概要

Akari Light Sculptures は、イサム・ノグチが1951年から手がけた照明のシリーズである。岐阜提灯の製法により、竹の骨組みに和紙を貼って構成される。

名称は日本語の「明かり」による。太陽と月を様式化した印が刻まれ、正規品の証明を兼ねる。

誕生の経緯とエピソード

1951年、ノグチは岐阜を訪れ、地元の提灯製造業への協力を求められた。

光源を蝋燭から電球に置き換えることで、提灯を室内の照明として用いられるようにした。蝋燭は炎の位置が固定され燃焼時間に限りがあるが、電球であれば任意の位置に配して継続的に点灯できる。この置き換えにより、寸法と形状の制約が外れた。

製造工程の特徴

木型に竹ひごを巻いて骨組みをつくり、和紙を貼る。接着剤が乾いて形が固定されたのち、内部の木型を分解して取り除く。型を残さないため、完成品は骨組みと紙だけになり、極めて軽い。和紙の縮みやしわはそのまま残る。

特徴・デザインコンセプト

和紙は繊維が絡み合った構造のため、光が内部で散乱しながら透過する。ガラスや樹脂のように面で屈折させるのとは異なり、紙の厚み全体が発光する。輪郭に濃淡の差が生じにくい。

骨組みが螺旋状の竹ひごであるため、上下方向に畳める。組み立てた状態では大きな体積を占めるが、畳めば平たい箱に収まる。照明器具としては例外的に、輸送時の体積が小さい。

デザインの多様性

200種類以上が制作された。木型を作り替えれば任意の形状が得られるため、球形、非対称形、幾何学的な形が展開された。床置き、テーブル、ペンダントのベースと組み合わせられる。

評価と影響

光源を紙の面で覆う構成は、ムーンランプが板で隠すのとは異なり、覆いそのものが光る。同じノグチによるノグチ コーヒーテーブルも、少ない部材で形を成立させる。

1952年の初公開以来、岐阜での製造が続いている。

現代への継承

現在も岐阜で製造が続いている。ヴィトラは2002年からノグチ財団と協力し、復刻版を扱っている。

収蔵

以下の収蔵が確認できる(MoMA=ニューヨーク近代美術館)。1978年にノグチ本人からの寄贈で4点が収蔵されており、いずれもモデル番号が異なる。

  • MoMA あかり フロアランプ(model 2P、1968年頃) 収蔵番号 216.1978
  • MoMA あかり ランプ(model JP、1960年頃) 収蔵番号 218.1978.a-b
  • MoMA あかり フロアランプ(model L2、1975年頃) 収蔵番号 219.1978
  • MoMA あかり フロアランプ(model K4、1977年頃) 収蔵番号 220.1978

基本情報

名称 Akari Light Sculptures(あかり)
デザイナー イサム・ノグチ(Isamu Noguchi)
デザイン年 1951年~1988年
製造元 株式会社オゼキ(岐阜)
素材 和紙(美濃和紙)、竹、金属フレーム
バリエーション 200種類以上(フロアランプ、テーブルランプ、ペンダントランプ等)
サイズ 直径30cm~100cm(モデルにより異なる)
収蔵美術館 ニューヨーク近代美術館(収蔵番号216.1978ほか3点)、メトロポリタン美術館、フィラデルフィア美術館
正規販売 The Noguchi Museum Shop、Vitra、MoMA Design Store