した。当初は一点物と美術作品を扱う工房として始まり、Bruno MunariとEnzo Mariとの協働を通じて量産へ移行している。文房具、器、玩具、照明といった日用の品目を扱い、包装の設計まで一貫して手がける方針を採った。1991年に事業が売却され、現在はCarlotta de Bevilacquaが商標を保有する。
事業と製造の実体
Danese Milanoの製品開発は、量産の工程と美術の領域を接続する構成を採ってきた。展示場はサン・フェデーレ広場に置かれ、店舗であると同時に展示の場としても機能した。扱う製品が商品としてだけでなく、造形の提案としても示される構成にあたる。
素材と工程は品目ごとに異なる。創業期にはFranco Meneguzzoによる陶磁器の製造が事業に含まれており、これは後に社内へ取り込まれた。Enzo Mariのエンツォ・マーリ 16アニマリは木の板を切り抜いて16の動物を作る製品で、切り抜いた各片が隙間なく元の矩形に収まる。切断の線が製品の全体を規定するため、図案の段階で加工の可否が決まる構成にあたる。
フォルモーザ 万年カレンダーは、金属の板に日付と曜日の札を掛ける万年暦である。札を差し替えることで年をまたいで使えるため、印刷物としての暦とは異なる構成を採る。書体と配置の設計が製品の性能そのものになる。
包装も製品の一部として設計された。同社は創業期からこの点に注意を払い、開封の手順や収納の形まで含めて検討している。
沿革
設立
1955年、Bruno DaneseはFranco Meneguzzoとともに陶磁器を扱う事業を始めた。1957年、DaneseはJacqueline Vodozとともに自身の名を冠した会社を設立し、ミラノのサン・フェデーレ広場に展示場を構えている。Meneguzzoとの協働は1961年まで続き、陶磁器の製造は後に同社へ取り込まれた。
Vodozは1921年ミラノ生まれで、1950年代前半から報道写真の分野で活動していた人物にあたる。会社の設立後も撮影の仕事を続けながら、製品開発に関わっている。
MunariとMariとの協働
1958年、Bruno Munari(1907年〜1998年)との協働が始まった。続いてMunariの紹介によりEnzo Mari(1932年〜2020年)が加わり、両者が同社の製品の中心を担うことになる。工房での一点物の製作から量産へ移行したのは、この協働を契機とする。
この時期の製品には、Munariによる文具の一群(1958年)、額(1961年)、化学繊維の管を用いた照明(1964年)、Mariによるフォルモーザ 万年カレンダー(1963年)、Angelo Mangiarottiによる灰皿(1964年)などがある。1957年に始まった一連の製品は、限られた層向けではなく広く行き渡ることを前提として設計された。
MunariとMari以外にも、Giovanni Belgrano、Gruppo IARD、Angelo Mangiarotti、Michel Fadat、Achille Castiglioni、Marco Ferreri、Kuno Preyらとの協働が行われている。
売却と現在
1991年5月、Bruno DaneseとJacqueline Vodozは30年余りの事業を終え、多国籍企業Strafor-Facomへ事業を譲渡した。その後、商標はCarlotta de Bevilacquaが取得している。
Vodozは2005年に死去した。二人が1957年以降に集めた作品、資料、写真は、両名の名を冠した財団が保管している。
デザイナーとの協働
Danese Milanoの製品開発は、外部の設計者との協働を軸とする。設計者が持ち込む案を製品化するだけでなく、展示、印刷物、書籍といった活動も同じ枠組みのなかで行われた点に特徴がある。設計者は製品の造形に加えて、それをどう見せるかの部分にも関与した。
20世紀の中心となったのはBruno MunariとEnzo Mariで、両者は創業まもない時期から関わっている。このほかAngelo Mangiarotti、Achille Castiglioni、Marco Ferreriらとの協働がある。
Enzo Mariの設計思想や経歴について詳しくはEnzo Mariプロフィールページをご覧ください。
主な製品群
Enzo Mariの設計では、エンツォ・マーリ 16アニマリがある。木の板から16の動物を切り抜く構成で、各片が隙間なく元の矩形に収まる。フォルモーザ 万年カレンダーは、札を差し替えて用いる壁掛けの万年暦にあたる。
Bruno Munariの設計では、文具の一群、額、化学繊維の管を用いた照明などがある。いずれも日用の品目を対象としながら、既存の形式とは異なる構成を採る。
現在は、これらの設計の生産と、照明を含む製品群の展開が行われている。
基本情報
| ブランド名 | Danese Milano(ダネーゼ・ミラノ) |
|---|---|
| 設立 | 1957年 |
| 創業者 | Bruno Danese、Jacqueline Vodoz(1921年〜2005年) |
| 所在地 | イタリア・ミラノ |
| 資本関係 | 1991年5月にStrafor-Facomへ譲渡。その後Carlotta de Bevilacquaが商標を取得 |
| 事業内容 | 生活用品・文具・照明の企画、製造および販売 |
| 公式サイト | https://www.danesemilano.com |
Reference
- Danese Milano - History 1957-1969
- https://www.danesemilano.com/en/history_1957_1969
- Fondazione Jacqueline Vodoz e Bruno Danese - La fondazione
- https://www.fondazionevodozdanese.org/eng/la-fondazione/
- designindex - Danese Milano
- https://www.designindex.org/companies/design/danese-milano.html