概要

リュクサンブール チェアは、フレデリック・ソフィアが2004年にフェルモブのために設計した屋外用の椅子である。パリのリュクサンブール公園で用いられてきた金属製の椅子を下敷きに、アルミニウムへ素材を置き換え、積み重ねができるようにした。現在もパリの公園に納入されている。

特徴・コンセプト

アルミニウムへの置き換え

原型の椅子はスチール製であった。フレームを押出成形のアルミニウムに替えることで、強度を保ちながら重量が下がる。公園の椅子は利用者が自分で動かして好きな位置に置くため、持ち上げやすさが使い方に直結する。素材の変更が、そのまま使われ方を支えている。

スラットの曲面

座面と背もたれには、緩やかに湾曲したアルミニウムのスラットが並ぶ。曲面が身体に沿うため、詰め物を持たなくても座っていられる。スラットのあいだには隙間があり、雨水が抜け、風も通る。屋外に置いたままにする椅子では、この隙間が乾きやすさにつながる。

脚先のパッドと積み重ね

脚先にはエラストマー製のパッドが付く。石畳やテラスの床で椅子を引きずったときの音を抑えるためで、屋外の飲食店では利用者が頻繁に椅子を動かす。複数脚を積み重ねられるため、閉店後や雨天時にまとめて片付けられる。

塗装の工程

塗装は二段階で行われる。まずカソード電着塗装によって金属表面の隅々まで防錆処理を施し、その上から紫外線に耐える粉体塗料を静電気で付着させて焼き付ける。下地と表層を分けることで、傷が付いても錆が広がりにくい。色の選択肢は多く、原型のセージグリーンも用意されている。

エピソード

原型となったのは、1923年にパリ市庁舎の工房が制作した「セナ」と呼ばれる椅子である。フランス元老院が管理するリュクサンブール公園に置かれ、長く使われてきた。フェルモブは1990年代にこの椅子の現代版を製作する権利を得て、2004年にソフィアへ設計を依頼した。

フェルモブは現在も、リュクサンブール公園をはじめとするパリの公園にこの椅子を納入している。利用者が自由に動かせるため、日向と日陰、噴水のそば、木の下と、その時々の使い方に応じて配置が変わる。

評価と影響

2004年、リュクサンブール コレクションはVIAデザイン賞を受けている。歴史上の形式を調べ、素材と製法を置き換えて現在の条件に合わせるという進め方は、サファリチェアハンティングチェアにも見られる。アルミニウムは再生が可能な素材で、屋外に置いたまま冬を越せる耐候性を持つ。

基本情報

名称 リュクサンブール チェア / Luxembourg Chair
デザイナー フレデリック・ソフィア(Frédéric Sofia)
ブランド フェルモブ(Fermob)
発表年 2004年
デザインの成立国 フランス
分類 アウトドアチェア/ダイニングチェア
原型 セナ チェア(1923年、パリ市庁舎の工房による)
主要素材 押出アルミニウムのフレーム、湾曲アルミニウムのスラット、エラストマーの脚先パッド
仕上げ カソード電着塗装+紫外線に耐える粉体塗装
スタッキング
受賞 2004年 VIAデザイン賞(リュクサンブール コレクション)

Reference