概要
BeoSound 9000は、1996年にデンマークのBang & Olufsenが発売したCDプレーヤーである。デイビッド・ルイスが設計した。6枚のCDを一列に並べ、電動のガラス扉越しに機構が見える構成をとる。
製造はMK I〜MK IIIへと改良を重ねながら2011年まで続けられ、壁掛け(縦・横)、専用スタンド、平置きなど複数の方法で設置できる点も特徴であった。
デザインと設置
CDを重ねて収める方式では、内部に何が入っているか外から分からない。一列に並べてガラス越しに見せれば、ジャケットがそのまま選択の手がかりになる。収納と表示を同じ面で兼ねる構成にあたる。
本体はスモークガラスの扉と切削したアルミニウムによる。縦置きと横置きの両方に対応するため、ロゴのプレートは回転式で向きを合わせられる。操作パネルはマグネット固定で、180度回転させると表示も反転する。再生したCDは挿入時の向きに戻されるため、ジャケットの文字が常に同じ向きに揃う。
機構と安全設計
CD間を移動するクランパーは高速で動作する。移動に時間がかかれば曲間に無音の間隔が生じるが、十分に速ければ通常の曲間と区別がつかない。
可動部が露出するため、安全のための機構を備える。フレーム両端のレンズが前面に赤外線を張り、遮られるとクランパーが停止する。扉を開けた状態では移動速度が落ちる。電動扉は、縦置きでは重力が動作を助け横置きでは働かないため、いずれの向きでも3.5〜4秒に揃うよう制御される。
評価と影響
iFデザイン賞を受賞している。機構を見せる構成は、同じB&Oのベオグラム4000 レコードプレーヤーがトーンアームの動きを透明な蓋越しに見せるのと同じ方向にある。あちらは1枚の盤を扱うのに対し、こちらは6枚の切り替えを見せる。
現代への継承
2024年、Bang & Olufsenは「Recreated Classics(リクリエイテッド・クラシックス)」プログラムの第2弾として、Beosystem 9000cを発表した(第1弾は2020年のBeogram 4000c)。これは中古のBeoSound 9000を200台調達し、デンマーク・ストルーアの工場で分解・整備のうえ再構築したもので、当時の製造に携わった技術者が当時の作業台を用いて作業にあたった。
オリジナルの黒とアルミニウムの仕上げを反転させ、無線接続の機能を加えたうえで、スピーカーと組み合わせたシステムとして提供された。世界限定200台。
デイヴィッド・ルイスの設計思想や経歴について詳しくはデイヴィッド・ルイスプロフィールページをご覧ください。
バング&オルフセンの歴史や他の製品について詳しくはバング&オルフセンブランドページをご覧ください。
基本情報
| 製品名 | BeoSound 9000 |
|---|---|
| メーカー | Bang & Olufsen |
| デザイナー | デイビッド・ルイス(David Lewis) |
| 発売年 | 1996年 |
| 製造期間 | 1996年〜2011年(MK I〜MK III) |
| 製造国 | デンマーク |
| 寸法 | W900 × H70 × D300 mm |
| 重量 | 11.5 kg |
| 仕上げ | ブラック/アルミニウム、ブラック/ホワイト(1500台限定) |
| CD容量 | 6枚 |
| ラジオ | FM/AM(60局プリセット、RDS対応) |
| 消費電力 | 通常12W、スタンバイ時1.2W以下 |
| 接続端子 | Power Link、AUX、MasterLink、デジタル出力(S/PDIF)、ヘッドフォン |
| 主な受賞歴 | iFデザイン賞 |
| 参考価格(1996年発売時) | 5,650マルク(ドイツ) |