概要
Kvadrat / Raf Simons Cushion は、テキスタイルメーカーのクヴァドラとファッションデザイナーのラフ・シモンズによる協業から生まれたクッションのコレクションである。2014年に始まった。衣服用の生地の色と質感を、家具用の生地として展開している。
2011年、シモンズは家具用のテキスタイルを衣服に用いた。家具用の生地は摩耗に耐える必要があるため密度が高く、衣服用より厚みと重さがある。この経緯を経て、2014年に協業のブランドが立ち上げられた。
特徴・コンセプト
衣服用の生地は身体に沿って垂れる必要があるため、密度を抑えて柔らかく織る。家具用では摩耗と荷重に耐えるため密度を上げる。ツイードやブークレの糸の組み合わせを保ったまま織りの密度だけを変えることで、色と質感を移している。
代表的なファブリック
「Atom」はブークレの生地である。ブークレは糸に輪状の撚りを加えるため、表面に粒が並ぶ。異なる色の糸を混ぜて織れば、粒ごとに色が分かれて点の集まりとして見える。染めた一色の生地とは異なり、距離によって色の見え方が変わる。
「Helia」は毛皮の質感を織物で構成したものである。糸を染めてから織ることで、一本ごとに色が異なり、混ざった色として現れる。織ってから染める方法では全体が均一な色になる。
「Silas」は毛とナイロンによる。仕上げの工程で表面を起毛させ、厚みを持たせている。
サイズ展開と構成
クッションは主に45×45cmの標準サイズで展開され、インテリアスキームの最終的なディテールとして、色彩、織り、テクスチャーの多様な組み合わせを可能にしている。慎重に編集されたコレクションは、補完的なテキスタイルの幅広いバリエーションを提供し、空間に洗練された表現力をもたらす。
コラボレーションの発展
2014年の第一弾コレクション以降、Kvadrat/Raf Simonsは年々進化を続けている。初期のコレクションは、ジャン・ロワイエ、ピエール・ジャンヌレ、フィン・ユール、ハンス・ウェグナーといった20世紀中期のモダン家具デザイナーたちから着想を得ていた。
2015年の第二弾では、ツイル織りという通常は頑丈な生地に使用される織り方を導入し、クッションとスローのラインナップを拡充した。2016年の第三弾は、モダニスト家具、ポップアート、現代アート、ファッションテキスタイル、音楽といった多様な要素から影響を受け、コバルトブルー、レモンイエロー、パウダーピンク、ブライトレッドといった鮮やかな色彩が特徴的だった。
2019年のミラノデザインウィークで発表された第六弾「No Man's Land」では、ジャン・プルーヴェのプレハブ建築内に、花々に囲まれた幻想的な空間を創出し、内と外の境界を遊び心豊かに探求した。最新の2020年コレクションでは、オートクチュールのファーや豪華なニットにフォーカスし、触感と表面の要素を強調した、より家庭的で心地よいテキスタイルを提案している。
評価と影響
糸の色を混ぜて面の色をつくる方法は、染料で面を染める方法とは異なる。混ぜる比率で色が決まるため、同じ糸の組み合わせから複数の色調が得られる。
密度の高い織りでは糸が詰まるため、混ざった色が細かい粒として現れる。密度が低い織りでは糸の一本ずつが判別しやすい。家具用の密度が、色の見え方を変えている。
複数の家具メーカーが復刻製品の張り地に採用している。素材の色を用いるウェルビーイング クッションや、印刷で色を与えるマリメッコ ウニッコ クッションとは、色をどこから得るかが異なる。本コレクションの美術館収蔵は、公開情報の範囲では確認できていない。
持続可能性への取り組み
クヴァドラはイギリス、ノルウェー、オランダに自社の織物工場を持つ。製品の多くに10年の保証を設けている。
ラフ・シモンズの設計思想や経歴について詳しくはラフ・シモンズプロフィールページをご覧ください。
クヴァドラの歴史や他の製品について詳しくはクヴァドラブランドページをご覧ください。
基本情報
| デザイナー | ラフ・シモンズ(Raf Simons) |
|---|---|
| ブランド | Kvadrat(クヴァドラ) |
| コラボレーション開始年 | 2014年 |
| 原産国 | デンマーク |
| 主な素材 | 新毛(ウール)、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビスコース |
| 代表的なファブリック | Atom、Helia、Silas、Sunniva 3 |
| サイズ | 45×45cm(標準)、その他複数サイズ展開 |
| 価格帯 | 約246~593 USD |
| お手入れ方法 | ドライクリーニング推奨 |