概要
フィスカース クラシック はさみは、オロフ・ベックストロームが設計し、1967年にフィスカースが発売したはさみである。プラスチックのハンドルを持つはさみとして早い例にあたる。オレンジ色のハンドルとステンレス鋼の刃で構成される。
特徴・コンセプト
ハンドルを樹脂にする
それまでのはさみは、刃とハンドルを一続きの金属でつくるものが多かった。金属のハンドルは指に当たる面が硬く、開口部の形も打ち抜きや鍛造で決まる範囲に限られる。
ハンドルを樹脂の成形に切り替えると、指の形に沿う断面を自由に取れる。軽くもなる。刃はステンレス鋼、ハンドルは硬質の樹脂という組み合わせで、部位ごとに必要な性質を割り当てている。
左右で形を変える
ハンドルの二つの開口は同じ形ではない。親指を入れる側と、残りの指をまとめて入れる側とでは、必要な大きさも当たる位置も違う。ベックストロームは手の動きを調べ、非対称の形にたどり着いた。右利き用と左利き用が用意される。
刃の研ぎ
刃には複数回の研磨が施され、刃先まで均一に切れるよう角度が調整される。ヨーロッパ向けのクラシックはさみは、現在もフィンランドのビルネス工場で製造されている。
エピソード
オレンジ色は当初から意図されたものではない。同じ工場で製造していたジューサーの成形に使ったオレンジの樹脂が残っており、それで試作されたことによる。最終的な色は社内の投票で決められた。この色は後にフィスカースを示す色となり、2003年にフィンランドで商標として登録されている。
評価と影響
ハンドルの形を樹脂の成形で決めるという方法は、以後の道具に広く用いられた。発売後も、ハンドル間の突起を取り除くなど細部の変更が重ねられている。
美術館コレクション
ニューヨーク近代美術館は、プラスチックとステンレス鋼によるはさみを収蔵番号306.1977で登録している(グレタ・ダニエル基金による取得。同館は設計期間を1960〜1967年とし、収蔵品は1976年製、寸法21.6×7×2.5cmと記録している)。
オロフ・ベックストロームの設計思想や経歴について詳しくはオロフ・ベックストロームプロフィールページをご覧ください。
フィスカースの歴史や他の製品について詳しくはフィスカースブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | フィスカース クラシック はさみ / Fiskars Classic Scissors |
|---|---|
| デザイナー | オロフ・ベックストローム(Olof Bäckström) |
| ブランド | フィスカース(Fiskars) |
| 発表年 | 1967年(美術館の記録では設計期間1960〜1967年) |
| デザインの成立国 | フィンランド |
| 分類 | はさみ |
| 主要素材 | 刃:ステンレス鋼/ハンドル:硬質プラスチック |
| 構造 | 二つの開口を非対称にし、親指側と他の指側で形を変える |
| 展開 | 右利き用/左利き用 |
| カラー | オレンジ(2003年にフィンランドで商標登録) |
| 収蔵 | ニューヨーク近代美術館(306.1977) |
Reference
- Scissors | MoMA
- https://www.moma.org/collection/works/3250
- Classic Scissors | Fiskars
- https://www.fiskars.com/en/products/scissors