概要
ホームデスク モデル4658は、ジョージ・ネルソン・アンド・アソシエイツが1946年に設計し、ハーマンミラーが製造した家庭用のデスクである。スチールパイプの脚が本体を床から持ち上げ、上部と背後に複数の収納を組み込む。1958年頃まで製造された。
特徴・コンセプト
本体を床から持ち上げる
脚はスチールパイプで、本体との間に空間が空く。床に接する面積が小さいため、掃除の際に机を動かさずに済む。木の箱をそのまま床に置く従来のデスクと比べ、下に影が入るぶん軽く見える。
用途ごとに収納を分ける
上部は蓋を跳ね上げる方式で、内側の棚を隠す。背後には引き戸があり、その奥に引き出しと棚が並ぶ。右側には穴を開けたアルミニウムのスライド式ファイルビン、左側にはタイプライターを収める区画があり、折り畳んで作業面にできる。天板にはレザーのブロッターが組み込まれ、手紙を分けて置く区画も設けられる。
収納をひとまとめの引き出しにせず、収めるものごとに形と開き方を変えている。ロールトップ机が持っていた区画式の収納を、扉と蓋で分けて構成し直した形にあたる。
素材
製造時期や個体により、ウォールナット、コームドオーク、プリマヴェラなどの突板が用いられる。パイン材の上に張られた例も確認されている。脚はクロムめっきのスチール、金属部品はアルミニウム、天板の一部にレザーを使う。
エピソード
第二次世界大戦後のアメリカでは郊外の住宅が広がり、家のなかで事務作業をする場所が求められるようになった。モデル4658は、その用途に向けて設計されている。
評価と影響
ネルソンが後に設計したL字型のデスクは、本作の業務向けの後継にあたる。1960年代にロバート・プロプストと共同開発したUSMハラー モジュールファニチャーと同じ時期の事務空間の再構成へとつながっていく。
同じネルソンによるネルソン プラットフォームベンチやマシュマロソファと同様、用途を一つに定めない構成をとる。現在は生産されておらず、流通するのは製造当時の個体に限られる。このデスクの美術館収蔵は、公開情報の範囲では確認できていない。
ジョージ・ネルソンの設計思想や経歴について詳しくはジョージ・ネルソンプロフィールページをご覧ください。
ハーマンミラーの歴史や他の製品について詳しくはハーマンミラーブランドページをご覧ください。
基本情報
| 名称 | ホームデスク モデル4658 / Home Desk Model 4658 |
|---|---|
| デザイナー | ジョージ・ネルソン・アンド・アソシエイツ |
| ブランド | ハーマンミラー(Herman Miller) |
| 発表年 | 1946年(製造は1958年頃まで) |
| デザインの成立国 | アメリカ |
| 分類 | デスク |
| 構造 | スチールパイプの脚で本体を床から持ち上げる。収めるものごとに収納の形と開き方を変える |
| 主要素材 | 木の突板(ウォールナット、コームドオーク、プリマヴェラなど)、クロムめっきスチール、アルミニウム、レザー |
| サイズ | 幅137.2cm × 奥行71.1cm × 高さ102.9cm |
| 収納 | 跳ね上げ式の上部、引き戸の奥の引き出しと棚、スライド式ファイルビン、タイプライター区画、レザーのブロッター |
| 生産状況 | 生産終了 |
Reference
- George Nelson | Herman Miller
- https://www.hermanmiller.com/designers/nelson/