フィスカース クラシック はさみは、フィンランドのデザイナー、オロフ・ベックストローム(Olof Bäckström)が手がけた、世界初のプラスチックハンドルのはさみである。1967年にフィスカース社から発売され、鮮やかなオレンジ色のハンドルは半世紀以上を経た今日も世界中で親しまれている。ニューヨーク近代美術館(MoMA)のパーマネントコレクションにも収蔵されており、20世紀の工業製品デザインを代表する日用品のひとつとして知られる。

特徴・コンセプト

本製品の革新は、それまで金属製が主流であったはさみのハンドルにプラスチックを採用した点にある。軽量で扱いやすく、人間工学に基づいて設計された非対称形状のハンドルは、指それぞれに合わせた開口部を持ち、自然な握り心地と精密な操作性を両立している。ベックストロームは手の動きを研究し、手に馴染む曲線的なハンドル形状を導き出した。右利き用・左利き用の両モデルが用意されている。

象徴的なオレンジ色は、当初から意図された色ではなかった。同じ工場で製造されていたジューサーの成形に使われたオレンジ色のプラスチックが残っており、それを用いて試作されたことがきっかけである。最終的な色は社内投票で決められ、オレンジが選ばれた。この色は後にフィスカース社のブランドを象徴する色となり、2003年にはフィンランドで商標として登録された。

素材と構造

ブレードにはステンレススチールが使用され、鋭い切れ味と耐久性を実現している。刃には複数回の研磨が施され、刃先まで均一に切れるよう刃の角度が調整されている。ハンドルには硬質のプラスチックが用いられ、ブレードとの接合部は長年の使用に耐える構造となっている。ヨーロッパ向けのクラシックはさみは、現在もフィンランドのビルネス(Billnäs)工場で製造され、一挺ずつ手作業で検品されている。

人間工学的デザイン

ベックストロームは、量産される日用品において握りやすさと操作性を追求し、複数の試作を経て非対称のハンドル形状に到達した。曲線的なハンドルは手に馴染み、精密な制御を可能にする。ハンドル間の突起を取り除くなど、発売後も細部の改良が重ねられている。

基本情報

名称 フィスカース クラシック はさみ(Fiskars Classic Scissors)
デザイナー オロフ・ベックストローム(Olof Bäckström)
発表年 1967年
メーカー フィスカース(Fiskars)
原産国 フィンランド
素材 ブレード:ステンレススチール / ハンドル:プラスチック
カラー オレンジ(Fiskars Orange/2003年フィンランドで商標登録)
サイズ展開 全長約21cm(8インチ)ほか各種
収蔵 ニューヨーク近代美術館(MoMA)パーマネントコレクション